月1のスーパー泣き虫戦士

朝目覚めて1番に思う。

腹、痛い。

動くことに明らかに拒否反応を示している身体を無理やり起こし、前傾姿勢で1階に降りる。
痛すぎて、全然朝食が進まない。上半身をあっちに傾けたり、こっちに傾けたり。もぐもぐ、いたい、もぐもぐ、いたい、痛いわぼけ。

着替える前に薬を2錠流し込み、ネクタイを結ぶ。テストだから、気合いを入れて。

外は、家がぶっ壊れそうなくらいの雨。
学校に向かってくれる車に乗るまで勉強しようと思ったけど、危うく倫理のプリントを破り捨てそうになった。こっちは痛い腹と腰かかえてんの。正義がとか友愛がとか言ってる場合じゃねぇんだよ。

冷静に考えて、体調が悪いときに5階まで階段で登るとか、頭おかしくないですか。たぶん今朝はこの世の全てを恨んでる目をしてた。きっと。

＊

「暴」を3つつけたくなるくらいの暴風雨の中、待ってくれていた車に乗って無事帰宅。

事件は昼食後に起きた。



体調も安定してきたし、少し休憩して勉強しよう。そう思って、リビングでくつろいでいた時だった。

するといきなり爆音で、某アーティストの歌声が部屋中に響き渡った。

何かの糸が、切れた。

うるっさいわなんで爆音で流してんねんっ！！！

反射的にそう声を張り上げるや否や、衝動的に音源である父のスマホの電源をぶち切って、涙が溢れてきた。

朝から身体がしんどくて、それもようやく安定してきつつあるのに、次はなんで心を荒らすんだよ。ちなみに聴覚、触覚、視覚の感覚過敏持ちなので、大きい音はめちゃくちゃ苦手でイライラしてくる。父は曲に合わせて歌おうともしていたので、さらに腹が立った。
うるさいねん。なぁなんで今日なん？超最悪なんやけんど。勘弁してや。

状況を理解しているのかしていないのか分からないが、再度曲をかけ始めた父に耐えきれず、なぜか母に「もう無理っ！！！」と叫んで荷物をまとめて2階に避難してきた。文字通りの「避難」だ。

感情に支配されたが最後、ひたすら声をあげて泣いて、ひたすら怒っていた。

うるさい音も、高音が綺麗に出ていない歌声も、その空間自体にいるのも耐えられない。
本当にうるさい、うるさい、うるさい。

なんで衝動的に電源をぶち切ったん？音量下げて、とか言えなかったのか？もう少し冷静に言えば良かったじゃないか。申し訳ないことをした。もう、最悪だ。

怒りと自己嫌悪の悲しさが交互に襲ってきて、あ"あ"ーってなったり、もうまじで自分無理ってなったり。


怒るのも泣くのも体力が尽きて、30分後には全部静かにさーっと引いていった。残ったのは虚無感。

畳に大の字で寝転がり、ぼーっと天井を見つめる。

良かった、やっと「引いた」。

冷静と虚無はどうやら違うらしい。
なぜそこまで怒っていたのか、泣いていたのか、断片的にしか思い出せない。
だから、たぶんここまでの文章もぐっちゃぐちゃだ。それでも、確かに怒りがあって、どうしようもなく悲しかった。

まだ人がいる空間には行けそうにないけど、とりあえず雨の音を聞きながら勉強しよう。

今は恐ろしく、心が凪いでいる。





この世の全ての女性たちに、畏敬の念を込めて。
月1戦士、嫋やかに、強かに。




ご清覧ありがとうございました。
自販機のコンポタでした🌽