見出し画像

年始に読み直したい本

2024年、明けましておめでとうございます。

2023年も沢山の本を読みました。映画『PERFECT DAYS』の平山さんの本の読み方がとても魅力的で、文庫本をポケットに忍ばせて少しずつ読み進める贅沢も読書にはあります。どの場面で読むのか、その時の人生の好不調によって、またその時の体調によってさえ、その本がどれだけ自分に刺さってくるのかは変わってくるものです。

年始のタイミングで読み直したい本を5冊選んでみました。2024年も本にはお世話になりそうです。ゆっくり読んで味わう系の本ではなく、年始らしくカンフル剤のように読みたい本たちを選びました。2024年も生を爆発させていきたい。

①DIE WITH ZERO (ビル・パーキンス)

お金の増やし方についての本は、世の中に沢山ある。この本はお金の減らし方についての本。人生のどのタイミングで、どのようにお金を使い減らしていくか。「健康」「時間」「金」のバランスを考えながら、いかにポジティブな経験に金を費やすかが、お金を減らしていく時に大事なポイント。

人生で一番大切なのは、思い出をつくること。

経験から得る価値は「記憶の配当」として、死ぬまで複利で価値を得られる。という考え方に、とても納得がいった。

26〜35歳が金の価値を最大化できる年齢らしい。健康で体力がある今こそ、お金を惜しみなく思い出に還元しようと思う。

②嫌われる勇気(岸見 一郎、古賀 史健)

人は誰しも、客観的な世界に住んでいるのではなく、自らが意味づけをほどこした主観的な世界に住んでいる。トラウマを否定するところから始まる、アドラー心理学についてまとめた本。名著。

承認欲求の否定課題の分離
全体論と共同体感覚

他者の期待など、満たす必要はない
「自分が自分のために自分の人生を生きていないのであれば、いったい誰が自分のために生きてくれるのだろうか」

それは誰の課題なのか?
自分の課題と他者の課題の分離
「その選択によってもたらされる結末を
最終的に引き受けるのは誰か?」

人間をこれ以上分割できない、
全体としてのわたしと捉える
自己への執着を他者への関心に切り替える

「自由とは、他者から嫌われることである」

この本を読み、感化された心で、日常生活の中でどれだけ実践に移せるかが一番大切。読み返してその都度思い出したい。

③自分の中に毒を持て(岡本 太郎)

「芸術は爆発だ!」でお馴染みの岡本太郎の本。読んでいるだけで火傷しそうなほどアツい。楽な道に逃げようとしている自分を奮い立たせたい時に、何度でも読み返したい本。my motivator。

自分らしくある必要はない。
むしろ"人間らしく"生きる道を考える。

あっちを見たりこっちを見たりして、
まわりに気をつかいながら
カッコよくイージーに生きようとすると、
人生を貫く芯がなくなる。

一度死んだ人間になれ
生きる。---それは本来、無目的で、非合理だ。
己を殺す決意と、情熱を持って危険に直面し、
生き抜かなければならない。

いかにして、自分が積み上げてきたものを減らし、身軽さを失わないか。自分の直観に正直になりながら、未熟さを痛感して、懸命に立ち向かっていけるか。カッコいい生き方のバイブル。難しいけど、こうありたい。

④愛するということ(エーリッヒ・フロム)

愛するということを、現代人は学ぶ必要があるのかもしれない。この本を通じて、愛することの難しさを知る。愛は誰もが簡単に浸れる感情ではなく、成熟なき人は到達し得ない境地であることを知る。巷に溢れている愛は、実は見せかけのものであることを知る。

幼稚な愛は「愛されているから愛する」
という原則にしたがう
成熟した愛は「愛するから愛される」
という原則にしたがう

恋愛は排他的であり、
利己主義が二倍になったものにすぎない
愛は本質的に、
意志にもとづいた行為であるべきだ
自分の全人生を相手の人生に賭けようという決断の行為であるべきだ

現代人は自分を商品化してしまった。
自分が生命力を使うことを投資とみなし、
投資によって最大限の利益をあげようと
必死になっている。
結婚しても「円滑に機能するチーム」の
役目を果たす労働者と変わらない
性的満足としての愛チームワークとしての愛
現代社会の特徴である病んだ愛の
「正常な」姿である

愛するためには、習練が必要であることを知る。「理想的な社会=多く生産し多く消費する社会」という現代の社会構造自体が、人間的な特徴や才能に対する関心を奪い、人間をロボットにすることに拍車をかけているのだろう。愛について考えることが、いかに生きるべきかという問いに繋がる。

まだまだ自分の中で、消化しきれていない本のひとつ。

⑤私とは何か(平野 啓一郎)

「本当の自分」というのは、本当にたった一人しか居ないのか。「本当の自分」という実体はないのではないか。「分人」という考え方を導入するだけで、生き易くなる人が沢山いると思う。そんな人に届いて欲しい本。

分人 = 複数の人格
そのすべてが「本当の自分」
あなたという人間はこれら分人の集合体である

私という存在は他者との相互作用の中にしかない
自分を愛するためには、他者の存在が不可欠
その人といるときの自分の分人が好き、
という状態が「愛」
誰かの死は、
その人との分人を生きられなくなること
が悲しい。

隠し事は絶対に許さない=相手の神になろうとしている
どう頑張っても知り得ない分人が、誰にだっている。

Aというコミュニティに居る時の自分も、Bというコミュニティに居る時の自分も、どちらも本当の自分。対人関係が変われば、当たり前のように自分も変化する。たった一度の人生で、出来ればいろんな自分を生きたい。そのために新しい人間関係や環境に飛び込み続けたい。

まとめ

実践あるのみ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?