![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31139560/rectangle_large_type_2_ffbdf64eb2fb4ffe56fd99d3e52a32d5.jpg?width=1200)
【NHK】「巨龍・中国が変えゆく世界“ポストコロナ”を迎える市民は」
コロナ禍にあって、NHKのドキュメンタリーは、様々な切り口・視点で、これからの世界がどうなるかを判断する情報になる。とても面白い。
「巨龍・中国が変えゆく世界“ポストコロナ”を迎える市民は」は、ジャーナリストの鎌倉千秋氏が、26か国を旅して取材してきた、人脈をフル活用して、各国の人々にオンラインで接触したインタビュー記録だ。
登場するのは、中国本土の若者たち、香港の民主化運動を行う若者、イタリアのジャーナリスト、カンボジアの一店主だ。基本的には、オンライン取材を行い、彼らの言葉から、コロナ後の世界で中国がどんな影響力を持つようになるのかが描き出される。
中国人の愛国心
日本での一般的な報道を見るにつけ、コロナウイルス問題が勃発してから、世界中で中国人は肩身が狭い思いをさせられていると感じていた。コロナを広めた犯人として糾弾されているからだ。しかし、それは日本から見る中国の姿に過ぎないのだ。
インタビューに答える中国人の若者たちは、政府がコロナウイルス問題において初動が遅れたことは認めつつ、それでも全体としては、今回の件で愛国心が強くなったと述べる。
番組で紹介されている「健康コード」。中国で、感染者(感染の可能性がある人)を「分類」するアプリ・システムが見事に機能している様子が描かれている。アメリカや西欧諸国の大混乱ぶりと比較すると、中国の整然とした有様には舌を巻いた。
個人に関係した、ありとあらゆる情報が中央に集まり、人民は完全に管理されている。そして、それを人々は喜んでいるのだ。それゆえに、コロナウイルスのようなパニックも抑え込めたから。共産党の一党体制ゆえに国は一つになっているのだと。この取り組みに不安を感じ警告を発する人もいるが、少数である。全体的には、中国人の愛国心は、コロナ騒動により、一層高まっているという。
中国に依存する国々
中国は、医療崩壊を起こしたイタリアへの医療支援を行った。その結果、感染は抑え込めたし、中国への評価は高まったのだという。コロナ以前は中国を好意的に見る人は10%しかいなかったのに、今は50%を超えているとのこと。中国が、ネット上でプロパガンダを繰り広げて、中国に好意的な世論を作り出したという告発もある。しかし、全体的に見ればイタリアは中国を忌避していない。
さらには、カンボジアである。コロナ以前は、中国を忌避していたカンボジア人の男性は、考え方が全く変わっていた。カンボジア経済が、今や中国に完全に依存していることを認めるようになったのだ。早く中国人たち(観光客や投資家)がカンボジアに戻ってくることを望んでいるのだ。
若干、アメリカよりの報道に触れて「中国は世界の嫌われ者」と考えがちだったが、考え方を改めなければならない。それにしても、世界中の人脈をフル活用して、その国の人にインタビューしながらコロナと中国の関係を解き明かしていくドキュメンタリーは見ごたえがあった。
(追記)監視カメラと顔認証システムを活用した「デジタル独裁政権」の実体は次のドキュメンタリーで描かれている。まさに「戦慄」する。
大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq)