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Off Topic #192 希薄化されたカルト社会と宗教の重要性

こんにちは。
このnoteは、個人的にOff Topicのまとめをしているmemofleetが書いてます。

今回はOff Topic #192「希薄化されたカルト社会と宗教の重要性」です。
ポッドキャストはこちらです。


希薄化されたカルト社会と宗教の重要性

希薄化されたカルト社会と宗教の重要性
希薄化されたカルト社会と宗教の重要性

グラフィックについて

今回はここ数年のテーマの関連性が明かされる回でした。
次の5つのブロックで構成しました。

  1. 古代のカルト社会とカルチャー

  2. 宗教OS

  3. 2012年、カルチャー・ティッピングポイント

  4. ポスト・キリスト教社会

  5. 宗教の重要性

古代のカルト社会とカルチャー

The Ancient Cityという書籍をもとに、古代社会のコミュニティについて考えるブロックです。
隣り合う村でも信仰やカルチャーが異なるということで、いまより強度の高いコミュニティが形成されていたとされています。

宗教OS

宗教をひとつの仕組みとして考えると、人生の目的や意味を表すシステムであって、キリスト教に限らず、誰でもなんらかのアーティストやブランドやプロダクトのファンだったりするという意味では「宗教OS」を使っているという見方です。
そしてそういったシステムに入るときに普通とは違うことをする必要があって(ファンになるための儀式)、それがクレイジーであるほど入りにくく、また出にくくなる。

2012年、カルチャー・ティッピングポイント

1971年、システム完成から停滞へのターニングポイントがあったということを以前のOffTopicで触れていました。
2012年はカルチャー面、メンタル面でのターニングポイントになっている事を裏付けるいくつかのデータがあるそうです。

  • 中高生のうつ病が増加傾向になる

  • 自殺未遂が増加傾向になる

  • 睡眠時間の低下(7時間未満が増える)

  • 13歳の全国テスト平均点、2012年から低下

  • 出会い系Tinderがブーム

  • ビルボードtop100:歌詞に放送禁止用語の出現回数が増える

  • オリジナル映画が興行トップ10に入らなくなり、リメイクや続編が増加

  • 「ウォークネス」の台頭(社会正義に関わる問題について、一歩進んで問題の解決に取り組もうとする状態)

  • LGBTQの結婚が法的に州ごとに許可され始める

ポスト・キリスト教社会

キリスト教を信じる人の数が減少傾向。そのかわりに何を信じるようになったのか?
また友達の数が減少傾向にあり、それだけに何か繋がりを求める需要があるのではないか?
というブロックです。
人はなにか拠り所を求めるもので、キリスト教や友達では埋められなくなってきたら、その穴を埋めるものに需要があるのではないか、という示唆になっています。

宗教の重要性

ビジネスを作る上で、宗教化すること、カルト化することが重要。
アーティストのファンや会社の中のコミュニケーションについても「宗教OS」を機能させる事が重要で、例えば「教会」と「聖書」は「コンサート」と「レコード」のような布教パッケージとして考えることができる。これは比喩ではなく、誰かに何かを信じてもらうという点ではスタートアップでもアーティストでも宗教と同じプロセスを通るということで、とくにキリスト教の布教活動はマーケティング・プロセスとして参考になる部分も多いという考察もある、という結びです。

感想:

今回は2023年の総まとめ全3回の1回目になっています。
2021年のカルチャーメイカーの話、2022年のシステムルネッサンスの話のさらに根底にある宗教の話という事ですから、土台部分の位置付けなのかなと思います。
図にするとこのような位置づけと理解しました。

Off Topicの年間テーマ

いつものように「宗教」と言っても多義的に使っていて、これは特定の宗教を指す用語ではないです。その意味合いとしては「カルト」でも「コミュニティ」でもよさそうですが、ここはやはり「宗教」なのだと思います。

古代社会では生活基盤自体がカルト的で、濃密で幸福度の高いライフスタイルだったのに対して、現代はそれが希薄化されたものと宮武さんは言っています。

現代のビジネスで考えても、商業的な理由で薄まったことも多いと感じています。画一化された好みに合わせたほうが売りやすいので、誰もが受け入れる幅広いレンジで戦おうとすれば、コアで希少で濃密なものよりフラットで既知で希薄なものが無難です。
この対比は、以前、デイビッド・マークスさんが講演で言っていた90年代の雑誌とAIレコメンドとの違いにも重なります。よりコアなものを薦めるか、みんなが好きなものを薦めるか。

2012年からメンタルやカルチャーに変化が起こっていること、キリスト教を自認する人の数が減っていること、これらを踏まえると、これからのスタートアップやブランドが行うべきは宗教を作ることに繋がっていく、という流れになっていきます。

起業のアンバサダー戦略も、やりたいのは宗教を作ることだと思いますが、これを「宗教」と言わないのはその言葉を使うとちょっとした拒否感や誤解が生まれやすいからだと思います。「応援」とか「アンバサダー」という言葉は使いやすいけど薄い感じがして、「宗教」は極まった語感があります。
もちろんプロモーションの効果も必要なので、ファンの人々をどういう名前で呼ぶかは別の話ですが、重要なのはコアで濃密な宗教OSを作ること。入ったら出られないクレイジーな魅力をどう作るのかがポイントですね。
日本のオタク文化や推し活なども多いに参考になりそうです。

以上になります。
お読みいただきありがとうございました。



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