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家を建てる①

この家に住み始めて、3月1日で一年が経った。
その前の家は、数年前にきた台風の被害をモロに受けアウトに。
その時のことから備忘録的に記して置こうと思う。
あの台風は凄まじかった。
台風がやってきたのは平日の昼間だったので、もちろんワタシは会社におり、ネット情報を確認しながら
「おっ!こっちにモロにやってくるねぇ」
などと、まだ余裕をかましていた。
でもいざ直撃され始めると、慌てふためくこととなる。
いろんなものが風で飛ばされていき、もっと恐ろしかったのは、設備のおじいちゃんが何故か屋上に変な板を並べており、それがフワッと風で浮き始めて飛び始めた。
目の前が線路だし、住宅もたくさんある。
まず、浮かんだ言葉が
補償
電車はもちろん完全に止まっていたので、線路内に板が着地したとしても今なら回収できる。
しかーし、電線を切ってしまったりしたら?
他の住宅の壁を突き破ったりしたら?
最悪の場合、ひょっこり出てきてしまった人に当たりでもしたら?
恐ろしい。恐ろしすぎる。
必死に屋上で残りの板をかき集める。板を持った体が風を含んでフワァと浮き上がるという恐怖を体験する。
数枚飛んでいった板は幸いにも線路を超えて、駐車場のバッカンの中にちゃんと入ってくれていた。
その後だ。
病院の全館停電。
非常用発電に切り替わるように作られているが、本当に切り替わるのか?
今、オペしてるよ?
ドキドキした。
無事に非常用発電に切り替わったが、そこからまた地獄の時間が・・・
オペ優先なので、エレベーターが止まった。
病院は7階建て。
オペ室は3階。
オペが終わった患者を病室に運ばなければならない。
スタッフ総動員である。
あと、非常用発電機に灯油を追加しなければいけない。
大きいものは1階外にあったが、そのほかのものは屋上にある。
エレベーターは止まっている。
おまけに停電がいつまで続くかわからないときた。
燃料の確保も重要となる。
保健所から何度も連絡が来るので、とにかく燃料車を出して欲しい。と要請するも、クソの役にも立たなかった。挙げ句の果てに
「市役所だって、停電してるんですよっ!」
舐めてんのか!ほな電話してくるなっ!
「必要なものはありませんか?」と聞くなっ!
マニュアルも大切だが、もっとこう…なんというかコミュニケーション能力?が必要だなとつくづく感じた。
 患者の食事は確保できたが、スタッフの食事と燃料を求めて彷徨うことになる。
そのとき、イオンってすごいなぁって思った。
自社発電で、一箇所のトイレを閉鎖することなく営業していた。さすがだ。
安心させられた。スタッフの食料もイオンで確保!その際、ずっとヒールでクタクタだったのでスニーカーも手に入れ、これで思いっきり動ける。
それから、暗い市街を彷徨い、灯油を求めた。
停電のため、分けてあげたいけど、無理だと断られたり、容器を持っていってもダメだと断られたり…。(法律の関係らしい)
クタクタになっていた頃に、1件だけ気持ちよく分けてくれた。
「レジが使えないからまた今度でいいよ」といってくれたので、名刺を置いて帰ってきた。
 家のことも気になったので、家の前を通った時に唖然…

あれっ?瓦飛んでない?

兄が必死になってシートを応急処置で張ってくれていた。
こんな時に建設業に携わっている家族がいると本当に助かる。

その後病院に戻り、買ったばかりのスニーカーで屋上までなん往復しただろう。
でも、疲れは感じなかったな。
必死ってこういうことなんだろうな。
それぞれのスタッフが助け合いながら動いていた。
こんなありがたいことはなかった。
あのままの組織でいられたら会社辞めなかったのになぁ(笑)

台風は去っていったが、停電は続いており、その夜は病院で過ごした。
一度夜中に家の様子を見にいった時に事件が…。
一階の天井板がぷっくり風船のように膨らんでおり、確実にそこには水が溜まっている。

がんばれ天井!!

とエールを送りながらも畳をあげ、そこにペット用シーツを敷き詰める。そして天井にもシーツを貼り付けていると

もう…限界ですわ…

と言ったか言わなかったか(言うわけがない)、滝か?ってくらいの水が家の中に降ってきた。

でも、ペットシーツは偉大だ!被害は最小限になった。ありがたい。
絶対、ペットがいなくてもペットシーツは常備することをオススメする。

夜が明ける頃にはクタクタになっていた。でも病院で食べたカップラーメンがとても美味しかったのを覚えている。

あっ、あと、田舎では災害時携帯は、まず、ソフトバンクが使えなくなり、その次auが使えなくなった。
最後まで元気いっぱいなのが、docomoだった!
なので、病院でも唯一docomoだったワタシの携帯が頼みの綱となったのだった。

ただ、その時あの滝のような雨漏れを体験したわが家だったが、そこまでの悲壮感はまだその時なかったなぁ…(笑)

続く

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