忘れてしまったことについて。
忘れたことを覚えている、というのはとても矛盾している言葉でありますが、本当にその言葉でしっくりくるのが不思議なところです。
夏の暑い日、思い出せなくなったことを思い出す。
思い出そうとする。
失って出来た穴に手を通す。
特に何の意味もないし、意味を付けるほどでもなくなったものを客観的に覗く。
夢中になることで埋まってきた時間は静かにわたしを成長させる。
あの時のあの言葉、今のわたしにも聞こえるだろうか。
聞く耳は持ち合わせているだろうか。
他でもないその言葉で、わたしは動いているのではないか。
連れていってくれるのではない、共に連れていかなければいけなかったのだ。
ここまで来て思考は停止する。
いや、今にたどり着く。
もうずっとこうなのかもしれない。
穴が空いたまま、ここまで来たのかもしれない。
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