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意外と動かせていない骨盤底筋

健康に欠かせない骨盤底の重要性と、その正しい動きを理解しましょう。骨盤底は恥骨から尾骨にかけて広がる大切なプレートであり、内臓の支えています。しかし、驚くべきことに、多くの人々が骨盤底を正しく動かせていないことが明らかになっています。
この記事では、骨盤底の機能と問題、効果的なトレーニングについて解説します。健康をサポートするために、骨盤底のケアを見逃さないようにしましょう。


骨盤底とは

骨盤底とは恥骨から尾骨にかけて菱形状に形成されるプレートです。
筋肉・靭帯・皮下脂肪からできていて女性の場合、前から膀胱・子宮・直腸などの骨盤内の臓器を下から支えています。
女性では骨盤底を尿道・膣・肛門が通っています。

左:女性の骨盤帯  右:男性の骨盤帯

動かしているようで実は動かせていない?

エコーで骨盤底の動きを確認してみると骨盤底を機能的に動かせていない方が意外と多くいらっしゃいます。
骨盤底筋トレーニングを行っている方の中にも、実はうまく動かせていない!という方が多いのです。というのも骨盤底筋はとても薄い筋肉ですのでダイナミックな動きを伴う運動やトレーニングでは他の筋肉を代償して使っている可能性も大きいのです。骨盤底トレーニングは実はともて地味だけどキツい運動なんです。

左:うまく動かせていない  右:骨盤底の収縮が大きい

62%もの人が十分に骨盤底筋群を動かせていない

出産経験のない健常若年女性を対象に超音波診断装置を使用して骨盤底筋群の随意収縮について計測を行った結果全体の62%もの若年女性が十分に骨盤底筋群の収縮が行えていないという結果になりました(2023:株式会社SUSTAINABLEMEによる調査)。

株式会社SUSTAINABLEMEによる調査(2023)

骨盤底をうまく動かせない大きな2つの理由

1.動かしているつもりタイプ
他の筋肉を動かし骨盤底筋が動いていない方
2.逆効果タイプ
骨盤底筋を押し出してしまっている方

動かしているつもりタイプ
骨盤底筋が機能的に動かずに他の筋肉の方が大きく動いてしまう「動かしているつもりタイプ」の方は下記の筋肉が代償的に動いている場合が多くみられます。

  • お尻の筋肉

  • 太ももの内側の筋肉

  • 腹筋

これらの大きな筋肉を優位に使って運動している場合は、ヒップアップやスクワットのようなダイナミックな動きとなりがちです。
これらの筋肉を使って骨盤底筋トレーニングを指導しているところもありますが、この場合、間接的に骨盤底筋を使っていますので、もっと直接的に骨盤底筋を使う運動をしたほうが効果的に鍛えられます。

逆効果タイプ

骨盤底筋を鍛えるときに、ただ動かせば良いというわけではありません。

point

排便のように押し出すのではなく、お腹の方に骨盤底を掬いあげるようにして動かすことが大切です。

骨盤底は上述のように恥骨から尾骨までハンモック状に広がり臓器を支えています。しかし、排便の時のように息んでしまうと腹圧(お腹の中の圧)によって骨盤底を下方に押し出してしまいます。このような動きでは骨盤底に負担をかけることとなり、鍛えるどころか骨盤底が緩まる原因にもつながります。

出産経験のない健常若年女性を対象にした調査でも、うまく骨盤底筋を動かせていない方はこの「動かしているつもりタイプ」または「逆効果タイプ」が多くみられました。

骨盤底筋トレーニングの効果はいつ感じられる?

「毎日骨盤底筋のトレーニンングを150〜200回行い、1ヶ月〜2ヶ月継続してトレーニングの効果が感じられる」との報告があります。
1日に200回と聞くと驚くかもしれませんが、家事の合間やTVを見ながら、PCワークをしながら、信号待ちの間、電車の中で、など隙間時間を有効に使うと200回という目標もそれほど高いものではありません。
骨盤底筋トレーニングはダイナミックな動きではなくとても地味な動きです。機能的な骨盤底を手に入れるには継続が一番の近道なのかもしれませんね。

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totonoe message

骨盤底の健康は全身の健康に密接に関わっています。正しいトレーニングと注意深いケアを通じて、骨盤底筋を強化し、内臓のサポートや尿漏れの予防に役立てましょう。多くの人々が気づかないままに骨盤底の問題を抱えてます。日常生活の中でトレーニングを取り入れることで、健康で快適な日々を送ることができるでしょう。地味なトレーニングですが継続して行っていきましょう。

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