駄々をこねる子供の観察をしてみた

チビはあと1ヶ月ちょっとで2歳。つまり自己主張が強くなってきた時期だ。

色々なイヤイヤ期の対応法を読み漁ったが、多いのが「子供の感情を言葉にする事を手伝う」という事かなと思った。出来るだろうか。そして本当にそれでチビと私が楽な気持ちになれるのだろうか。

そこで、まず嫌がる状況を観察する事から始めてみることにしたのだった。早速、散歩の帰りにチビがぐずぐずと泣き出したので観察した。

まず、彼の主張と、彼の主張が通らない理由と、私の要求を分けてみた。

チビの主張は、倉庫のドアを開けて中にあるスーツケースを持ち出し、押して歩きたいという事。

チビの主張が通らない理由は、近くに車道があり危ない事と、ガラガラという音が近所迷惑になる事。

私の要求は、家に帰ってお昼ごはんにする事。

いつもは、「ガラガラうるさいし車が来るから危ないよ!家帰ってごはんにしよう!ごはん美味しいよ、デザートにみかんあるよ」と声をかけて、長引くようであれば無理やり連れ帰っていた(そして大抵は長引き、強制連行する事になる)。つまり、彼の主張を無視して主張が通らない理由のみ繰り返し説明し、私の要求を通そうとするものだ。確かにチビにとっては理不尽な話だ。

今回気をつけたのは4点。

1.チビの主張や感情を言葉にして反復する

2.話を飛躍させないようにする。例えば、スーツケース出したいよね、ではなくて、ドアを開けたいよね、と、最終目標ではなく常に一番手前にある事項だけ伝える。

3.主張が通らない理由は説明しようとしない

4.チビ自身が気を紛らわす糸口を見つけたらそこを拡大する

チビは倉庫のドアに手をかけ、引っ張ろうとして泣くので、「ドアを開けたいけど開かないね、悔しいよね、開けたくなるよね」と伝えた。どのように伝えていいのかわからないので機械音声のように平坦になってしまったが、その方が落ち着くかもしれないので冷静に繰り返した。

そのうち、ドア脇のネジに興味を示したので、「ネジがあるね」と声をかけた。すると、またドアの取手に興味が向き、泣くので「ドアを開けたいのに開かないね、悔しいよね」と声をかけた。するとまたネジを触る。ネジは縦に並んでいるので、「上から下まで、ネジがあるね。そこにもあったの?よく見つけたね」と言った。そうこうしているうちに、チビは壁土も気になり始めた。「壁の色は何色?ここは白だね。ここは?ちょっと茶色だね」と、詳しく解説する。すると、ドアから完全に興味が離れたのが分かった。何十分もかかる事を覚悟していたが、意外に早かった。

ドアから離れた所で、「おうちでみかん食べる?」と声をかけた。チビは顔をしかめて家とは反対方向に歩き始めたので、一緒に歩きながら「まだみかんの気分じゃないよね」と言った。するとチビはこちらを見つめ、踵を返して真っ直ぐ家へと向かい、すんなり玄関へと入って行ったのだった。今まで泣いて暴れるチビを横抱きにして、近所の人に笑われながら帰って行ったのが嘘のように、自分から家に帰ったので驚いた。

今回はたまたまかもしれないが、チビも私も非常に消耗が少なくて済んだ。所要時間も思ったより短かったので、またやってみようと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?