覚える系の学習で使うトリッキーなこと

英単語、漢字、これは単純に記憶するだけの学習です。この学習はひたすらにやって見せることが効果的であることはわかると思いますが、パフォーマンスを上げるためのちょっとだけトリッキーなやり方があります。

これは、私が大学受験で使用した方法です。


単純記憶学習は対 "物量" の勉強である

漢字や英単語の効果的な学習方法は、その物量に負けずにひたすら毎日やることです。
しかし、その物量はかなり多いうえ、一度やっても少し日が経つと忘れてしまうのが問題です。

田舎の公立高校にいた私が京都大学を目指すためには、全国の大手学習塾のシステマチックな学習に勝たなくてはなりませんでした。
しかし、私は漢字や英単語という単純記憶の学習が非常に苦手でした。
しかも、単純記憶はそれだけでは受験問題には出てきませんが、物量だけは山ほどあります。

鉛筆で書いたらいい、口に出したらいい、というよくある方法もあるのですが、受験勉強という長丁場での計画的学習の観点で私が着目したのは、覚える瞬間と覚える回数です。

「覚える」瞬間に着目する

覚えたものを忘れるとき、頑張れば思い出す「仮忘却」と頑張っても思い出せない「完全忘却」があります。
人は、「仮忘却」から「完全忘却」に移る瞬間に記憶を呼び戻すと、そのことを強く覚えます。
つまり、英単語にしろ漢字にしろ、「仮忘却」から「完全忘却」に移るときに復習すると効率が良いわけです。

では、そのタイミングをどうやって知ることができるか。

残念ながら、覚えたことを忘れるタイミングを知ることはできません。ただし、その目安はあります。目安となる期間は「1週間」「1か月」「3か月」です。この期間くらいに使われなかった記憶が「仮忘却」から「完全忘却」に移るものが多くなります。

私は、最近は娘も私も在宅なので、娘に学校から渡された練習帳をさせるとき、必ず日付を入れさせています。要はこの日を基準にするのです。
そして、土曜日にテストを入れています。そのため、ドリルを選ぶときにはだいたい1週間でできる量ごとに演習問題のあるページのものを選んでいます。
また、このときのテストは、わからないところをさらうのではなく、やったことが明確なものの記憶を固めるためなので、この週にやったものを過不足なく出します。

あとはもうわかったと思いますが、問題集は3か月程度で終わるものを選んで、2回以上やるとよいのです。2回目にするときに、最初に記入した日付がモノを言うことは間違いなしです。

実は日本の学校はこの点効率が良く、3か月~4か月スパンの期末テストがありますので、単純に学校のテストだけを意識してフォローしなくてもよいのかもしれませんね。


「覚える」回数に着目する

勉強とは、覚えたものを忘れ、忘れたものをまた救い上げて覚える、という事の繰り返しです。
覚えるごとに忘れにくくなるわけですが、その目安となるのが「4回」です。
以下に、時間の経過とともに頭に詰め込んだものを覚えている割合のグラフがあります。
1回目、2回目、というのは同じ知識を詰め込み直した回数です。

画像1

(出典: 新潮文庫『受験脳の作り方』P70)

先ほど私が言っていた通り、1回目の再学習から1週間後と、2回目の学習の1か月後はだいたい同じ水準にいます。この辺りが先ほどの完全忘却の話を裏付けている気がします。

継続的に必要な英文法などと違い、覚える/忘れるの2言論でしかない単語のようなものは、忘れることを前提に学習しなければなりません。その覚える回数が、大体4回くらい

ちなみに先のグラフでは期間と回数を合わせた理論のようで、2週間というスパンが入っています。きっと意味があるのでしょうが、私はこの期間は意識しません。
また、4回目以降 (グラフでは 3 回目のところ) もやはりその後も忘れるものが出てきているのですが、効率との兼ね合いで、敢えて忘れた知識を掘り起こすことはしません。

まとめ

・英単語や漢字は、学習周期を意識して行う。
・1週間、1か月、3か月のスパンを意識して、再学習させる。
・覚えるためには4回はやらないといけないことを意識する。

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