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自営業の僕には誰かの成功ノウハウは意味がない。

自営業は一国一城というほどかっこいいものではない。必然的に気がついたら今こんな感じ。しかも「経営者」タイプではないので「自営業」になってた。仲間の力も借りるし、一緒に仕事を行うことも多いけれど、基本的には自分と家族の生活費を稼げばいいという気楽感がありがたい。

まあ、その分、安定は全くなくなった。自分の力でしっかり生きていかねばならないことは間違いない。自営業の私が自分に言い聞かせるように意識していることがある。

「解答」を得ようとしないこと

会社に雇われる生活をやめてから、誰かに指示されることはなくなった。それは、とても楽なことだけど、不安なことでもある。すべてを自分で決めなければいけないってことだから。打ち込み始めた仕事の行き先を考えると猛烈な不安に襲われることもある。この先が行き止まりだったり、実は正反対が正解の方向だったりしたら・・と。

だからこそノウハウが売れる。しかし、実際には「解答」もしくは「正解」はない。ビジネスに限っては、ノウハウってのは、後で成果が出た理由を説明することだ。まったく同じ状況・環境におかれている人などいないので、自分で手探りで探すしかない。今日うまくいったことも、明日はどうなるかまったく分からない。

私も成功した仕事のことで、いろいろ質問されることがあるけど、つまるところ「よく分かりません」って言うしかない。本音を言えば、今、なぜこうなっているのか分からないことが多い。うまくいった時は特に。失敗は原因をたどれるんだけれど。だから、そういう時には適当に成功の要因を語るのだ。誠実ではないかもしれないけど、しょうがない。わからないんだから。

まあ、そもそも誰かに教えてもらおうって発想がよくない。

目指せトップランナー

別にトップになりたいわけではないんだけど、少し前に読んだ心臓外科医のコメントが刺さった。「トップランナーを目指すなら「解答」を得ようとしてはいけない」という主旨のコメントだった。

「すべての質問に対して、最初から答えを与えることはしない。医学は常に発展途上である。今の彼らは、一人前の大動脈外科医ならだれでも知っていることすら知らないが、この先、技術と知識をみにつけ、大動脈外科医のトップランナーとなっていく。
人を追い越し、前に出れば出るほど、知識を与え、質問に答えてくれる先人は少なくなり、やがて自分がトップとなったその時、自分の前に現れる問題を解決できるのは自分しかいないということを悟る。
解答を与えるのは簡単である。正解を聞いて、手術を改善することもたやすい。しかし、自ら問題を解決する訓練をせず、毎回解答を人に頼っていては、トップとなることはできない。(P103)」

技術を研鑽し、並ぶ者がいないようなプロになればなるほど、他の人から「解答」を得るのは難しくなる。みな、自分で答えを出していかないといけないからだ。この点、外科医も自営業も同じだ。

自営業は、一国一城の主だ。とにもかくにもプロとしての自覚が必要だ。何に取り組んでいても「解答」を探しているようなら、成功はほど遠いぜ!と言われた気分だった。そして、その気づきは実に爽快だった。

コロナ禍でぐっと追い詰められている人が多いと思う。これからどんな風に道が開けていくのか見えない。でも、そんな時こそ、誰かノウハウに頼るのではなく、しっかり自分の頭で考えたい。


大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq