私が目標達成できない理由。2つの種類の目標設定を混同していたから。

目標を立てるのは好きなのに、達成できない。どれだけ細分化した目標を立てても、計画通りにはいかない。馬鹿正直にSMARTの法則に従って、目標を立ててきたのだ。半日がかりでオフの日に部屋にこもって目標を立てるのだ。SMARTゴールとは、目標達成に有効な戦術の頭文字を取ったものだ。

S（Specific）：具体的
M（Measurable）：測定可能
A（Action-Oriented）：達成可能
R（Realistic）：現実的
T（Time-sensitive）：期限がある

しかし、どれだけ細分化して具体化した目標を立てても、やればやるほど予定外のことが起こる。10年後、5年後はともかく、細分化した半年後の目標すら達成できていないので、計画の練り直しになることが多かった。恥ずかしい話、目標を立てれば立てるほど、自分がダメ人間のように思えた。

ところが、最近、「実践版GRIT」を読んで「目標設定理論ではタイプの異なる２つの目標を明確に区別する」必要があることを知った。そして、目から鱗が落ちた気がした。

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タイプの異なる２つの目標

「実践版GRIT」では、目標設定をする際には、二つの種類の目標を混同しないようにと勧められている。

（1）パフォーマンス・ゴール
一つ目の目標は、パフォーマンス・ゴールと言われるものだ。それこそSMARTの法則で設定できるような分かりやすい目標のことだ。例えば、大学受験とか、資格取得とか、ゴールがはっきりしていて、逆算してやるべきことを定められるような目標のことを言う。

多くのビジネス書では、パフォーマンス・ゴールの定め方が詳しく載せられている。しかし、それを「夢」のような、大きめの目標設定に当てはめようとすると無理があるのだ。実は、大きな目標の場合はパフォーマンス・ゴールではないことのほうが多いからだ。

（2）「ラーニング・ゴール」

「ラーニング・ゴールは、まだ一度もその目標を追求したことがなく、目標達成にどのくらい時間がかかるか、または達成するためにはどんな戦略が必要かといったことが見当もつかない場合を指す。」

つまり、学びながら達成していく目標のこと。一度もその目標を達成したことがない（類似した目標も達成したことがない）ので、目標達成までの時間や、戦略、具体的なステップが見えていないという目標だ。

こういう目標の場合は、SMARTの法則は有効ではない。なぜなら、どうやって細分化してよいか分からないからだ。細かく小さな目標に分けてみたところで、机上の空論でしかない。それで、ラーニング・ゴールを達成するためには「特定の期日を設けるのではなく「ベストを尽くす」という方針」を持つ以外の方法はないのだ。

まさに、私の目標はこれだった。はるか遠くに見えていて、憧れはあるのだけれど、それをどのように達成してよいか道筋が見えない。そんな中で細分化した目標を立てようというのは、土台無理な話だったのだ。

こういう時には、過去の記事で書いたように「昨日より良くなる」というような目標を定めて、最善を尽くすしかない。私の場合は、一日のうちに3つ達成したい目標を決めて、その日、その日に打ち込んでいる。これでよかったのだ。

専門家のサポートを得る

もちろん、いつまでも「ベストを尽くそう」という目標では、具体的なステップに進めない。そこで、ラーニング・ゴールから、パフォーマンス・ゴールに目標設定を変えていく必要がある。そこで役立つのが次の方法だ。

私はすぐにでも良き先輩を見つけるべきだと提案した。メンターとなる存在に助言を求めることで、できるだけ早くラーニング・ゴールをパフォーマンス・ゴールに変えていくための妥当性の高い基準が見つけやすくなるからだ

すでに、その目標を達成したことがあり、どのように大きな目標を細分化すればよいのか、どんな戦術を用いればよいのかが分かっている先生を持つ必要があるということだ。新たなジャンルに取り組む際には、コーチが必要だと言われるのはこういう理由なのだ。

しゃかりきに、一人で目標を設定して頑張っていても、現実離れした目標なら、立てないほうがマシになってしまう。早めに軌道修正してもらう必要があるのだ。

目標設定という基本的なスキルさえ、専門家のアドバイスがないと混乱してしまうのだ。私は身をもってそのことを知った。

「素晴らしい成果を挙げようと思うのならば、ラーニング・ゴールとパフォーマンス・ゴールの違いを理解し、各々の方向性を理解することは必要不可欠だ。その理解があれば、高い目標で成功するために必要な時間や労力、集中力、粘り強さを、無駄に使わなくてすむ」

私が本当に達成したい目標（今はラーニング・ゴール）を現実的なパフォーマンス・ゴールに落とし込むためには、早いところコーチ・トレーナーを見つけなければならないという話だ。

分かってしまえば単純な話だけど、この理解を得るまで5年もかかったわ。

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