男が解放される時
そのお客様はおそらく結婚するのが早くて 50代ぐらいの方だったと思います。
バツイチの方でもう子供も成人していらっしゃり、熟年離婚された そうです。
それで メンズエステには滅多に来ない そうなんですけど、たまたま 私が担当することになりました。
その方は 何だかちょっと疲れているように感じました。
そして離婚したことに対して、
「自分の人生は自分の人生、 子供の人生は子供の人生だから」とおっしゃっていました。
その時は意味がよく分からなかったけど、
あれから数ヶ月経って、彼のこの言葉に込めた感情が、最近良く分かるようになってきました。
男の人は子供が小さい頃はなかなか離婚できない場合も多いと思います。
奥さんのモラハラに耐えている方や、 理不尽な結婚生活を強いられている方というのは想像以上にたくさんいるものです。
このnoteを読んでいても、実際に子供が小さい頃に離婚した方もいれば、子供と離れたくない、子供が小さいうちはと耐え忍ぶ方それぞれ、気持ちに重みがあって、責任感と自分の本音とで苦しんでいる気持ちが伝わってきます。
簡単に決断できることではないし、選択することすら難しいのでしょうが、もう一つの人生へワープするかここにいるか、それとももう2つ、3つ目の可能性もあったのか、どの世界に自分が存在するかは紙一重に思います。
日本の結婚制度だと、男の人が 養育権を取るのがすごく難しいのです。
だから子供から離れたくなければ結婚生活がどんなに辛くても離婚を我慢する男の人もいます。
実際 彼の奥様のことなど背景を詳しく聞いてないので想像でしかないですが、彼もそんな1人だったのかもしれません。
いくら 親とはいえ 義務だからといえ お父さんの顔だけじゃなく、やはり 男としての自分 、人間としての幸せってありますよね。
これは私の勝手な想像ですが、彼はきっと、 ずっと我慢して感情に蓋をしていた時期が長期間あって、解放されたかったんだなって思いました。
それがあの一言に集約されていたと思うんです。
長期的な関係をまた誰かと築きたいって自分の幸せを願うところまでまだ心が癒されてないけれども、一時の幸せを感じたい、もしかしたらそんなことを考えているのかもしれません。
ここに来る男の人は何か 背負っていることや 会社などのことを一旦は置いて、鎧を脱ぎ捨てたいのかもしれません。
お店の中で彼らを癒すということについてはすごく やりがいを感じます。
衣類を脱ぎ捨てるとともに、責任感や義務感を一旦は置いて、心の解放
を求めているのかもしれない、と感じました。
メンズエステのお仕事は、そんな男の生き方を背中を通して見つめ、癒やすお仕事、という一面もあるのかもしれません。
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