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自律神経(交感神経と副交感神経)《第8回》お客様の為の解剖学

「自律神経ってなんですか?」

あなたはお客様にこう質問された時に、お客様向けに簡潔に分かりやすく説明する事ができますか?

解剖学は、お客様に伝える為に分かりやすく噛み砕く必要があります。

その理由はこちらの記事をご覧下さい↓


👨「自律神経ってなんですか?」

💁‍♀️「えーと、生きる為に大切な神経です‥」


「自律神経が乱れている」「自律神経失調症」‥‥

誰もが一度は聞いた事がある『自律神経

今回は『交感神経』『副交感神経』も交えてまとめます。


神経系の分類

まず、神経系は中枢神経系と末梢神経系に分類されます。
脳と脊髄にある神経を中枢神経系、中枢と末梢を連絡する神経を末梢神経系といいます。
中心と端(中心以外)の部分で分けられるということです。

神経系 中枢神経 末梢神経

末梢神経

末梢神経は身体の様々な場所にある神経で、末梢神経は体性神経と自律神経に分ける事ができます。

体性神経

体性神経は知覚(感覚)神経と運動神経に分けられます。

知覚神経は全身の感覚器で得られた情報を中枢神経に伝える役割をします。外から中へ伝わります。

運動神経は中枢神経からの刺激を筋肉に伝えて動かします。中から外に伝わります。

自律神経

自律神経は意識とは無関係に働き、生命維持や臓器など体内部をコントロールする神経です。
自律神経は植物神経や生命神経とも呼ばれます。
また、自律神経は交感神経と副交感神経に分ける事ができます。

二重支配と拮抗作用

臓器の多くは、交感神経と副交感神経の双方が分布していて二重支配と呼ばれています。
2つの神経で支配されています。
(ただし、大部分の血管や汗腺、立毛筋などは、交感神経のみの支配を受ける)
その作用はプラスマイナスの関係にあり相反しており、拮抗作用と呼ばれています。

普通、両神経が同時に強く興奮する事はなく、一方が強い時は他方は弱められ、このバランスによって臓器の作用は調整されます。
シーソーや天秤のように片方が強いともう片方は弱まると覚えるとよいです。(画像参照)

交感神経 副交感神経 拮抗作用

交感神経は、突発的な事故に対したり、外敵に向かうとき、体を保護するように全身に作用し、エネルギーを外への活動に振り向け、発散する(異化作用)場合に働きます。

一方、副交感神経は、消耗した体力の回復を図り、栄養を補給して休養してエネルギーを充電する(同化作用)場合に働きます。

交感神経は戦闘モード、副交感神経は回復モードと考えると覚えやすいです。

交感神経と副交感神経の作用

2つの神経の働きの強さによって体の内部への影響が変わります。下の図を参考にしてみて下さい。

交感神経 副交感神経 働き

他に、勃起は副交感神経が活性化している時、すなわちリラックスしている時に起こります。 そして交感神経が働いて射精します。
子宮は副交感神経の作用で弛緩して、交感神経の作用で収縮します。

ホメオスタシス

人間には、体内の環境を安定した一定の状態に維持しようとする働きがあり、これは「ホメオスタシス」と呼ばれます。
自律神経は人体の恒常性(ホメオスタシス)を維持するために重要な役割を担っています。
しかし、自律神経のバランスが崩れると体内の環境を安定した状態に保てなくなります。(ホメオスタシスが崩れる)

自律神経の乱れ

自律神経が乱れると、以下のような症状が生じることがあります。

・めまい
・頭痛
・動悸
・しびれ
・息切れ
・耳鳴り
・下痢
・吐き気
・微熱
・情緒不安定
・イライラする

上記のとおり、自律神経が乱れると身体的な症状だけでなく、精神的な症状もあらわれます。
これらの症状の総称を「自律神経失調症」といいます。

自律神経失調症

自律神経失調症とは、不規則な生活習慣やストレスなどにより、自律神経のバランスが乱れるために起こる、様々な身体の不調のことです。 はっきりした内臓や器官の病変によるものではないため、症状の現れ方もとても不安定です。 (『自律神経失調症』というのは公式な病名ではありません)

自律神経が乱れる原因

・生活習慣の乱れ
・ストレス
・睡眠不足
・ホルモンバランスの乱れ
・病気
など

自律神経を整える為に

・睡眠の質を整える
・ストレッチや運動をする
・マッサージをする
・食生活を整える
・水分を多く摂る
・メンタルケア
など

参考動画↓

30歳以上の男性

加齢によって、副交感神経が低下しやすくなることもわかっています。とある研究では男性は30歳を境に、女性は40歳を境に副交感神経のレベルが大きく下がり、以後10年ごとに15%ずつ低下していくことが明らかになっているようです。
副交感神経が低下しやすくなるという事は、自律神経のバランスが崩れやすく不調になりやすいという事です。

メンズエステでは

30歳以上の男性は副交感神経が弱まりやすい為、リラックス、ストレス発散、マッサージは副交感神経を強める為に特に有効だと考えられています。つまりメンズエステに行く事は自律神経を整える為には良い事なのです。

施術中は、副交感神経が優位になる為、よだれが出る(薄い唾液)、鼻詰まり(血管拡張)、咳が出たり声が枯れる(気道収縮)、勃起、などの症状が出やすくなります。
施術中のお客様の反応が自律神経で説明できるのは面白いですね。
身体の反応がある時に「リラックスできてる証拠ですね」みたいに声を掛けても良いかと思います。

お客様に説明するとしたら

お客様に説明する言葉をロングバージョンとショートバージョンで考えてみました。

👨「自律神経ってなんですか?」

●ロングバージョン

💁‍♀️「自律神経は体の内部を自動的に調整する神経です。
交感神経と副交感神経に分類できて、2つの神経はシーソーのように、どちらか一方が強く働くともう一方は弱くなります。(拮抗作用)
どちらも生きていく為には大切で、ストレスなどでこのバランスが崩れると、身体に不調をきたします。
自律神経を整える為には、睡眠、運動、食事などリラックスできる環境が必要で、メンズエステも自律神経を整える為に有効だと考えられます」


●ショートバージョン

💁‍♀️「自律神経には戦闘モードで働く交感神経と休息モードで働く副交感神経があります。
どちらも生きていく為には大切な神経で、バランスが大切です。メンエスでも自律神経が整えられます。勃起や射精にも良い影響が期待できるみたいですよ♪」

自律神経の説明の仕方に答えはなく、それぞれのベストアンサーを考える事で勉強にもなります。考えるのがめんどくさい方は、私の例を丸暗記してみて下さい。


まとめ

いかがでしたでしょうか?
自律神経は生きていく為に、大切な神経です。交感神経と副交感神経のそれぞれの働きや、自律神経を整える為の方法などはセラピストをやる上で役立つ知識だと思うので、ぜひ覚えてみて下さい。

参考文献
・目でみるからだのメカニズム(堺章)
・リラクゼーションの知識と応用(日本リラクゼーション業協会)
・セラピストのための解剖生理学(石田秀行)
など


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