マルティン・タキンボの映画批評『デューン/砂の惑星』星は、★★★

マルティン・タキンボの映画批評『デューン/砂の惑星』星は、★★★

アメリカ、イギリス、カナダ、ハンガリー上映時間:155分DUNE/デューン 砂の惑星上映館 314監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ脚本エリック・ロスドゥニ・ヴィルヌーヴジョン・スペイツ出演者ティモシー・シャラメレベッカ・ファーガソンオスカー・アイザックジョシュ・ブローリンゼンデイヤジェイソン・モモア『スター・ウォーズ』シリーズなど数多くのSF作品に影響を与えたというフランク・ハーバートの小説を、『ブレードランナー 2049』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化。宇宙を支配する力を持つ秘薬の生産地で、デューンと呼ばれる惑星を舞台に繰り広げられる覇権争いを描く。主人公を『君の名前で僕を呼んで』などのティモシー・シャラメが演じ、『ライフ』などのレベッカ・ファーガソン、『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』などのオスカー・アイザックのほか、ジョシュ・ブローリン、ハビエル・バルデムらが共演する。あらすじ人類が地球以外の惑星に移り住み宇宙帝国を築いた未来。皇帝の命により、抗老化作用のある秘薬「メランジ」が生産される砂の惑星デューンを統治することになったレト・アトレイデス公爵(オスカー・アイザック)は、妻ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)、息子ポール(ティモシー・シャラメ)と共にデューンに乗り込む。しかし、メランジの採掘権を持つ宿敵ハルコンネン家と皇帝がたくらむ陰謀により、アトレイデス公爵は殺害されてしまう。逃げ延びたポールは原住民フレメンの中に身を隠し、やがて帝国に対して革命を決意する。久々に観る、超SF大作で、過去のデビットリンチの失敗作と言われる『デューン砂の惑星』を、どう乗り越えているのか、ドキドキしながら観るため、IMAX 2D フルで池袋グランドシネマサンシャインで、鑑賞した‼️画面が普通の横長ではなく、上下も広がるので壁一面大画面となり、吸い込まれる寸法である。 導入から、耳をつんざく素晴らしい音量と共に、砂の惑星の大画面に圧倒された。コスチュームがすごい。砂嵐の中でも呼吸できる特殊なスーツで、中世の騎士のような出で立ちで歴史大河をみているようでいながら、しかし、巨大な宇宙船が出てくるので、まさに、未来であり、とある架空の惑星なのだろう。パート1とあるから、続編もこれからということか。 甘いマスクの若王子の主人公ポールが、サーベルを持って敵と戦う訓練をするのだが、ついついSTAR WARSのアナキンスカイウォーカーを思い出すがこちらは、かなりドシリアスなキャラクターと演出である。見たことのないような、体内防御シールド装置が出てきたり、昆虫サイズの毒針を持ったヘリコプター虫を、達人の主人公が、蝿をとるかの如く素早く潰したりと、見るもの出るもの、見たことのない小道具に目を奪われている中、突如、トンボのような、二枚羽をパタパタと、高速に動かして飛び交うトンボ型飛行ジェット機に乗ったりして、宮崎駿の『天空のラピュタ』を超リアルな実写にしたような見事な特撮に、度肝を抜かされた。そうしているや今度は、巨大な砂虫という、モンスターワームが蟻地獄のように人や機械を飲み込む❗悪夢を実写化したような描写が続き、巨大なミサイル砲や戦闘シーンに大量の活劇シーンは、IMAXフル活動の豪快さで、圧倒された。なるほど、STAR WARSの部分的な類似シーンに膝をうつところがあるがSTAR WARSがデューンの原作から影響をうけたわけだから、さもありなむ。 ところで、肝心なSTORYなのだが、よくわからないことが、細かくあって、少し置いてきぼりを食らう。また、悪夢のような映像が長いせいか、後半だんだん気持ちが暗くなってくる。映画『ブレードランナー』も暗い未来世紀の話だったが、この映画は暗いどころか、架空の砂の惑星の話だから、暗く温暖化している地球に住むものにとって、あー、地球の慣れの果てがデューンみたいになって、猿の惑星のように、自由の女神が横倒しになって出てこないだろうなあと戦慄も走った。 老化しない原料である“香料”を採掘して儲けを出そうとする側と、砂の惑星を、人が普通に住めるようによくしようとする若王子の話なのだが、とっぴなことが前半ありすぎて、肝心な本人の余地能力というか瞬間的に未来に移動する超能力がうまく、ストーリーを運んでくれず、ラストに一瞬、巨大な砂虫に乗って手綱をひく若王子の姿が出てきても、それが、続編の明るい希望の星となる予感には想像が進まず、パート2を見ないと何もわからんよと言われても~という未消化の感じで、ふうーと、2時間半を見終わった。隣に座る若者だらけの観客をみても面白かったと喜んでいたから、アベンジャーズやスパイダーマンに飽きた層には新鮮に映ったのではないだろうか?とにもかくにも、この悪夢妄想のSF物語をここまでの実写にしてくれる制作者の意欲に敬意を評したい。2001年宇宙の旅が、後世に残るSF映画だとしたら、このデューンもまた、環境破壊の慣れの果てを統治する、新しい英雄の誕生物語として、映画史に残る恐れもあるかもしれない。デジタルサウンド時代にレコードが、今リバイバルしている時代だからこそ、ブレードランナーの後に続くこの怪作にはアカデミー賞視覚効果賞くらい獲ってもらいたいものである。池袋グランドシネマサンシャイン他上映中

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