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地元のしがらみから抜け出したい。

僕の地元は「25歳の成人式」なんてものをやっている。

25歳になり、社会人になった今、当時の友人、同級生は今をしているか?などの情報共有、人脈作りをする会だと、そんなような記載があった。


「なんだか気持ち悪い会だ」と感じたし、今でもそう思っている。


僕の地元は都心からも近いけれども山や川に囲まれており自然豊かな観光地!みたいな打ち出し方をされている絶妙な田舎。
けれども田舎は田舎なので、地主、収入格差、噂話など、田舎特有の妙なねっちっこさが残る環境だったことが思い出される。

結婚をして子供もできた、車を買った、地元を発展させるために起業した。

SNSを通じて地元と疎遠になっている僕にまで情報が入ってくる。聞いてもいないのに教えてくる人がいるのだ。そんなマウント合戦真っ最中の田舎が僕の故郷。



それをSNSではなく、対面でやろうというのが「25歳の成人式」だ。



そしてその案内が、25歳になった僕にもついに届いた。
僕は当時、大学進学と共に地元を離れ、そのまま地元に帰ることなく仕事をしており、実家も当時住んでいた場所ではないため、地元の友人は僕と連絡を取る手段がないとのことでインスタグラムのDMで参加依頼の案内が届いた。

LINEを知っている人間だっているはずなのに「DMで、しかもインスタで連絡してくるなよ。」と思い、「もちろん不参加で!」なんて嫌味とおふざけ半分で返信した。
返信は来なかった。失礼な人間だ。と思ったがお互い様か。

後日知ったのだが、半分以上の同級生が参加したようだった。

「25歳の成人式」の当日、参加者からLINE通話の着信が数分間隔で何人かから届いた。
すぐには気づかなかったのだが、着信に気づいたときは「何かあったのだろうか?」と心配になり3人目くらいで僕は電話に出た。

「あ、出た出たwww何で今日来なかったんだよ~www」
「今ならまだ間に合うよ~www」
なんて陽気な声で僕に話しかけてきた。

話を聞くに飲み会をやっていて
・ゲームで負けた人間は、罰ゲームで今日来ていない誰かに電話をしなかればいけない
・電話に出るまで同じ人にかけなければならない
という甚だ迷惑な罰ゲームが開催されていたらしい。


僕は正直に
・25歳にもなってクソ迷惑なことをやっていることに気づかないのか?
・全然面白くない
・もし次の不参加者に電話をかけるのはいいけどかけられた方は不快だからやめたほうがいい
ということを陰キャ特有の相手に反論の余地を与えない息継ぎをしない早口で畳みかけたような気がする。


そして向こうのテンションが下がり、終話。


罰ゲームの盛り上げ役にされたことが本当に不快で、それを止める人間もいないことが本当に残念であり悲しかったのですが…
次第に僕の感情が悲しみから怒りに変わりました。
こんな人間との関わりを断ち切りたい、忘れたいし忘れられたい、と。

Facebookは退会し、LINEは全員ブロック、
インスタグラムについては地元の知り合いのフォロー・フォロワーを確認して、知っている人間は先回りして片っ端からブロックをしていきました。


僕のことなんて興味がなさそうな「知り合いかも」に表示される同郷の人もブロックしていきました。

これが僕の伝家の宝刀「先回りブロック」です。僕の近況は地元の人間には知りない状況を作り上げました。

こうして僕は故郷に友人・知り合いと呼べる存在が一人もいなくなった。

妙な解放感と達成感を感じたことを今でも思い出すことができる。

そんな僕ですが、現在は素敵な配偶者と共に生活をしていて、幸せな毎日を送っている。

あるとき、ブロックをしていなかった地元の知り合いから
「結婚してたんだね、おめでとう。」とラインが届いたのが、つい最近の話。


だから僕は故郷が嫌いだ。

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