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創業10周年施策のデザイン過程と担当者の振り返り

こんにちは、メルカリクリエイティブチームのuoです。2月1日は株式会社メルカリの設立日で、2023年は10歳という節目の年でした。今回は、そんなよき日に公開された10周年施策について「デザイン行程」と「担当メンバーの振り返り」の2パートでお送りします。

10周年施策について

今回の10周年施策について、初期から決まっていたことは以下でした。

  • これまでのメルカリの10年を顧みる

  • 新たに策定されたグループミッションをお披露目する

平たく言うと、「これまでの10年に感謝や反省をしながら、決意新たに次の10年をスタートする場とする」というものです。

つくったもの

今回の制作物は、10周年特設LPと、その公開日の前日に配信したティザー動画です。

LP(リンク

動画(リンク

ざっくり設計方針

キービジュアル

  • LP、動画をはじめ、横展開するタッチポイントの世界観の根幹とする

  • リブランディングのプロトタイプ的な立ち位置と捉える

  • 新グループミッションのキーワードとなる「Unleash(解放)」「Circulate(循環)」を表現する

LP

  • 創業者メッセージ部分

    • ポジティブな面はもちろん、そうでない面も含めて、創業者(進太郎さん)個人の想いが感じられるものにする

  • 10年のあゆみ部分

    • 遊び心を取り入れて、誰かに話したくなるフックにする

    • それぞれの年の特徴が立った画像にして、カードをめくるような楽しみを生みだす

動画

  • 何だろう?とフックになるようなチラ見せ感を出す

  • LPが公開されたときに「あ、このことだったのか」と直感で繋がるクリエイティブの地続き感をつくる

クリエイティブの各担当者

それぞれ、担当者は以下のようになっています

  • ビジュアルデザイン担当:Takuro

  • ティザー動画担当:Kojun

  • LP担当:uo

それぞれ、デザイン過程を見ていきましょう。

デザイン行程:キービジュアル

構想
構想時点では、JAXAの機関紙JAXA'Sの表紙をお借りしたり、インターネット上からUnleashのイメージを取り留めなく集めました。

LPのワイヤーから。ここからクリエイティブのコンセプトへと繋げていきます

初稿
LPワイヤーからエレメントを抽出して策定した「まだ見ぬ可能性が広がる窓の向こうに踏み出していく」というクリエイティブのコンセプトとそのコンセプトアートです。今のメルカリの世界観を生かしながら、新しさを追加していく、という方向性もここで見えてきました。

二稿
より「新しいメルカリ」の印象を強めるため、イラストに写真を組み合わせたコラージュに。これまでメルカリではやってこなかった表現です。また、大きな一歩を踏み出す印象になるよう、窓から踏み出す表現も調整を行っています。

三稿
二稿の世界観を発展させ、軽やかさもありつつ勢いのある印象になりました。プロジェクト開始当初は制作陣も探り探りだった「Unleash」でしたが、ようやく形が見えてきました。

FIX版
Unleashのあしらいを絵の中心に据えながら、テクスチャを使ったり、人を追加したりと、より賑やかで多様性のある印象になりました。

デザイン行程:LP

LP初稿とFIX
社内で作成したワイヤーやモーションイメージ、各年のインフォグラフィックス画像をもとに、ページデザインとフロントエンド構築はTrymoreさんにお願いしました。初稿から、フォントやレイアウト、テキストなど、細かく調整をしていきました。モーションイメージは同じクリエイティブチームの映像ディレクターがイメージを制作してくれました。

大きい画像はこちら

インフォグラフィックス初稿とFIX
LP中でクリエイティブの肝となるインフォグラフィックスです。「メルカリがこれまでUnleashしてきた歴史」をテーマに作成した各年の構成案をもとに、デザイン制作→調整→社外パートナーを含め関係各所に確認を出しに行く、本プロジェクトで最も慌ただしい進行となりました。初稿とFIXで特に変化が多かった年を並べてお送りします。

デザイン行程:ティザー動画

キービジュアルにモーションと音楽を加えて世界観を拡張しながら、短い動画にぎゅっと詰め込んだティザー動画です。制作はintenさんにお願いしました。

アニメーションについて

初稿も良かったのですが、「Unleash(解放)」に寄りすぎていたので「Circulate(循環)」の要素も追加しながら、LPとの連携を意識しつつ調整していきました。特に、音楽はいくつか案があるなかで「どれが新しいメルカリらしいか?」を意識しながら細かく気を配りました。

アニメーション初稿-Aパターン

アニメーション初稿-Bパターン

音楽について

音楽も大きい方向性2案から選定し、採用したものに対してボリュームやエフェクトを細かく調整をかけていきました。

音楽方向性-Aパターン

音楽方向性-Bパターン

FIX版


プロジェクトを振り返って ~担当者のことば~

ビジュアルデザイン担当:Takuroさん
窓の構想は初期から思いついていたので、キービジュアルは割と筆が進んだと思います。途中でコラージュにするとなったときは、正直「え、コラージュ…?」という気持ちはありましたが、やってみると表現の幅が広がって、上手くいきました。
LPのインフォグラフィックスは、とにかくそれぞれを魅力ある年にしたかったので、根気強くつくっていきました。各年のテーマに沿ってレイアウトしながら素材を切り抜いたり、自分で手タレをしつつiPhoneで撮影したり…。作業量も考えることも多くて、特に大変だったので、無事に公開されたときは達成感でこっそり泣きました。
思い返せば、昔の写真は見るだけでも楽しかったですし、新しいメルカリのクリエイティブの方向性を作る、というコトに向かっている実感があり、やりがいがありました。進太郎さんのアタマがパカンと割れて何かが飛び出す、みたいな遊び心も取り入れたいねと話していましたが、そこまでやれる余裕がなかったのが心残りです。また次回に挑戦したいと思います。

ティザー動画担当:Kojunさん
動画のパートナーさんとはYOUR CHOICEの移住先の飲み屋で知り合ったんですが、ざっくばらんに話せて、考え方のすり合わせが楽でした。制作もツーカーで出戻りが少なく進められてよかったです。
体制上は動画の制作Dがメインパートでしたが、裏ミッションとしてデザインプログラムマネージャー的な役割を意識してました。クリエイティブと他のメンバーのコミュニケーションの橋渡しをしたり、意見が割れて折衷案になりそうなところを、もう1歩踏み込んで議論ができるように会話したり。なんか会議がうまくいったね、という感じに持っていけてた気はするので、やってよかったと思ってます。
あとは社内イベントのプロジェクトに顔を出して、制作の相談窓口をやりました。どんなことがやりたいのか話を聞きながら、一緒に制作のイメージを固めていきました。あこがれとしては一発でかっこいいものを作る寡黙なクリエイタータイプなんですが、得意なことをやっていくとこうなりますね。とりあえず動画のパートナーさんと打ち上げに行ってきます。

最後に

今回のプロジェクトは、PR(広報)チームと密に連携し、お互いの強みを生かしながらの進行となりました。結果、クリエイティブチームだけでも、PRチームだけでも作れないものができたと思います。

10周年という節目のプロジェクトに関わることができたことはもちろんですが、スケジュールに痺れながら、背中を預けられる仲間と楽しみながら取り組めたことが何よりの財産となりました。

創業10周年の当日の様子はメルカンでも発信していますので、よろしければご覧ください。
https://mercan.mercari.com/articles/37527/