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七の月、七つ目の夕

と仰々しく書いてみましたが、なんてことない本日の年中行事 "七夕"。これは七夕についてだったり、そうでもなかったりする雑談です。

棚からばったり

七月七日の行事 "七夕" ですが、同じ読みで "棚幡" とも書くそう。諸説あるようですが、もともとはお盆行事の一工程、精霊棚を設える日であったことに由来するそうです。

精霊棚は故人を迎えるため、様々なものを供えて作る祭壇で、有名な茄子と胡瓜の飾りもその内の一つです。この棚とそこに祀る幡からとって "棚幡" なのだとか。

ところで、お盆は 8 月の行事では?と思いますが、実は昔は 7 月の行事。新暦が採用され旧暦から移り変わる過程で、8 月に移動した行事なのだそう。

当時、新暦の 7 月は農業が最も忙しい時期だったそうで、現世の人間にはとてもご先祖様をもてなす余裕はなかったようです。

そんな時、帰ってきたご先祖様にばったり会ったら "ちょっと手伝って!" なんて、駆り出す羽目になりそうですね。

催涙雨

さて七夕といえば、とても "ばったりと" は出会えない、有名な二人のイベントでもあります。天の川を挟んで引き離された、悲恋の二人こと織姫と彦星。そんな彼らは年に一度、七夕の日にだけ会うことが許されています。

ところで七月初旬といえば、通常日本は梅雨真っ盛りの、雨が降り続く季節です。そんな中でも七月七日、この七夕に降る雨のことを指して ”催涙雨” と呼ぶのだそうです。

これは何も、特別目に染みる雨が降ってくるぞ!というわけではなく、先に出てきた織姫と彦星、その二人を隔てる天の川が、この日の雨で氾濫してしまい、年に一度の再会が叶わなくなってしまった二人は涙を流すのだ、という言い伝えから名付けられているそうです。

再会の日が、よりにもよって梅雨の時期に設定されているなんて、なんともかわいそうな話。しかし織姫・彦星といえば、こと座のベガ・わし座のアルタイルでもあります。

星の寿命は数十億年。年に一度の再会の日が流れてしまっても、案外本人達は、ケロっとしているかもしれませんね。

鮮やかな雨

特別な雨といえば、 2001 年インドでも特別な雨が降りました。それは五色の短冊とまではいかないまでも、とても鮮やかな赤色をしていたといいます。

"ケーララの赤い雨" と呼ばれるそれは、2001 年の 7 月の終わりから 9 月の終わりまで、インド南部のケーララ州に度々降り注いたそうです。時に白いシャツを染める程のその赤は、雨に含まれる粒子の色であり、その粒子は生物の細胞に似た構造をしていたのだとか。

雨と共に降る細胞。それは岩肌や樹皮に生息する藻の胞子である、という説が有力なようですが、ではどうやって大量の藻の胞子が、雨雲に取り込まれたのか等、不明な点も多くあります。

結局結論の出ていないその正体については、彗星と共に宇宙から飛来した地球外生命体のものだという説もあり、当時論文も出たのだとか。

ケーララに降った赤い雨。その正体は地球上の藻だったのか、遊星からの物体Xだったのか、はたまた織姫のひっくり返した苺ジャムだったのか。それは、神のみぞ知るというやつですね。

おわりに

雨といえば "感謝・感激・雨・あられ"  なんて言葉があります。その上位互換で "感謝・感激・RAIN・COMET" という言葉を考えたのですが、身近な所でも一向に流行る気配がありません。

ここはひとつ流行を願って、短冊に書いておこうと思います。



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