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「オカンの話」

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数ヶ月ごとにオカン(実母)を病院に連れて行く。彼女は3月が生まれ月で、今年、80歳になるそうだ。私はオカンの誕生日を祝わないし、年齢さえ覚えていない。 オカンはとてもユニークな…
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2022年4月の記事一覧

「オカンの話11」-辛い話の前に-

私にとって妹の死を語るのは、それなりに辛い。ですから、その前に閑話休題。 先日、オカンを…

「オカンの話10」-泥水と真水-

白馬の王子に♪連れて逃げてよ~(「矢切の渡し」作詞:石本美由起,作曲:船村徹)と歌いながら…

「オカンの話9」-白馬の王子現る2-

当時、オカンは59歳です。 突然現れた70歳超の白馬の王子に私は問いました。 「お付き合いに…

「オカンの話8」-白馬の王子現る-

オヤジの死後、寂しさと不安からパチンコ依存症になったオカンを3LDKのマンションに引き取り、…

「オカンの話7」

オヤジが亡くなった後もオカンは稼業の縫製を続けた。オヤジが生きていた時もオカンは優秀な働…

「オカンの話6」

オヤジの死が葬式デビューだった僕は、それまで知ることがなかった「人の死」とそれに伴う事務…

「オカンの話5」

1998(平成10)年正月、実家でオヤジと飲んだ時、どんな話の流れだったかは覚えてないが、「俺が植物状態になっても延命はするな」とオヤジにに言われた。 果たしてその半月後、オヤジは脳内出血で救急搬送され、植物状態どころか脳死状態で横たわっていた。もちろん意識不明、心臓だけがかろうじて動いていた。 医師の説明によると、出血箇所は脳幹部。あらゆる生体維持に関わる部分だ。半月前にオヤジの言葉を送られていた私は、オカン、兄弟、伯父伯母に同意を得て、延命を止めるように医師に申し出た