ロシアは何故、ウクライナ侵攻を決断したのか?
ロシアが何故、ウクライナ侵攻を決断したのか
それを紐解いていく
敵を知り、己を知れば勝てるかもしれないという諺があったはず。
ロシアを知ろう!
ロシアとは?
国土
1位:陸地は世界の11.5%
人口
9位:1億4,580万人
しかし、多くは欧州側に偏っており。
ロシア極東の人口約600万=兵庫県と同じ
経済規模(GDP)
11位:1.483兆米ドル
天然資源に頼る、典型的なモノカルチャー経済
ロシアの輸出額全体の3分の2
(一部のハイテク産業も成長してるけど)
ソ連崩壊後、アメリカの唆されて経済改革をするも経済が破綻し製造業は低迷。
米ドル換算であり、制裁もあるので。
地政学
ハートランド(大陸国家)
広い国土に、大雑把に分けると3つの民族であり、細かく言うと約190の多民族国家
国境線の広さ故に様々な場所に領土問題を抱えている。
比較対象
米国
国土:3位で6.5%
人口:3位で3億3,480万人
GDP:1位で21兆4800億ドル
ロシアの独自性
「人類の敵である、ナチスに勝利した偉大なソ連」を重視している。
個々からは、対ドイツ戦勝記念の演説の終盤を引用すると分かる。
「団結した多民族の国民の、偉大で不滅の力だ。こんにち、あなた方は、父や祖父、曽祖父が戦って守ってきたものを、守ろうとしている。
彼らにとって、人生の最高の意義は、常に祖国の繁栄と安全だった。
そして彼らの後継者であるわれわれにとって、祖国への献身は最高の価値であり、ロシアの独立を支える強固な支柱だ。
大祖国戦争でナチズムを粉砕した人々は、永遠に続くヒロイズムの模範を示した。
この世代こそ、まさに戦勝者であり、われわれは常に見習い続ける。
われわれの勇敢な軍に栄光あれ!
ロシアのために!勝利のために!万歳!」
これは、民族などの血ではなく。
「国家としての精神性を軸として形成されている国家である」。ということ。
2016年、青少年軍
若者向けの愛国教育を拡充している。
軍事面
ロシア連邦軍、参謀本部の下に5つの軍管区に分け統治
各軍管区が、陸海空の統合運用権を持っている。
また、戦略・戦術的重要度が高い、核戦力と空挺部隊は指揮系統が異なる。
何故、プーチンが戦争を始めたのか。
本動画では、「問題の把握→対処法の検討と実施→結論」のプロセスを
各諸問題→ロシアの地政学的価値観による対処→開戦として
解説します。
隣接する脅威-問題の把握
中国の脅威
仲が良いというよりは、仲良くしないと国家が存続できない。
北極海という壁を背に、中国、インド、EUに囲まれている。
ちなみに、日本以外の核保有国…
地理編
ロシア極東の人口約600万=兵庫県と同じ
中国から、移民が流れ込んでおり。
中国系>ロシア系となった場合、乗っ取られるリスクがある。
ロシア側:不法移民対策
2000年代、毎年6万の中国人移民
https://rosstat.gov.ru/folder/11109
民族性編
則物主義、現世で今あるモノを重んじる。
これは、陰陽術等の考え方や四書五経に動乱の影響を受け形成された民族性。
ロシアの精神的な文化と中国の物質的な文化は相容れない部分がある。
中華思想=自民族第一主義
どの国も持ってる思想なので、中国の解説をするにあたり、あまり当てにならない。
経済編
中国の一帯一路との連携
周辺国家へのロシアの影響力を維持するためである。
領土編
2005年にようやく、中国との国境が決まった。という事にしておく。
融解するハートランド
ハートランド、これは北極海に閉ざされ背後から攻められる可能性が低く、厳しい自然環境と広大な領土故に侵略の際兵站にかかる負担が尋常ではないため。難攻不落の要塞であるということ。
ナポレオンやナチスのロシア侵攻が失敗した理由でもある。
地球温暖化と北極海航路
近年の地球温暖化により北極海が融解し北極海航路の重要性が高まっている。
具体的には、2000年代から北極海航路の重要性が見直されている。
安全保障上の懸念
これが何を意味するかと言うと、今までロシアを守ってきた壁が崩壊が近づいてる事を意味している。
もし、このまま北極海航路の有用性が増し続ければ、海運を使って陸路より効率的にロシアに攻め入る事が出来るようになる。
しかし、同時に今までシベリア鉄道に縛られていた物流を海路で大体することも出来るので経済的メリットは大きい。
EUの拡大とウクライナの政治
冷戦後、EUは内部での対立が発生するほどに肥大化をし続けたのは皆さんご存じだろう。
しかし、ロシアからすれば西側陣営がどんどんと、自国へ近づきついには旧ソ構成国ですらEUへ加盟するようになった。と言う見方になる。
プーチン氏は、「ソ連崩壊は20世紀最大の地政学的悲劇」と言う発言をするほど。旧ソ構成国を地政学上の大切な場所として認知している。
ウクライナの強硬な反ロシアへの転換
また、ブタペスト覚書によりウクライナの一部へ影響力が残存してるとは言え。
ウクライナのゼレンスキー政権はかなりの反ロシア政権である。
ドンバス・クリミアの奪還を主張し、ドローンにより親ロシア派武装勢力へ攻撃を実施。
しかし、当の欧州やEUはウクライナ内の汚職問題やミンスク合意違反とも言える行動に距離を置いていた。
ロシアは何を思ったか
これらにより、ウクライナはいつ親ロシア派へ攻撃をしてくるか分からない上に欧州からは距離を取られている国家としてロシアが認識したのであろう。
ロシアの地政学
まず、ロシアの戦争は基本的に南下である。
また、ドゥーギン地政学により生存権の拡大を目的としている
これは、プーチン氏の強権的政治に表れている。
生存権の確保とネオ・ユーラシア主義
ネオ・ユーラシア主義:海洋国家の影響力を減じ、併合と連携を通じてユーラシア大陸の覇権国家となる。
生存権とは、国家が軍事的・経済的に安全であるために必要な状況
ロシアが考える安全圏=多層的な影響力の確保
城のような、内堀・外堀・城下町のような多層的な構造
ロシア(本丸)→国家共同体(内堀)→旧ソ構成国(外堀)→その他(緩やかな緩衝地域と海洋国家)
生存権の危機
旧ソ構成国が、その側に着くと生存権が脅かされる。と判断しEU加盟に対して圧力を発した。
もし、EUに加盟した場合。人口・経済の基盤である首都モスクワに対してナイフを突きつけられてるような状態になる。
これは、かつてアメリカが体験したキューバ危機と類似している。
(ソ連がした事をロシアがされるとは…)
ロシアが見ていた未来
ロシアがウクライナに求めていたのは、フィンランド化であろう。
国家を維持しつつも中立的な干渉国として置くという考えである。
フィンランドの政策:NATOへは加入せず、冷戦においては武装中立政策(ウクライナ侵攻後に政策転換し、NATO側へ)
フィンランドの冬戦争はロシアの失敗という意見が一般的ではあるが。
影響下に置くということは成功したので、政治的には成功であった。
所謂、城下町のような機能を果たしていた。
開戦へ
1.中国による、極東ロシアへの移民による侵略
2.北極海航路による、将来的なハートランドの崩壊と軍事的懸念
3.旧構成国の欧米化に、加えウクライナ政権の反ロシア化による生存権の危機
4.ネオ・ユーラシア主義に従ったロシアの勢力拡大
5.極端なナショナリズムによる、愛国心
これらの地政学的事項により、ウクライナ侵攻を決定したのではないだろうか。と本動画では結論付けます。
私の主観
ウクライナ侵略による、双方の痛ましい犠牲者に哀悼の意を表明します。
勿論、双方に主張があるのは重々承知しておりますが。
しかしながら、これは力による現状変更に過ぎないので国際社会的にはロシア側に非があるとして、ロシアを断固として非難する立場を取ります。
この度の、争いは沖縄が突如として自治区を宣言し独立し。中華艦隊が接近し独立を認めるよう圧力をかけてきたようなモノであるためです。
おまけ。出口戦略無き、戦争
誠に残念ながら、どちらかが軍事的に屈服するまで戦争が終わる見込みがない。
ロシアは、やろうと思えばソ連自体は500~600万動員可能だった事を考えると、投入可能な人的資源はまだあるし。
(準軍事組織や青少年軍まで、使わないと600万行かなさそうだけどね)
また、OSCE(欧州系)などによる仲介もミンスク合意が破られたことで意味を成してないし。
あと、ロシアが初動の進行で失敗したのはミニマム版旅団であるBTGが原因であると思ってます。
士気なんていう不確定要素が主たる問題ではない、BTGでは部隊負荷が増加し人的補充などの観点において欠点が多い。
とか言う話です。興味ある人が居れば話しますわ。