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【小説】廻る終に最後の2人

「里内明美はまだ高校生3年生であった。夢見る年頃から、朧げであった現実の切実さに気付き始め最近は何もやる気が起きなかった。」

私はふぅー、と溜息を吐きながら口からポコポコと吹き出る白い煙を見つめた。くだらない世の中の全てが煙みたいに霧散してぜーんぶ消えちゃえば良いのに、そう思いながら年頃には似合わないというかハッキリ言えばアウトな煙草を灰皿に押し込んだ。

『雨原小百合は大学中退の引きこもりであ

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