【感想】「アガサ・クリスティーの世界」(BS世界のドキュメンタリー)
とくにアガサ・クリスティが好きってわけではない。実は、一度も読んだことがない。推理小説とかサスペンスとか、あまり読まないんだ。
でも、実は、アガサは史上最高のベストセラー作家なのだ。66冊もの長編小説を発表し歴代販売数は 1位 聖書(バイブル)2位 シェイクスピアの次に来る第3位なのだ。「オリエント急行の殺人」・「そして誰もいなくなった」などの超有名な小説や、名探偵ポワロやミス・マープル、さすがに名前だけは聞いたことがある。
多少なりともコンテンツ作成に携わるものとして、アガサの創作の秘密に迫るドキュメンタリーに興味を持った。
原題:Inside The Mind of AGATHA CHRISTIE(イギリス 2019年)
ひたすら「推敲」し続ける
アガサは大量のメモ・ノートを残した。現在残っている73冊のノートには、日々のタスク管理に加え、小説のシナリオや思いついたアイデアなど、何でも記録されている。アガサは思いついたシーンにアルファベットをふった。A・B・C・D・・・。そして、それをC・B・D・Aと何度も何度も並び替えながら推敲したようだ。残されたノートから彼女の推敲方法が見えてくる。
アガサのインタビュー音源が残っているが、成功の秘訣を聞かれて「ストーリー展開を納得いくまで悩んで考えるだけ」と言っている。多分、本当にそうなんだろう。ひたすら、各シーンをあちらに組み替え、こちらに組み替えて考えたのだろう。そうだとしたら、アウトライナーを使ってコンテンツを作成する人ならアガサと同じ思考ができそうだ。
私の場合だとデジタル・マインドマップを描いて、その後に枝を付け替えたりする作業が推敲に当たるかな。素晴らしい創作に近道はないことを知る。
人生経験がコンテンツになる
アガサは観察力のある人だった。見たもの、聞いたもの、学んだこと、インプットしたことは、ことごとく小説のネタになった。1914年に彼女は第一次世界大戦中のボランティア看護師になり、多くの怪我について学んだ。とくに「ナイルに死す」では銃創に関する深い知識が取り上げられている。
アガサは、その後の1917年には薬剤師免許を取得した。薬に関する知識が、毒薬の使い方・殺人方法の仕掛けに活用された。また、当時の法医学の権威として名をはせたスピルズベリーに関する新聞記事(殺人方法などを法医学の観点から暴いた)などからも多くの着想を得ていたようだ。
離婚を経験したアガサは、傷を癒すために中東を旅し考古学にのめりこむ。異国の国々での経験や、プロ顔負けのカメラマンとしての活動から、アガサはよりいっそう「観察者」としての視点を獲得することになる。
イラクから乗り込んだオリエント急行が雪のために足止めされた経験をもとに「オリエント急行の殺人事件」を書き上げる。第二次世界大戦がはじまると、人の心の闇(誰もが殺人者である)を描き出す「そして誰もいなくなった」を書き上げた。
アガサにとっては経験することすべてが小説になったのだ。コンテンツを生み出す人にとっては、すべての経験が無駄にならない。
Amazonプライムビデオでアガサ・クリスティ
このドキュメンタリーを見るまで、全くアガサ・クリスティに関心がなかったけど、彼女が世界第三位の出版数を誇る作家だと知って気になってきた。そういえば、何の偶然か、ニュースで三谷幸喜作品でアガサ・クリスティの「死の約束」を制作するというものを見たばかりだった。なんか興味ある。
まずは、Amazonプライムビデオでアガサ・クリスティを探すと「ミス・マープル」シリーズが全部無料だった。昔から名前だけは知っていたけど「探偵がおばあちゃんって・・・」と思って食指が動かなかった。でも、もしかして、これ見ないで損しているってやつかも。
良い機会なので、アガサ・クリスティをAmazonプライムビデオで楽しみたいと思う。忘れないようにNOTEに書いてリンクを貼っておく。
大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq)