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#2 世界一周ワクチン接種

COVID-19が下火になってきたとはいえ、世界一周をする上で感染症は避けては通れないリスクである。A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病、麻疹などなど挙げ出したらキリがない。ヘッダーの画像は、CDC(Centers for Disease Control and Prevention: 疾病対策予防センター)が発表しているマラリアの感染リスクマップ(2021年)。感染には気をつけたい、けれども、旅の道中で色々なことに気を遣いすぎるのもちょっと違うなぁ。

ということで、健康と安心のためにワクチン接種の予定を立てた。


国・地域を決めよう

まずは、自分が行く可能性のある国を書き出してみる。ヨーロッパや北米は衛生環境が比較的整っていると思うので、少なくとも中南米アフリカ東南アジアの旅程と期間をざっくりとでもいいから決めよう。中南米とアフリカは最低でもそれぞれ2ヶ月は滞在するだろうと予定を組んだ。

クリニックを決めよう

トラベルワクチンを打てるクリニックは日本国内でも限られている。同じクリニックに何回か通うことになるので、行きやすいところで探すのが良いが、クリニックによってワクチンの値段が結構違うので、距離&値段で吟味しよう。

値段だけでいえば、タイのスネークファーム(Queen Saovabha Memorial Institute)が圧倒的に安いのだが、東回りルートを検討しているので、日本国内でワクチンを済ませてから発つことにした。

いまの勤務先にワクチン外来があるので、そこで調整してもらうことに。気軽に相談できるので安心。ありがたい。

基礎免疫を確かめよう

母子手帳をみて、今までのワクチン接種歴を確認し、基礎免疫がついているかどうかを確認しよう。具体的には、MRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)、ムンプス(流行性耳下腺炎)、3種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)、ポリオ、日本脳炎の接種歴が大切だ。健康診断で、HBs抗体やHCV抗体、麻疹・風疹・水痘・ムンプスのIgG検査を施行したことがあれば、その結果もあるとより良い。その他のワクチン接種歴も確認しよう。(2019年の南米周遊時に黄熱病ワクチン接種済み)

接種ワクチンと日程を決めよう

HBs抗体価も低めだったので、渡航前に打つことになったワクチンは以下の8種類になった。接種スケジュールも渡航に向けて調整。6日に日程を分けたが、クリニックに通うのが面倒であれば、一度に打つワクチンの本数を増やすしかない。

・HAV(エイムゲン)
・HBV(ペプタバックス)
・腸チフス(Typhim Vi)
・破傷風
・狂犬病(ラビピュール)
・髄膜炎菌(メンクアッドフィ)
・日本脳炎(ジェービックV)
・ポリオ(イモバックスポリオ)

4/3 エイムゲン① ヘプタバックス① イモバックスポリオ①
4/19 ラビピュール①、破傷風
4/26 ラビピュール②、メンクアッドフィ
5/1 エイムゲン②、ヘプタバックス②、イモバックスポリオ②
5/17 ラビピュール③、TyphimVi
9/20 エイムゲン③、ヘプタバックス③、ジェーピックV

予防薬をもらう

ワクチンの日程を決めたら、あとは予防薬の相談をしよう。特にマラリア流行地域に長期滞在予定の場合は、マラリア予防の内服をおすすめする。マラリアの予防薬は大きく分けて3種類、マラロンメファキンビブラマイシンがある。マラロンは滞在中に1日1回で副作用少ない、メファキンは週1回の内服で楽だが副作用強い&禁忌あり&メファキン耐性マラリアがいる、ビブラマイシンは抗菌薬でマラリアに対する予防処方は国内では禁となっている。それぞれ特徴があるが、今回はマラロンを持っていくことに決めた。あとは、旅行者下痢症の薬として、アジスロマイシンがあると心強い。

まとめ

DEET 30%以上の虫除けを使うなど、日常で出来る対策はやりつつも、これだけワクチンを打ったうえでどんな病気にかかってしまうのだろうか。人体実験感覚で楽しみでもある。ギリシャは耐性菌が多いらしい、要注意。

意外に時間がかかるので、ワクチン接種は余裕をもって予定を立てよう。



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