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【感想】NHKスペシャル「新型コロナ“第3波” 危機は乗り切れるのか」

新型コロナ第3波は抜き差しならないところまで来ている。しかし、街中に緊迫感はあまりない。一昨日、キビシイ市民管理の成果ゆえに、新型コロナウイルスをほぼ抑え込んでいる中国についてのドキュメンタリーを見ていたので、なんとも複雑な気分になった(参考:【感想】クローズアップ現代+「【武漢の今】変化…感染抑制と個人の自由 パンデミック1年」)。

もし、医療崩壊が始まると、これまで考えてきた「当たり前」のインフラがどれほど大切だったかを思い知ることになるだろう。医師も看護師も保健師も、いきなり養成することはできない。つまりは人的資源も限られているのだ。それこそ国民一人一人が「持続可能な・・」スタイルで生活しないと、自らの首を絞めていくことになるのだ。専門家の視点から第3波を分析。

医療崩壊迫る

医療崩壊は、もはや将来の話ではない。これまでは65歳以上・基礎疾患の人が新型コロナにかかった場合、無条件に入院だったが、その基準が厳しくなり始めている。病床数が限られてきていて、入院できない人も増えてきているという。

10か月にも及ぶ心身共に疲弊させられる激務で医師や看護士の疲労も限界に達している。家族を感染の危険から守るため10か月家族から分かれて生活する看護師や、家で待つ子供にうつさないように全身を消毒してから家に入る看護師長の姿が苦しい。残念ながら映画「感染列島」のような現実が起こりつつある。

クラスター対策の限界

10月のクラスターは295件、11月は814件。なんと一か月で2.8倍増加している。前述のように医療機関でのクラスター発生も大きな問題となっている。尾身氏が指摘していたように「すでにクラスターを追えない」のが現状だ。世界から見て日本の新型コロナ対策が比較的うまく行っていたのは、徹底したクラスター対策があったはずだ。

北海道の旭川の老人病院では200人を超えるクラスターが発生した。寝たきり老人たちが新型コロナに感染した場合、看護+介護の問題が生じるため、コロナ専門施設への転院ができなかった。逡巡している間に爆発的に感染者が増えていった。もともとインフラが脆弱な地方に行けば行くほど、この問題は大きくなるという。

ステイ ウィズ コミュニティ

東北大学大学院の中谷友樹 教授の研究が注目を浴びている。時系列で新型コロナが発生した場所を3次元で浮かび上がらせる手法だ。このマップから読み解けるのは「感染の核」となる都心部の存在と、第2波~3波の間には休止がないことだ。

研究によると、1週間の中で自分の属する「コミュニティ」の人数の上限を超えた交流がある場合、感染が爆発的に広がることが分かった。番組ではキャスターの鎌倉氏の場合、家族が2人・同僚が10人の「12人」がコミュニティとなる。一週間に接触するコミュニティ外の人を12人以下に抑えることだ。

「ステイホーム」は閉塞的な気持ちにさせられるかもしれないが「ステイウイズコミュニティ」であれば、しばらくの期間は、交流は自分の所属するコミュニティの間だけに抑えるのは現実的ではないか。医療従事者を代表とするエッセンシャルワーカーのように、使命感ゆえに最前線で危険を顧みずに働く人もいる。動きを止めることができる人は止めるしかない。今はそれしかないんじゃないかな。

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq