【ヤン・シュヴァンクマイエルのアリス】実写とストップモーションアニメによる不思議の国の冒険譚
・今回紹介させて貰いますのは1988年に公開された『アリス』です。勿論原作はルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』。
・チェコ出身の天才ヤン・シュヴァンクマイエル、彼が作り出す完成度の高いストップモーションの世界となんだか不気味な世界観の魅力たるや否や、それは到底文書では言い表せない素晴らしさに満ちています。
・煤汚れた現実と奇妙奇天烈な非現実の調和。4:3の画角にひしめくアンティークチックな映像美。怠惰で物憂げな表情が可愛らしいアリスと目ん玉剥き出し剥製生物達が織りなす珍妙なやり取りの数々。幼い子供の好奇心とちょっぴりの残酷さ、白ウサギを追いかけアリスは何と恐ろしき世界の中へと転がり落ちて行くのか。
・この映画ねぇ…本当に凄く良いんですよ…。お話としての全容はある程度原作ベースなんですが、映像として見せる世界観の全てはまるで荒唐無稽な夢を見ているようで。童心をくすぐられながらも、不気味なワンダーランドをふわふわと漂う体験が出来る超名作なんです。
・そんな世界を凄まじい労力が伴っているであろうストップモーションアニメで描くのですが、これがもうべらぼうに凄い。本当にそのままの姿で生きていると勘違いしてもおかしくないぐらい、自然な一挙一様を映像として見せてくれます。
・是非興味のある方はBlu-rayやDVDにて新盤が再販されましたので、ご購入の程検討してみては如何でしょうか?
終
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