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ハラスメントストッパー <看護大学での講師のバイト> 連載9回目

講義当日のことを書いていきます。今回が、連載<看護大学での行使のバイト>の最終回です。

大学から依頼された講義テーマは「在宅での摂食嚥下障害を持つ方へのケア」でした。
学生さんはすでに摂食嚥下障害について学習・現場でのケアの経験があると聴いていたので、「自分が捉えている嚥下障害をお伝えする」ことを試みて、嚥下障害以外がテーマの本を紹介しながら行いました。
その1つ、頭木弘樹氏の「食べることと出すこと」は、学生さんも「読みました」と話していました。

講義が一段落したところで、「世の中で行われている職場のハラスメントというものを止めさせたいと思っている」ことを学生さんと教授に告げました。

学生さんも教授も、この話題に戸惑っている様子はありませんでした。 教授は「中小企業では難しいですよね」と辛そうに話していました。ハラスメントを止めるシステムが、企業内に整っていないことを互いに確認し合いました。互いに声のトーンが「よそゆき」から変わり、地声で話していました。その日の一番の盛り上がりは、ハラスメントの話題だったのではないかと思います。

後になってから、システムが整っていないなりにどうしているのか、この時、もっと聴けばよかったと思いました。
板倉昇平氏の「大人のいじめ」にも書かれていますが、日本の労働相談で最も多いのが「職場のハラスメント」です。


ハラスメントは誰にとっても避けたい事態であり、話題に挙げることすら憚られると感じる人も少なくはないと思います。しかし、話してみないとそれすら問題に挙がらない。
自分の大事な同僚を見ていて、被害者だからこそ相談窓口に簡単には行くことができません。被害者にとっては非常にデリケートな話題なのだと思っています。
しかし、放置されれば、どんどん浸食されてしまう。自分はそれを止めたいと思っています。止めるための特効薬は見つかっていなくても。

いえ、自分が思っているような疑問は、他の人も思っているのであって、
それほど新規性が高いわけではないということなのでしょう。

今回、大学での講義「在宅での摂食嚥下障害を持つ方へのケア」を担当して、自分が捉えている「摂食嚥下」の問題が何だったのかを見直しました。それは、ハラスメント問題と繋がっていました。

 
桜が咲く前に講義依頼を受け、紫陽花のつぼみが膨らむ時期に講義で伝えたいことが芽吹きました。
紫陽花は美しいばかりではなく、自分にとってはハラスメントを止めさせたかった印となっています。







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