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【最新の研究】AIによる「共感」で不安は抑うつは下がるのか?

AIによる共感は、相談者の心を癒すか?

この記事では、以下のページを要約しています。
Are We Ready for Artificial Empathy?

 AIは、人の感情を認識し、対応できるところまで進歩しています。また、マインドフルネスエクササイズやリラクゼーションに関する適切な知識を提供したり、AIに相談した人(以下相談者)をメンタルヘルスに関する専門家につなげたりすることが含まれます。
 最新の研究(※¹)では、AIによる相談者への共感が、怒りや創造的な問題解決に与える影響について検証されています。AIから「あと少しだったね!」といった共感的な応答を受けた参加者は、共感的な応答を受けなかったグループと比較して、テスト(ワードゲーム)で良い成績を収めました。また、AIの応答は、テストのパフォーマンスに悪影響を及ぼすと考えられる怒りの感情を和らげました。
 AIの共感は気分にも影響を与えます。メンタルヘルス支援アプリ「Wysa」をテストした研究(※²)では、AIによる共感的なコミュニケーションが、うつ病のユーザーの気分の改善につながることを発見しました。同様に、チャットベースのAI「Woebot」を用いた研究では、うつ病、不安などが大幅に改善したことが報告されています(※³)。
 WysaやWoebotのようなルールベースのモデルではなく、ChatGPTのような大規模言語AIモデルであれば、カウンセラーとのリアルな会話を再現する可能性は高いとされています。大規模言語AIモデルは、膨大なテキストデータのセットから、単語同士が接続する確率に基づいて自然言語による応答を生成し、ユーザーのフィードバックに基づいて出力を調整することができます。

Chat GPTが公開されたことにより、さらに身近になったAI。AIがカウンセラーの役割をどこまで担えるのか、メンタルヘルスケアにどのような影響を与えるのか、今後もニュースを追って行きます。

記事内で引用されていた文献はこちらです。
※¹ Computational Empathy Counteracts the Effects of Anger on Human Creative Problem Solving
※² Evaluating the Therapeutic Alliance With a Free-Text CBT Conversational Agent (Wysa): A Mixed-Methods Study
※³ A Therapeutic Relational Agent for Reducing Problematic Substance Use (Woebot): Development and Usability Study

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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