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桜花乱舞の中学生時代
中学入学
人見知りで不登校気味だった小学生時代。
わかりきってる事だが、義務教育では強制的に「中学校」に入らなければならない。
その当時の地元中学は男子は丸坊主、女子はオカッパくらいの髪の長さか、それ以上の場合は髪を結わなくてはならない規則だった。
都会ではそんな規則はとうに撤廃されていたと記憶している。
時代遅れも良いところだ。
なにはともあれ入学を迎えた中学校。
新校舎建て替え中の学校、1年生だけは取り残されたように残る木造の旧校舎に入ることになった。
ボイラー&パネルヒーターの小学校から一転、蒸気機関車に使うような「石炭」を燃やして暖を取る石炭ストーブであった。
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だが、これはやけに楽しかった!置き場からバケツで石炭を取ってきて、ストーブに焚べる作業。
坊主頭に学ラン学生帽に石炭を焚べる生徒の姿は、戦前戦後の生徒そのままであっただろう。
便所も旧校舎ならでは!
トイレとは決して呼んではいけない場所だった。
便所がピッタリな場所。
男子トイレは遮るものなどなく、1つ1つの便器でもなく、ただただ横一列に並んでコンクリの溝に用を足すといった代物。
とにかくアンモニアが目に滲みる。
(ここから走り書きのイラストが挿絵)
![](https://assets.st-note.com/img/1676641303867-dulXw2lVlc.jpg?width=1200)
アンモニアが目に染みるの図
大便器などウジが湧いている始末で、そこを見ただけで吐き気をもよおす。
取り壊される事が決定している旧校舎。
ガラスを割ると、たしか300円徴収される。
現代のペアガラス等ではない。ただの薄っぺらい1枚のガラス。
顕微鏡のプレパラート?みたいなガラス。
この果てしなく脆いガラスを何枚割った事だろう。
後に新校舎に移った時に、プロレス技ツープラトンのブレンバスターを教室の出入り口の戸(ガラス付近)にお見舞いしてガラスを破損させたところ、後に知ることになるが何十万という請求が3人の親宛に発行された。
![](https://assets.st-note.com/img/1676641367036-1EDBIgN4t6.jpg?width=1200)
その内の一人がいわゆる金持ちの御曹子だったので、きっとそこが支払ったのではないか?と思われるが真相はいまだにわかっていない。
このため
クラス全員が先生を先導にして新校舎をくまなく周り
「このガラスは○○万円」
「この踊り場だと○○○万円」
というガラス価格説明見学会も催された。
旧校舎というと……。
どうせ壊すんなら金とるな!と、当時は思っていたのを覚えている。
覚醒
新任の担任と、2つの学区の小学校から生徒が集まる中学。
何もかもが衝撃的で、何もかもが新鮮に感じた。
出身校 二小(にしょう)
どちらかというと町のエリート校みたいな……。
三小(さんしょう)
野性味あふれる田舎校みたいな……。
こんな風に当時は分類されていた。
三小の子を「三小っ子」とバカにするな!と、小学6年の時に説明会で中学の先生からわざわざ聞かされた。
何もそんな事思ってなかったが
そーか!三小の子どもは「三小っ子」って言うのか!と、私達に知らしめる事になった。
余計な知識を与えた愚策である。
交わってみると……やはり
どちらかというと町で育った二小の子供達より、明らかに三小っ子の方が奇抜で面白いやつが沢山いた。なんだか自由奔放!野性味も溢れている!
夏休み中、お盆の13日以外は毎日海で海水浴していた!という色黒のやつもいた。
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とにかく遊び方が文明の利器など関係ない。
人見知りで不登校気味だった私は、そういう奴らに感化されたのか……はたまた元々の資質なのかは分からないが、徐々に自分を開花させていった。
とにかく自分が面白い!と思いつくイタズラはやった。
果てしなく湧き出てくる欲望のままに、授業中も休み時間も謳歌した。
絵ばっかり描いてたし、授業中いつも歌っていた。
学級崩壊的な感じだった。
授業にならないし、無法地帯の様な学級だった。
ここで注意しておきたいのは、スクールウォーズなどに見る、不良生徒が暴徒と化して学級崩壊が起きたのではない。
おもしろ企画を次々に繰り出すプロデューサーの……私の手によって引き起こされた学級崩壊だったかも知れない。
一卵性の双子を毎時間クラスを入れ替えて、先生が気づくのか?チャレンジしてみたり、全員で授業中に反射する鏡や定規で光を黒板に当てて授業を邪魔したり、時計のアラームを一斉に鳴らしたり、ある時間になると役者Aと役者Bが口論をはじめ、止めに入った奴らを巻き込み……最後には全員が乱闘になったり。
誰かがドの音を歌い出すと、次々に和音で重なっていき、全員のハーモニーが始まる。
ガス漏れの様な「スーーーッ」という音を、口で永遠に出し続ける。そいつが怒られて辞めると次の交代要員が即座に始める……という無限ループ。
石炭ストーブにこれ以上入らないくらいに石炭を焚べて、ストーブが真っ赤になり熱すぎて授業にならない。
教室が一階だったため、二階の教室に煙が充満して苦情がくる……など
やってきた事は数えきれない。
せんせーには悪いことをしたものだ。
未だにその罪悪感がある。
先生、その節は本当にごめんなさい。
かくして小学校出て間もない中学1年生にして学級崩壊を起こし、恐ろしい剣幕の学年主任や体育会系の先生が後ろで牽制するツーマン体制というクラスになった。
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後ろは怖い先生
そうなった張本人として私も認識されレッテルを貼られた。
決して不良だった訳では無い。
ただ楽しいことへの探求が激しすぎた生徒。それが自分を表すのに最適な言葉だと思う。
成り行きで入った部活
当時の親友ヘチャヤ。
彼は小学校からトランペット吹きだった。しかも目立ちたがり屋だった。
中学に入ると必ず部活に所属しなければならないルールがあり、どうしようかと迷っていた。
そこへ「一緒に吹奏楽部見学に行こう」と、ヘチャヤから誘われた。
ま、とりあえず行く宛もないので後に着いていった。
当時の吹奏楽部は男子も結構いた。
しかも、バンドをやっているような、後輩からキャーキャー言われるイカした先輩方が「音楽」というジャンルであるという理由から所属していた部だ。
何も分からずついて行き、なぜか楽器を渡され……
「お前はコレね!」
見たこともない楽器チューバだった。
でかっ!しかもボンボンボンとベースしかなく面白く無っっ!!
ヘチャヤは当然トランペットを誇らしげに楽しそうに吹いている。
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すぐ辞めようかと思ったが、ヘチャヤが放課後になると見張っていて部活へ連れて行かれる……。
わけも分からず体育祭の行進曲の練習が始まり、音符も読めないのに次々と合奏されていく始末……。
同じチューバの先輩に助けを求めて聞いてみるが、この先輩もまたよくわかってないのかあまり教えてくれない😑
こうして体育祭の行進曲を吹いているフリをしながら、今では考えられないブルマー姿の女子が行進していく様を品評会でも見るかのように眺めていた。
思春期を迎えている男子にとって、ピッタリフィットのブルマーは公然と間近で見られるエロの始まりだったに違いない。
多少顔が好みじゃなくても、ケツの形が良いと惚れてしまいそうになる自分がいた。
今でもケツフェチなのはそのせいかも知れない……。
この話はあまり掘り下げないことにしよう…。
吹奏楽コンクール
入ったばかりの部活。
夏にやってくる吹奏楽コンクールなど私にはカンケーないものだった。
この面白くない楽器にも嫌気がさし、いつやめようか?という所にいた。
コンクールの曲が決まり、出場メンバーは曲の練習に入っていた。
関係ない部員は、ただただ遊んでいた。
そんなある日、コンクール出場メンバーが練習する部屋に呼び出された。
え………な、なに?
こいつ手が短くてポジション届かないから、おまえトロンボーンやれ!という指令だった。
確かにそいつはちっちゃい奴だったが、あまりに急なことにどうしていいのか分からない。
そしてトロンボーンは3人しか居ないので強制的にコンクールメンバーだと言う。
ちょ、ちょっと待ってくれ……
そんな心の声など届くはずもなく、楽しみな中1の夏休みが部活動に消えていくことになるのだった……。
桜花乱舞の中学生時代②へつづく
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