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少し遅れて読書の秋。

僕はそれほど読書家というわけではないのですが、本が好きで、普通の人よりは活字に触れる時間が多いです。
まあ、本が好きじゃなかったらnoteの執筆も始めていなかっただろうとは思いますが。
とにかく、僕は幼い頃から本が好きです。
今年は特に勉強に忙しく、新しい本を読むことができませんでした。
なので今回は、今まで読んできた本の中で僕が皆さんにおすすめしたい本をいくつか紹介したいと思います。

まずは僕の本好き人生を決定づけた、友井羊さんの「僕はお父さんを訴えます」という小説です。
動物虐待によって愛犬を亡くした中学生の主人公が、調査の過程である証拠を掴み、父親を民事裁判へと引きずり出すという、発想からなかなか引き込まれる作品です。
実際、このミステリーがすごい!大賞優秀賞受賞作品で、作品としての評価もかなり高いです。
小学生の頃、児童文学を好んでいた僕が初めてちゃんとした小説を読もうとして書店に行き、手に取ったのがこの作品でした。
ちょうどこの作品が賞を受賞した時に、タイトルが目に入り、好奇心で購入した瞬間は今でもすぐに蘇ります。
この物語は、ほとんど主人公とその同級生の調査と知り合いの司法浪人との裁判への準備パートで構成されています。
その過程が人として勉強になりますし、本書のラストで明かされる事実は我々読者に衝撃を与えます。
あえて具体的な地名は書きませんが、友井羊さんとは同郷ということで親近感も湧き、この作品に出会ってから友井さんの作品はなるべく初版で買うようにしています。

続いて、七月隆文さんの「ケーキ王子の名推理」を紹介します。
先程の「僕はお父さんを訴えます」とは打って変わって、恋愛要素が強い中に柔らかで軽やかなミステリーが隠れている、そんな作品です。
世界一のパティシエを目指す主人公の男子高校生と、ケーキのことになると周りが見えなくなる女子高生の凸凹恋愛を描いています。
七月隆文さんは学生の描写が上手い。
彼の頭には膨大な数の学生の特徴が叩き込まれているのだろう、と言いたくなるほどの技術です。
「ケーキ王子の名推理」シリーズは、その描写力から繰り出される不器用な2人の恋愛と、無骨ながらひたむきなケーキへの情熱、そして友人たちとの関わり方に心を動かされるのです。

3冊目。
これで最後にしましょう。
色々考えたのですが、最終的には児童文学にたどり着きました。
児童文学の傑作、「魔女の宅急便」をご紹介します。
スタジオジブリのアニメ作品としても知られる魔女の宅急便ですが、アニメが傑作なら原作も名作だろうと先入観で読みました。
実際、先入観をなしにしてもやはり名作でした。
薬を作るのが得意な魔女であるコキリの娘として生まれたキキは、母とは違い薬を作るのは大の苦手でした。
しかし、修行のために魔女は旅に出なければいけないしきたり。
コリコの町に降り立ったキキは、パン屋のオソノさんの家に下宿をしながら、特技の飛行で配達業を始める…
というストーリー構成になっています。
キキの魔女としての成長だけでなく、彼女の半生をも描く壮大なスケールのお話です。
ファンタジーと青春の融合を上手くやってのけているこの作品は、子供の気持ちを失いがちな毎日の生活の中に、好奇心を与えてくれます。
読んでいる時のワクワク感は、児童文学だということを忘れさせる程のものです。

ぜひ皆さんには実際に読んで確かめて欲しいので、あえて詳しく書きませんでした。
一度手にとって見ると、新たな発見があって楽しいかもしれません。
皆さんの新たな出会いのお手伝いができていたら嬉しいです。

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