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【社員インタビュー】大手から来た若手執行役員:マーケティングを土台とした事業づくりとキャリア


こんにちは!

宝塚と日本酒をこよなく愛する、menu株式会社広報担当の小林です。


今回は、弊社のマーケティング本部 / 執行役員の二ノ宮にインタビューしました。

大学時代は工学部で材料工学を学ぶ傍ら、Facebookを使ったマーケティングに関わる事業で起業。卒業後、外資系消費財メーカーのP&Gに入社しシンガポールに赴任。6年間、ブランディングのほか自社メディアの運営などに携わる。2019年にレアゾンHDに入社し、新規事業のマーケティング部を統括。


1. ビジネスに興味を持ったきっかけ


大学3年生くらいまでは一般的な大学生活でした。

大学4年時に所属していた研究室が3.11の影響による計画停電で使えなくなったときがあったのですが、ちょうどその頃、いろんな大学から理系の学生が集まってビジネスを考えるゼミのオープン講座があり、実験ができない中で時間を持て余していたこともあって、その講座に通うようになりました。

理系の学生もビジネスを学びましょうという趣旨で、チームを組んで3ヶ月くらいで企業に提案したり形にしていったんですけど、それをきっかけに、ビジネスに興味を持ち始めました。

のちに一緒に働くことになる、現在menuの事業責任者を務めている佐藤
に出会ったのも、このゼミでした。


2. 研究とビジネスの二足の草鞋


ビジネスに触れ始めたのと同時期に、研究の世界が肌に合わないのではないかと感じ始めていました。

そもそも研究の世界はスゴい深い。

最先端で自分しか知らないことを世界で初めて発見するロマンはあったのですが、想像以上に地道な世界でした。

私の専門は材料工学や医療系で、細胞の高分子をいじるみたいな研究をしていたので、お正月も研究室に行って、実験対象の細胞に餌をあげたりと、とにかく手間がかかるんです。

再生医療などは大きなロマンはあるものの、スポットライトを浴びるのはごく一部で、ひとつの大きな学びを得るのに2、3年はかかります。

ビジネスの世界はこんなにもスピードが早いんだと感じる一方で、研究の分野はスピード感に欠けると思ってしまいました。

あとは、ビジネスの世界は研究の世界と違って、ものすごい数の人たちが関わっているというのも大きかったです。

ソーシャルネットワークの世界観に憧れて、ビジネスプランコンテストに出て、その賞金で渋谷にオフィスを借りたりして、いつしか1日の大半をオフィスで過ごすようになり、大学院を中退しました。


3. ファーストキャリアに選んだP&G - 代表渡邉との出会い


でも、何をするにせよ一度は大企業を知りたいという好奇心みたいなものがありましたし、事業やビジネスプランを考える上で一番大事なのは、ユーザーや消費者にどういう価値を提供するかを突き詰めることではないかと思っていました。

とはいえ、将来やりたいことも明確ではなかったので、なんとなく研究室の友達が応募しているようなところに応募していました。

周りの皆は研究部門にエントリーする中で、ビジネスで大事なのは価値提供だと思っていたこともあり、そこに特化した職種を中心にエントリーした記憶があります。

新卒でP&Gに入社した後も、キャリアに対してそこまで主体的ではなかったんですが、学生時代から佐藤との親交は続いていました。

ある日、佐藤が誘ってくれて、代表の渡邉と飲みに行ったとき、初対面なのに「君は将来うちの会社で働くことになると思うよ」と言われたんです(笑)

当時、自分はイケてる人間だと思って尖っていた時期だったので、「待て待て、なんでやねん、俺は世界のP&Gで勝負してるし、そんな訳あるはずないやん」みたいな感じだったんですけど(笑)

今でも、考えると不思議な気持ちになります。

P&Gで学べることを一通り学んだら転職しようと思いながら丸6年経った頃、当時シンガポールにいたのですが、日本に戻り、ふわっと転職活動を始めました。

でも、あまり響く会社がなくて、そのタイミングで『menu』を手伝ってほしいと佐藤に声を掛けられたのがきっかけです。

フードテック事業には興味があったので、手伝うくらいなら是非!と思って、気付いたらこんな感じです(笑)


4. 20代で触れたマーケティングの面白さ


社会人の初めに、人の心の奥底にある歪みに敏感になること、その歪みに触れる術を知ること、物事の構造に敏感になることがマーケティングの肝であると理解したことが後々に影響していると思っています。

たとえば、柔軟剤は普通100円や200円の世界ですけど、900円で売る戦略を考えていたときに、後輩が言っていて面白かった話があって、女性は結婚して子供を産むと優先順位が自分から子供へと変わる瞬間があるらしい、と。

結婚して子供がいないときって、旅行が好きとか、休日は美術館へ行くとか、自分像みたいなものがあったりするんですけど、子供ができると、お金、興味の全てが子供に向くようになる。

それでもふとした瞬間に、若い頃は旅行好きだったよね、みたいに思うことがある。

今は幸せかと言えば幸せだけど、どこかで昔の自分に対する懐かしさがあって、誰しもがそういうノスタルジーが湧き上がるタイミングがあるので、そこを刺しにいく。

自分の色を醸し出す香水は使えないけど、柔軟剤であれば使えるし、少し自分を出すこともできる。

まさにこれって、人間の心の奥底にあるちょっとした歪みをすくい取ってあげる術だと思いました。

それでもビジネスなので、ゴリゴリ数字に落としていくことがマーケティングでもあり、常に物事を細かく砕いてみたり、ヒトやモノに対して敏感になるのが、マーケティングを学ぶ一番の方法かなと。

私は日常的に言語化することを心がけていて、妻が人間に対する興味が強い人なので、あの人は何を考えていたのだろうとか、自分自身はどう思ったとか、そういう会話も多いので、少なからず影響は受けていると思います。


5. ベンチャー企業ならではのやりがい


前職はビジネスに関わる環境がしっかり整備されていて、消費者は何を考えているのか、何を “歪み” として持っているのかなど、プランを考えることに集中できる環境だったので、今思えば環境面の良さは抜群だったと思います。

今のmenuでは事業開発という職種上、決まったプロセスも特になく、ジャングルを開拓するような作業がメインなので、そこが大きな違いですね。

特にフードデリバリー事業は、プラットフォームビジネスの中でも難度が高く、店舗、ユーザー、クルーがいて初めて成り立つので、三者のマッチングが必要です。

まず、ユーザーがいるときにクルーがいないといけないので、リアルタイムであることが非常に大事。

そして、オーダーされたところから、3km圏内にクルーがいないといけないという条件もあったり、これを全国単位でやろうと思うと難度がさらに上がりますが、やりがいは相当あります。

最近は、三者のマッチングを合わせて売上を見ながら、マーケット運営を含むユーザー側の運営体制の見直しや拡大も進めています。

「競合他社が多くいる中、どうやったらmenuを使ってもらえるか」「どうやったらクルーにmenuを選んでもらえるか」「どうやって店舗と共に売上をつくっていくか」ということに取り組んでいます。

また、デリバリー市場は、コロナ禍で消費者が成熟してきていて、今まで試したことがなかった店舗様が、デリバリーに適した料理を提供するようになったり、デリバリーの打ち出し方に慣れてきたことで、業界全体は成熟してきていると思います。

たとえば、イートインは店舗の雰囲気も大事ですが、デリバリーの場合は店舗の雰囲気よりも一品一品の料理の特徴だったり、そもそもイートインとデリバリーって求められていることが違うと思うんです。

その中で、フードデリバリー市場が拡大し、デリバリーに興味が深まってきている中、店舗さんと一緒に、デリバリーでユーザーに喜ばれる最適なグルメの形を模索していけたらいいなと思っています。

あとは、効率的にご飯を提供するサービスだからこそ、暖かさや美味しさに寄ったところも大切にしていきたいですね。

マーケットニーズを読みながら、要望に対する補填をしつつ、店舗さんともコミュニケーションをとって、ユーザーに喜ばれるフードデリバリーの最適解をmenuとして打ち出していきたいです。


6. 一緒に働きたい人


いろんな人と働いてみたいですけど、熱量のある人と働きたいですね。

仮に、前職を一言で表現するなら “温室” 、今の環境を表現するなら “ジャングル” を切り開いているイメージで、馬力や熱量が大事になってくるので、パワフルな人と働きたいです。

どんなに小さい仕事でも、絶対に譲れないこだわりのようなものがある人には熱量を感じます。

何かひとつ猛烈に特化していたり、この分野には異常に強い、みたいなものがあると優秀だと感じますね。


7. 今後の目標


日本全国で、“お腹が空いたら最初にひらくアプリ” を目指しているので、お腹が空いたらまずmenuでしょ!となるようなサービスにしたいです。

やったことがないことに日々チャレンジしていて、本当に毎日楽しいので、今みたいな状況が続いてほしいとも思いますし、これから新しいステージで、新しい仲間と共に戦っていくのが楽しみでもあります。

知的好奇心が満たされる経験と仲間とわいわい楽しむ経験が、自分にとって大事なことなので、それが実現できれば何でもいいっちゃ何でもいい。

言うなれば、仕事が遊びで遊びが仕事って感じなんだと思います。

何事にも深い構造と心理があるような気がしていて、それを追求して触れられるようなことであれば何でもアリで、そこに仲間がいてくれたら、なお良しですね。


8. 若いうちに成長したい人へ伝えたいこと


人生は自分自身と向き合って考える旅みたいなもので、それが究極のマーケティングなのかなと最近は思っています。

人間って自分のことを驚くほど理解できていないとも思いますし、いろいろ経験して、丁寧に観察するしかない。

若いときは様々にやってみて、失敗して学び、その経験を次に活かす。

これに尽きると思います。

この記事を読んで、menuに興味を持ってくれたり、一緒に働きたいと思ってくれる人がいたら嬉しいです。