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冬のさんにん

つい最近、近所でアン・サリーさんのライブがあった。
行きたいなあと思ったけど、チケットが高かったのと、それより何より、子供を預けて自分は遊ぶ、というのがどうしても踏み切れなくて、諦めた。預けるのだってお金がかかる。1時間750円×2人分×2時間ちょっとで3000円。人を2人預ける代金と思ったら安いけど、そこに、チケット代が……。つい、頭の中で計算してしまう。それに、やっぱり、2人をおいて出かけて、にこにこ音楽が聞けるだろうか。
自信がなかった。
平日の旦那さんは忙しいし。
自分のライブはもう、仕事させてもらってる気持ちで預けるからアリ。そこがぎりぎり。ぎりぎりのラインなのだ。

2歳8ヶ月のアントンと、0歳8ヶ月のアリソンを、2人乗りベビーカーに乗せて歩く。

アントンは月が好き。
夕方になるといつも月を探していて、見つけたら必ず教えてくれる。「おかあさん、おつきさまいたよ」って。

見上げたら、五線譜の中の音符みたいなお月様がいた。

アントンが「バスに乗って」という歌を歌う。私も一緒に歌う。アリソンが笑う。今日は帰ったら魚を食べようねって私が言うと、アントンがわーい!と言う。おさかなだいすき。おかあさんだいすき。おうちでおさかなたべようねえ。

帰ったら魚を焼いて味噌汁を作って、仕掛けておいたご飯と納豆で食べよう。
何だかちょっと朝ごはんみたいだけど、いいよね。

それから、録画しておいたアニメを見て、お風呂に入ってクリーム塗って、パジャマに着替えて歯磨きして、みんなで寝よう。そのくらいには、もしかするとお父さんも帰ってくるかもね。

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