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世界が誇る文学作品に触れないか〜北中南米横断してみた〜

最強のメンタル処方箋、それは小説だ!

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突然ですが、メンタルが病む原因のほとんどが「スマホ」からくることをご存知でしょうか?

理由は諸説ありますが、有力なものとしては注意力が削がれるからであり

・SNSで他人への嫉妬がわく
・通知を常に気にしている
・スマホ時間は無駄だと感じやすい

などが要因で一つの仕事に対しての集中力が激減しているとのことでした。

脳科学では『集中すること』によって幸福感を生み出すことがわかっています。そのため、長時間のスマホ使用は脳を縮め、IQが15%下がることがあるのだそう。

そのため、スマホを長く使用してきた人が幸福感を得たかったらまずスマホから離れる時間を増やすことです。スマホから離れた間に瞑想やエクササイズといったことを行えばメンタル改善にかなり寄与します。

とはいったものの、瞑想にしろエクササイズにしろ続けるのが少し億劫な方もいるかと思われます。瞑想は成果が出るまでに時間がかかる上になかなか実感しづらいものがあるし、エクササイズは外に出るのが面倒ですよね笑。

そんな時に、強くオススメしたいのが『幅広く小説を読むこと』です。2,006年にトロント大学の小説に関する論文で多くの作家の小説を読む人は

・共感力が高い
・他人の感情を察する力が高い

という結果がでました。イメージしづらいかもしれませんが、実は小説好きはコミュニケーション能力が極めて高いことがわかりました。

となれば、スマホによるストレスを避けられる上に対人コミュニケーション能力が高まるなら読むしかない!と思ったところで今回は世界が誇るアメリカ大陸(北中南米)の短編小説について述べていきたいと思います!

短編小説にしたのは、隙間時間に読めるからで長編と違い重くなく、かつ味わいがあるからです。

アメリカの文学作品〜リディア・デイヴィス〜

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まずは北米、アメリカから紹介したいと思います。

紹介する作品はリディア・デイヴィス著『ほとんど記憶のない女』です。

200ページに全51編というものすごい1編が短い作品であり、中には短編小説ではなく禅問答のようなものだったり、詩やエッセイに近いものだったり、日記風の断章、さらには旅行記まで多彩で全て驚きに満ちた異形の物語が味わえます。

独特のユーモアがあり、読んだら、何か引っかかるものがあります。ちなみに私が読んだ感想は『わけがわからない笑。けれど何か凄みを感じた。』でした!

ノウハウ本と違って何か得ることがあるから読むのではなく、純粋にエンターテイメントを楽しむのにもってこいです。

カナダの文学作品〜アリス・マンロー〜

アリス・マンロー

続きましてカナダから紹介します。

紹介する作品は短編でノーベル文学賞をとった巨匠、アリス・マンローの『小説のように』です。

アリス・マンローといえば『イラクサ』が有名ですが、こちらの短編小説の方人間心理の恐さみたいなものが巧妙に描かれていてハマる人はハマるはず。

特に小説内にある実在する人物を元に作られた『あまりに幸せ』はロシア人女性で初の大学教授となった、実在した数学者ソフィア・コワレフスカヤを描いた、言わば伝記的な作品となっています。

しかし普通の伝記とはまったく異なり、フラッシュバック(過去の回想)を中心にソフィア・コワレフスカヤの生涯が描き出される構成になっており、アリス・マンローの小説技法に唸らされる一編でした。

メキシコの文学作品〜カルロス・フエンテス〜

フエンテス

次に中米、メキシコから紹介したいと思います。

紹介する作品は『フエンテス短編集 アウラ・純な魂 他四篇』です。

どの短篇にもそれぞれ、『死』がまつわり、その死の出し方がとても自然で効果的でした。死を恐れてなく、神聖化していないし、かといって、無意味なものでもない。死はすぐ隣にある家具みたいなものといった感じでして・・・

思わず読んだ後は『すごいな・・・』という言葉が漏れましたね。

多彩なんですけど、どこか繋がっているような、不思議な感覚を味わえますのでぜひぜひ。

コロンビアの文学作品〜G・ガルシア・マルケス〜

ガルシア・マルケス

次に南米、コロンビアから紹介したいと思います。

紹介する作品は『エレンディラ』です。G・ガルシア・マルケスといえば『百年の孤独』が有名ですが中短編集としてはこの作品が「大人のための童話」と呼ばれており、読みやすく気軽にラテンアメリカ文学を楽しめるのでオススメです。

神秘と現実が折り重なった、「マジック・リアリズム」という書き方をしており、浮世離れしているもののその独特の世界観に引きこまれてしまいます。

冒頭から、他じゃ味わえない世界観を堪能でき、好きな人は一瞬でのめり込みます!

アルゼンチンの文学作品〜H・ルイス・ボルヘス〜

ボルヘ・ルイス・ボルヘス

最後に、アルゼンチンから紹介したいと思います。

紹介する作品はH・ルイス・ボルヘスの『砂の本』です。読書家が陥るワナに気づかせてくれる至高の作品です。

表題作である「砂の本」は、始まりも終わりも無い無限の本に取り憑かれた男を描く物語ですが、そんな「砂の本」を読み進めていくうちに、主人公である男は恐怖感を抱きます。この本を読み終えることは出来るのだろうか、読み終えることが出来ないのならば、自分がこの作品を読み進める意味とは何だろうか、と。

我々の世界に「砂の本」はありませんが、読書家たちは一冊読めばまた次の本を、と無限に新しい本を手に取っていきます。まるで我々が文学に取り憑かれているかのように、無限に本を読んでいってしまうのです。まさしく「砂の本」のように読書の世界は終わらないわけですね。

この作品は文学というものの持つ無限の可能性、そして文学という宇宙について考察しています。始まりも終わりもない、摩訶不思議な本の世界を想像させてくれます。

小説は脳トレにもなるから読むしかない!

読書

今回紹介した作品はいずれも、「わけわからない」要素が盛りだくさんでのめり込む前にやめてしまうかもしれません笑。

しかし、シュールで面白い小説ほど「なんだなんだ?」と頭を働かせることになります。

この現象は研究者いわく、

おもしろい本を読むと、脳が積極的に働くようになる。本のなかから現実世界に応用できそうな素材を見つけると、脳が自然に目の前の問題を解決しようと考え始めるからだ。この状態は、「認知的従事」と呼ばれる。読書にのめり込むとボキャブラリーや論理力、集中力がアップするのは、おそらく認知的従事のおかげだろう。

つまり、

・意味がわからないものを読む
・脳が「なんとか意味を見つけねば!」と焦る
・脳の機能がアップ
・頭が良くなる!

って現象が起こるんですね。あえて心に負荷をかけることで脳をブーストさせることが出来るんですね。

この時期にスマホ離れして、健全な心を手に入れましょう!

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