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【奇跡を起こす】 それは…

「違う、ここじゃない」

そう思って一人暮らしを始めた。けれど、再び繰り返される。
「違う、ここじゃない」「違う、これじゃない」「違う、この人じゃない」
そう思って引っ越したり、部屋の模様替えを頻繁にしたり、恋人と別れたり、髪型を変えたり、音楽のジャンルを変えたり…。

だけど、変わらなかった。

私が変えたかったのは、『自分自身』。
そして、心の穴を埋めたかった。

これを求めて、「違う…」「違う…」と探し回った。
同時に、そのたびに人や場所、環境のせいにした。

自分に自信はないくせに、なぜか自分は間違っていないと思い込んでいた。探せば探すほど、がっかりすることが増え、ますます『自分自身』から遠のいた。

いつからだろう…。
人のせい、場所のせい、環境のせいにしなくなったのは…。


あ、あれだ。
NOと言えず、どんどん仕事を背負い、「こんなに一生懸命やってます。誰か認めてください。誰か凄いねって言ってください」とアピールして働いていたら、心身ともにキャパオーバーとなり結果、休職する羽目になった時だ。もちろんその時は自分が、「大変です」アピールしてるなんて自覚はなかった。今となって、客観的にみるとアピール全開だった。まだ、自分が辛いのは人のせい、仕事が上手くいかないのは環境のせい、自分が生きにくいのは親や過去のせい、摂食障害になったのも治らないのも親、他者、会社のせいっとしていた。

休職中に何があったんだろう…。

そうだ、まずは『自分を許した』少しだけ。『許せた』という言い方の方がしっくりくる。『自分を受け入れた』少しだけ。こちらも『受け入れられた』という言い方の方がしっくりくる。そんなにやった事のない編み物をしたり、裁縫をしたり、温野菜と焼き魚をじっくり食べたり、お酒も飲んだり…自分の時間をゆっくりと過ごした。それから、姉の家に行きお互いの現状や想いを何時間も話した。そして、恋しい/会いたいと思う人がハッキリした。この人に会いたい気持ちも強く、社会へ復活する気持ちが高まった。復職への恐怖はほぼなく、少しの不安だけで約3ヶ月後には仕事を再開した。これと同時に、彼に想いを告げ、7ヶ月後には結婚した。

どうして、こんな気持ちになれたんだろう…。

『自分への癒し』が少しずつできるようになってたんだ。それで少し『心の穴』が小さくなったんだ。自分でできたんだ。これが心に充実感をくれたんだった。

これを皮切りに、私は少しずつ【本当の自分】へ向かって進み始めた。

旦那さんは、職場では無表情、無口なイメージが強く、「怒ってるの?」とよく人から言われていた。表情を変えずに喜んでいたり悲しんでいる人で、表現が下手と言える。んが、「あなたはイタリア人ですか」と言いたくなるほど私を「大切にしている」と言葉で伝えてくれ、行動でも表してくれた。「あなたは天使ですか」と言いたくなるほど私に「ありがとう」「大丈夫」「一緒だから」と言葉で伝えてくれて、行動でも表してくれた。そこには誠実さと愛が溢れていた。これを真似て、私も『感謝』を言葉で伝えることを意識してやることにした。

すると、気がつけば人のせいにすることや環境のせいにすることが、随分と減っていた。そう、『感謝』を言葉で伝え続けただけで。

子どもが生まれて、思い通りにいかないことがあると目のあたりにした。ネットにも参考書にもどこにも我が子の育児の答えは載っていない。私は、育児ノイローゼ気味、発狂しながら苦しい日々を過ごした。摂食障害の症状も強くなり、心身ともに限界だった。けれど、赤ちゃんは待ってくれない。休むこともなくその日その日を必死で過ごした。1年経ち、会社へ復帰したとき自分が大きく変わっているのを感じた。余計な人間関係に振り回されない、余計な悩みがない、仕事はより効率的となり信頼関係も増していった。

なぜだろう…。

子どもが発熱しいつ園から呼び出しが来るか分からない、いつ欠勤してしまうか分からない、そのために「今日できることは今日のうちに」「今できることは今やる」「報告は今する」とやるしかなかった。悩む時間がない、もったいない、人の悪口を聞く暇もない、その時間にやるべきことは山盛りある。このスタンスが、今まで後回しにしてきた怖い上司や他社の報告も、より簡潔に逃げることなくできるようにさせてくれた。陰口などはシャットアウトし仕事に集中できるようにさせてくれた。子どもを育てるという責任が波及して、自分の仕事や自分の振る舞いに責任が持てるようになっていた。今更、、、と感じもあったが、やっと大人へ一歩進めた感じがした。

人は、『感謝』の気持ちで大きく大きく人生が変わっていくことを知った。
親は、我が子に『育ててもらう』ということを体験し理解した。

そこには、いつも【愛】がある。
自分への愛
家族への愛
そうでなければ、続かない。

息ができて、我が子を抱きしめられて、家族にいってらっしゃとおかえりが言えて、大好きな人の目に自分が写っていて、飛行機が月に打つからないか真剣に見守る我が子が笑顔になる瞬間の横顔を見つめることができて、蛇口を捻れば水が出て、スイッチを入れれば電気がつく、服を着て歩いて買い物ができて、好きなものを食べられて、悩んだり喧嘩をしたり仲直りしたり、笑ったり泣いたり、1人になれたり誰かと繋がったりできる。

すべてに『感謝』

「違う、ここじゃない」と探し回っていた。それももうおしまい。
全部、ここに在る
全部、自分で生み出せる

すごく身近すぎて忘れていた『感謝』
それは【奇跡を起こす】

どこにいても、誰といても、どんな時にでもできる『感謝』

「ありがとう」と言葉にして伝えよう。
あなたの体に
あなたの心に
あなたの大切な人に。 

きっと【奇跡】が起きるから。