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災害パニック映画としての「シン・ゴジラ」監督 庵野秀明

動物モノが好きな奥さんのために、動物映画を探していて、Amazonプライムビデオで「シン・ゴジラ」を見つけた。以前、話題になっていたのは知っていたけど、まさか劇場に見に行くまででもなくスルーしていた。これが動物モノかどうかを聞くのはヤボってもんだ。トカゲでしょ?

レビューは酷評も多いけれど、私は単純なのでけっこう楽しめた。まず展開が早いのがいい。開始10分くらいで、もうゴジラが大暴れで、そこから一気にお話が進んでいくので、ダラダラと伏線が多いミステリーよりも、こういう方が好みだなぁ。

シン・ゴジラ(あらすじ)

東京湾・羽田沖に巨大な深海生物が現れる。政府が対策を練っている間に、巨大生物は東京に上陸、街を破壊し始める。ゴジラと名付けられた巨大生物は、わずかな時間の中で、どんどんと進化を遂げ始める。自衛隊や米軍の航空機が駆除に赴くも兵器はほとんど歯が立たず、逆にゴジラの反撃に遭い撃墜されていく。やがて、ゴジラは世界を巻き込んだ問題に発展し、日本・東京の消滅すら危ぶまれていく。

災害パニック映画

Amazonのレビューにあるように、日本が「想定外」の災害に面した時に、どんな対応をとるのかを予想させらる傑作だ。怪獣映画というより災害パニック映画という見方が面白いのかもしれない。前半は特に、日本政府のグダグダ感が描かれる。一つの物事を決めるにも、複雑な手順と法律に沿うことが必要で、ゴジラの破壊のスピードに追い付かない。

全く想定外のコロナ禍を経験している昨今、現体制の対応力を考えると、この映画が描きたかった状況も絵空事ではないことが分かる。特に、東京が日本の中心地として、すべての権威が一極集中している状況はやっぱり危険なのかもと思わせられた。東京が被害に遭えば、国家的な対応が止まってしまうから。

先日見たドラマにあったように、東京を大地震が襲えばゴジラレベルの被害が生じるだろう。ゴジラの場合は、途中で海に潜ったり、なぜかフリーズしたり、時間の余裕を与えてくれるんだけれども、地震なんか、まさに待ったなしだ。あっという間にダイパニックが生じるはずだ。

シン・ゴジラでも描かれているように、結局のところ正義のヒーローも、絶対的に頼れる防衛軍も存在しない。それが現実だ。何が生じ得るかだけは予想していなければならない。まあ「自助」にも「共助」にも「公助」にも限界がありすぎるけどねぇ。

おすすめ度 ★★★☆☆

私はエヴァンゲリオンを見たことがない。それで、監督 庵野秀明氏の作風を知らない。だから、シン・ゴジラとエヴァンゲリオンを比較しての考察はできない。また、以前のゴジラも何だか全然覚えていないので、全く新しいゴジラ映画として新鮮に見ることができた。

ゴジラの形態がどんどん進化していくのがすごい。最初に出てきたゴジラは「え?これなの?」とあっけに取られてしまったけれど、短期間でゴジラの姿が変化していくのが恐怖を煽る。この辺の作り方、すごくうまい。

ゴジラが街並みを破壊するのはリアルな映像で恐ろしすぎるのだけれど、あまり犠牲者は描かれず、その辺はちょっと緊迫感はなかった。あれだけ、ゴジラが街を破壊すれば、何千、何万という被害が出ていてもおかしくないんだけれど、何となく余裕が漂っているのがちょっとアニメ的なのかな。ゴジラが真後ろでビルを破壊していたら、さすがに逃げ切れないよね。

何度も見るか?っていうと、見ないと思う。でも2時間を後悔するか?っていうと後悔はしない。そんな映画だった。

#庵野秀明 #シンゴジラ #災害映画 #Amazonプライムビデオ

大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq