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ヒステリックな母の声で幼少期に戻る

小さい頃、母のヒステリックな金切り声に怯えていた記憶がある。


おねしょをしたら、ヒステリックに叱られる。
いくら夜寝る前にトイレをしたからと言って、夜尿症という病気なんだから仕方ないんだと今ならわかるんだけど、あの頃はただひたすらにお尻を叩かれ怒られた記憶しかない。

学校での出来事を喋らないからと言っては、ヒステリックに叱られる。
終始ぼんやりしていた子供だったので、そうそう毎日のように興奮気味にクラスでの出来事なんてしゃべられへん。
母は無邪気になんでも話す天真爛漫な娘を切望していたようだが、実際のわたしは違っていた。
その理想との差異に苛立っていたのだろう。

そのほかにもいろいろあるけど書ききれない。

母にとって私という娘は、相当気に入らない出来損ないだったんだろうなと思う。
何かにつけ、嫌味を言われて小言を言われて、その都度お尻をはたかれた。


母からは1日1回は必ず叱責された。
自分でもよくわからない。
あの頃は何が悪くて怒られているのか、私は頭のネジが緩い子供だったのでわからなかったんだ。
そのアホみたいな私の様子に、さらに母は逆上していたな。
今思い返すと、お互い不憫(笑)

私の方はというと、相当鬱憤がたまっていたので、家族が出かけて家でひとりになった隙に、よくままごとで使う赤ちゃんの人形の顔を足で踏みつぶして、蹴って、殴ってとやり場のない怒りを発散していた。
その当時は母に反抗していくなんてこと考えることもなく、ただただ嵐が過ぎ去るのを待つだけの震える子羊だったわけ。
私がいくらその人形の顔を踏みつけても、ビニールでできてる赤ちゃん人形は”くしゃぁ”となりながらも、じわじわと元の笑顔に戻るんだ。
それにまた腹が立って、何度も何度も踏みつけた。


屈折した子供時代だわ。
書けば書くほどホラー…(笑)


愛想を振りまき、愛されるツボを知っているかのような弟とは正反対の姉の私は、親から見てもどちらの子供ががかわいいかなんて一目瞭然だろう。






そのヒステリックな金切り声を出す母親だが、79才になった今でも健在である。
昔のように年がら年中怒っているというわけではなくなった。
これは年齢を重ねたおかげだろう。

しかし、片鱗はまだある。




うちで飼っているイッヌ。
前の記事にも書いたが、けっこうおバカな犬である。
そこがかわいいんだけど。

母も私も父もイッヌをかわいがっていて、大好きで、まぁまぁ甘やかし気味である。

普段はにこやかにイッヌと接している母なのだが、イッヌが調子に乗ってわがまま放題だったり、阻喪をしたりするときには、あの金切り声が家中に響く。


@#あ!*!!ほ!l{'"#+>_!がー!

{+!M<?}`*+?~|}!!!!ろ!!!-す!!!!!



いつもの事ながら、母がなにをどう叫んでいるのかはわかならい。
ただ、”ああイッヌよ、逆鱗に触れてしもたんやな…(´・ω・)カワイソス”と思うだけだ。

私はすぐにドアを閉めて聞こえぬようにする。
子供の頃の叱られ続けた記憶が蘇るから。
その声を聞いてしまうと未だに心臓がぎゅっと締め付けられるような、不安感が体中に充満する。

イッヌは可哀想だが、助けに行けない。
ただひたすら嵐が去るのを待つのみだ。




普段はほとんど意識していないけど、こういうときに蘇るんだなぁ。


記憶の不思議。