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これから読む本

ブログを読んでいると「出典はこちら」と書かれている本がいくつかあって、そういうのを読もう読もうと思っては忘れる。今日は備忘録代わりに、これから読みたい本の話。

一冊目が『「効果的な利他主義」宣言! 慈善活動への科学的アプローチ』で、これは慈善活動のホントのところを書いている(らしい。未読なので伝聞になる)。これを参照していたブログでは「一言でまとめると、善意であっても結果に責任が取れないときは、余計なことはしないほうがいい。善意を向けるなら効果がある方法を選ぼう」みたいに要約されていた。目次には「災害支援に寄付してはならない理由」「投票が数千ドルの寄付に匹敵する理由」「搾取工場の商品を避けるべきでない道義的理由」などが並ぶ。

「効果的な利他主義」、言葉はやや固いけれど、例えばこういうことなのだと思う。被災地に折り鶴を贈っても自己満足に終わるだけだから、そうじゃなくて寄付金のほうがいい。どうせ善意でやることなら、本当に人の役に立つことをしよう、と。そういうスタンスは確かに大事だ。自分が支援される側になったときを考えればわかる。きっと折り紙の鶴より食事と衣類、快適な寝床が欲しいと思うだろう。

二冊目が『進歩 人類の未来が明るい10の理由』。あらすじの欄には「いたるところ破滅と悲惨──ニュースやメディアが書き立てるネガティブな終末世界、そんなものは嘘っぱちだ」と元気よく書かれている。未来が明るいと信じることはそれ自体、希望なので読みたい。これも読書リストに入れる。

三冊目、『隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働』。宣伝文句によれば、ここでの隷属とは「人が機械に隷属させられ、働かされること」の意味で、そこからの解放を考える本になる。タイトル通りに受け取れば、週5日、15時間の労働で全人類が生きられる日がやって来る……かもしれない。その可能性だけでも考えてみるのはおもしろい。「そんなの夢見物語だよ」と言われても、夢を見ることすら叶わない状況こそが本物の地獄なので、夢見られるうちは見るのがいい。同じアホなら踊らにゃ損々。だからこれも読みたい本に入れておく。

それからマルグリット・デュラス、フランスの小説家だ。今まで読んだことがなかったのは、小説より本人の経歴を聞く回数が多いから。若い頃から美しく、富豪の愛人を持つも流されず、自伝的小説を得意として文壇で活躍し、中でも有名な作品は映画化されている。あまりいい印象は受けないけれど喰わず嫌いもよくないので、一度手に取ってみたい。

デュラスを紹介していたブログでは「植民地時代の話だから、人種差別的表現は出てくる。占領している側の上から目線の部分もあるし、そういうのに敏感なこのご時世、読めなくなる日も来るかもね」と書かれていた。印象がよくないのにはそのへんの理由もあるのだろう。今でもうっすらアジアを見下している、フランスのあの感じ。それがうっすらではなく濃い原液だったのが、デュラスの時代だったろうと思う。

現在形で読んでいる小説は、韓国のが多い。軍事政権下のソウルを描いた短編『うさぎと潜水艦』がそのひとつだ。韓国は1963年から17年間、パクチョンヒによる独裁政権下にあり、そこでは理不尽な理由で逮捕された人々がたくさんいた……というのが小説の背景で、韓国の近代史に不案内な自分にとっては、そこから勉強になった。

美容意識の高い韓国、『美しさが僕をさげすむ』という本も出ている。タイトルだけ見て図書館から借りてきた。太った主人公の一人称が進んでいく、外見を巡るあらゆる場面、ルッキズムの持つパワーとその逃れ難さについて考えさせられる。

本を買ったり、勉強したりするのに使っています。最近、買ったのはフーコー『言葉と物』(仏語版)。