日記210108(深呼吸)

昼食の準備の時が大変だった。最初は1人遊びしていたが、だんだん退屈そうな声が増えてくる。そしてあと一息で準備完了というところで、お通じの報告に来る。

ひとまずご飯を冷ましている間にお通じの処理。トイレに流すところで、ついてきたチビが割り込んで便座を触った。触っちゃダメ!と引き離し、勢い余ってチビは尻餅をつく。そこから機嫌が悪い。「トイレは汚いから手を洗おう」と促しても大泣きで逃げ回る。ご飯を食べさせなくてはならないのに私もイライラしてくる。

ふと洗面台の鏡を見ると、安いだけで買った似合わないジャケットを暖房が不十分なので部屋の中でも着込んだ私が映る。髪は薄くなり艶もなくなり、だらしなく伸びた前髪がパラパラと顔にかかっている。数年前はおしゃれをして渋谷や新宿を闊歩していたのに、今は僻地でこの有様だ。涙ぐむのをぐっと堪える。そして、落ち着く為に深呼吸する事にした。

以前誘導瞑想の動画を見ていたので、呼吸に集中するのがコツだと知っていた。目を閉じて、チビの事すら忘れるくらい、深く吐いては吸う。すると機嫌悪く部屋をウロウロとしていたチビがこちらに意識を向ける。もう少しだ。続けていると、チビがついに「ママ何してるの?」と言いたげに不思議そうに微笑んで近づいてきた。手を洗おう、ともう一度笑顔で促すと、チビは素直に応じた。

そして食事をした。チビはよく食べ、お皿の上のスプーンにクニャリと映った自分とママの顔を見て嬉しそうに笑い、2人で覗き込んでは顔を見合わせてニッコリした。私がキムチを食べて「辛い!」と顔をしかめるとキャッキャと笑う。デザートにはみかんを食べた。皮を剥くのが待ちきれない!とジタバタするチビを見て、2人でまた笑う。理想の食卓だった。育児は惨めに思う時と幸せな時、目まぐるしく訪れる。今日の深呼吸は切り替えに良かったので習慣にしていきたい。

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