メンデルスゾーン紫恵

編集ライター。2019年、ウェールズ人の夫と国際令和婚。毎日が異文化交流。 雑誌やムッ…

メンデルスゾーン紫恵

編集ライター。2019年、ウェールズ人の夫と国際令和婚。毎日が異文化交流。 雑誌やムックなどのメディアで記事の制作(ページ構成から取材、文章を書くまで)をしたり、ウェブメディアの記事を書いたり、書籍のブックライティングをしたりします。 趣味はキックボクシング。

最近の記事

マックで学んだ「バリュー」

東京・横浜の桜が満開になった2週間前、ボートをレンタルして川からお花見をしました。年に一度か二度だけ下車するボートステーションのある駅で、見覚えのある顔が。学生時代、マクドナルドでバイトしていた時の先輩が通り過ぎていきました。絶対そうだよね?と思ったけれど、声はかけられませんでした。 だからというわけではないけれど、帰りに駅のマックに寄ってひと休み。 私の人生初めての職業体験がマクドナルドでした。浪人が決まって高校を卒業してすぐ、夏前まで働いて1年分のお小遣いを稼ぎたかっ

    • 明るくて暗い“敗戦国”の夏 

      夏が私のいちばん好きな季節だ。小学生時代、徳島の海の近くの祖母の家で毎年過ごした楽しい思い出が多いからだと思う。夏の楽しい思い出にひもづいた黄色く明るい太陽の光と、その光を浴びて生命力を感じさせる深い緑色の植物、空の青と白い入道雲などの鮮やかな色のコントラストの生き生きとしたイメージが、エネルギーを活性化してくれる気がする。 8月に入ると、まだ昼間の太陽の光はギラギラと強いのに、少しずつ空が高くなり、日の暮れる時間が早くなるのを感じて、「夏が行っちゃう」と切なくなる。 そこ

      • 英国エンタメ界での日本人の活躍

        「アンシ シテクダサ~イ」。 「安心してください、穿いてますよ」が流行語になったときから、夫が愛用しているこのフレーズ。(英語話者は語尾の「n」を子音だけ喉の奥のほうで発音しているため、「アンシ」のように聞こえる様子) “安心できない”理由があるからこそ私のツッコミを待って言っているわけなのであるが、夫の名誉のために名言は避けておこう。 * 英国の公開オーディション番組「BRITAIN’S GOT TALENT」の予選で、「TONIKAKU」こと、とにかく明るい安村さんが

        • 「助け合い」が得意な英国人 「譲り合い」が得意な日本人

          今年の結婚記念日はコンラッド東京のスイートに宿泊した。5つ星ホテルへの宿泊は、昨年の渡欧で物価が安いチェコ滞在時に「贅沢しちゃおう」と1泊して以来。私たちにとって、日本ではおそらく最初で最後の特別な時間になった。 4年という中途半端な節目にスペシャルなことをしたのは、幸運にもペア宿泊券をいただいたから。記念日が期限ぎりぎりで、「これは運命的!」なんて言いながら予約をとった。 話は昨年の秋にさかのぼる。手伝っているイングランドのNPOの日本事務局代表として、夫がパーティーに出

        マックで学んだ「バリュー」

          私は「いろんな価値観があるという価値観」を選んだ

          中学の卒業アルバムの余白のページに書かれた3年の担任の先生からのメッセージが、はがそうとしてもびりっと汚く破れて残っているシールみたいに、心にこびりついている。 思いっきり、ダメ出しされたと思った。 「あなたは、世の中にいろんな考え方をする人がいるっていうことがわかっていませんね」って。 立っているところが揺らいだ気がした。というか、ぐるんって、水平を一瞬失ったような?ショックだった。だって、そんなこと一度も言われなかったから。大人になった今思い返すと、その先生は、芯は強

          私は「いろんな価値観があるという価値観」を選んだ

          英国の結婚は法的な“契約”が1セット

          先日、結婚5年目に入った。結婚記念日には記念になることをしようと、蔵前にある銀師(しろがねし)の工房で制作体験。純銀のバングルをつくった。 昨年、出席した夫の兄夫婦の結婚式は、イングランド西北部の湖水地方にある歴史的な建物で式が行われ、その後、バスでその地区の公民館に移動してパーティー(披露宴)という流れ。出席者がみんな前泊・後泊しての3日間の大イベントだった。 結婚式は、新郎の父のスピーチの後に誓いの言葉と指輪の交換、結婚証明書に証人の新郎新婦の母親たちがサイン、続いて

          英国の結婚は法的な“契約”が1セット