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ADHDの診断を受けるべきか。ADHDと共存し、それを活かす考え方を。

発達障害の診断を受け、告知してもらうべきだろうか。それともしないほうが良いだろうか。とても難しいテーマだと思う。診断・告知されることによって、その特徴を自ら「強み」に昇華させられる人もいるけれど、それまでの人生が崩壊してしまう人もいる。

サトラレを読みながら、そんなことを考えた。

診断されて人生が狂った人たち

サトラレの中では、サトラレがサトラレだということを、悟られないように(笑)、周囲の人たちが必死で演技をし続ける様子が描かれている。サトラレが自分がサトラレだと分かった時には自殺してしまう可能性が高まるのだ。1人目のサトラレは自殺し、2人めのサトラレは人前に出ることにPTSDを患い孤島で生活することを選んだ。

ADHDやASDと診断されて人生が変わった人を、これまで5~6名見てきた。その中の2名は、まだ子供だったが、実にかわいらしく子供らしいADHDだった。まだまだ、抑えることを知らないADHDは問題児の一面がある一方で、活動的で創造的で魅力的だった。

ところが、ADHDを診断されてから、彼らの人生は変わった。とにかく、親や教師が保護的になった。何をやってもADHDなのでということで怒られなくなった。だんだん、彼ら自身もADHDなのだからと、努力することをやめるようになった。

あのイキイキしていた目が、死んだ魚のような目になった。自分の少年時代と重ねて、彼らをかわいがってきた私にとっては、とてもつらい変化だった。

ADHDだろうと、そうでなかろうと、人にはみんなつらくても努力しなければならない時がある。ADHDというラベルの良い面は、詳しく調べなくても、すぐに特徴が分かること。これは、教師や周りの大人たちにとって助けになるだろう。一言で、その子の特徴をある程度理解させることができるからだ。

しかし、まだ、自分の人生をしっかり生きようとしていない幼いころにADHDというラベルを貼り付けることには疑問を感じた。

ADHDを自覚する意味

ADHDは脳内神経物質の異常であることが知られているが、それを完璧に修正する薬はない。リタリンが過剰にもてはやされた時期があったが、結局、薬ではどうしようもないのだ。ADHDは受け入れていかねばならない個性の一つなのだ。

私がADHD(グレーゾーン)を自覚しだしたのは、20歳を過ぎてからだったが(それまでADHDという言葉を知らなかった)、ADHDについての本を読んだり、情報を調べたのはとても良い効果を生んだ。

もっとも、そこから病院には行かなかったので、今でも診断はされていない。多少の心理学知識があり、精神科医が診断する病名のあやふやさが分かっていたから、実生活の中で大きな障害がなければ病院に行く意味もないと判断した。周囲に激しく迷惑をかけて生きてきたが、何とか生きていけているし。

ADHDというキーワードを知る前は「どうして、他の人と同じようにできないのか」ということばかり考えていた。よく、親からも「とんま」とか「間抜け」とか「どうしてそんなにできないのか」と言われ続けてきたので、その辺、自尊感情は大いにかけていたのだ。

ただ、ありがたかったのは、私の場合は、大人になってから自分でADHDというキーワードに出会えたことだった。成長期に「自分はADHDだ」というラベルを自分に張り付けていたとしたら、すべてをあきらめていたかもしれない。

ADHDでもできることがある

その時から、できないことに悩むのではなく、どうしたら常人と同じようにできるのかツールや工夫の研究に明け暮れるようになった。いわば、けがをしているようなものなのだ。治らないケガだ。時折、つらかったり悩むけれども、悩んでいてもしょうがない。

それでも成果をあげるには何ができるかを考えることだ。身体障碍を抱えたアスリートはオリンピックには出られないけれど、パラリンピックに出ることができる。ツールと工夫で一流のプロになることは可能なのだ。

だからこそ、私はADHDでもできる!というメッセージを発信し続ける人であろうと思っている。だから、大人になってから診断を受けるかどうかは、どっちでもいい。本人が、いずれにしても「やってやろう!」と奮い立つなら、どっちでもいいんだ。

ADHDでもあきらめない人たち

本物のADHDでもできる!ということを見せつけられる良書だ。著者は、本物(診断)を受けているADHDだ。精神論ではなく仕事術・ライフハックをしっかり書いているから読むと奮い立つ気持ちになる。

続いても、努力が必要!負けるなというメッセージを感じ取れる本。レビューの中には、そんなにうまくいかないというものもあるが、はじめからあきらめるな!というメッセージなのだ。読み放題でも読めるからぜひ。

並べるのは申し訳ないけど、これは私の本。レビューで「アドレナリンについて書いてませんでした」というものが、あったが「アナドレン」なので、そこはジョークとして受け取ってほしい(涙)


大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq