見出し画像

さようなら。ボロボロの原付

放置してた原付、さっきお見送りしました。

この子は、川崎元住吉から狛江までアートを教えに行ってた時、
通りで見かけて手に入れました。HONDA Dio、中古で40000円。
その時は手持ちがなかったので翌週お金を準備して買った。

その時は抑うつ真っ只中。

床に穴の空いた文化住宅に住み、
お金が入ってくる宛ても少なく、
先も見えず。
ただ目の前にあるほんの少しの出来ることだけをやってた日々。

ひどい契約で元住吉の家から出なくてはならなくなって
田園都市線長津田へ一緒に引っ越した。
この地に来てから偶然六本木ヒルズでの職を得た。
片道1時間20分の通勤。
原付は、坂道の多い地域で買い物の時の素晴らしい友達だったけど、
毎日の暮らしの中で一緒だった思い出はあまりない。

急成長ベンチャーのヒルズの職場は5年目で社会的問題を起こし
解散となった。

今度は東京日野の高幡不動へ越した。
職場は就労支援B型事業所で原付で20分の距離。
毎日の通勤でお世話になった。

毎日、原付に乗りながらいろんな車種のお尻を眺めて
乗用車に乗るならこの子がいいかな?あの子がいいかな?なんて思っていた。

そのうちひょんなことからマーチボレロが来ることになった。
私は原付を廃車した。
ちょっとだけ廃車引取りとか探したけど、10000から5000円かかると言われ躊躇して、そのまま存在を忘れてしまってた。

そして先月、車生活も7年過ぎて、いろいろあってさよならした。

車を見送ったその足で、電動自転車を買った。

長らく訪れなかった駐輪場に行ってみたら
埃だらけの原付がいた。7年前からそこにいるのだ。

この子をちゃんと見送らないといけない。

そう思い立って、引取り業者をネットで調べたら
なんと無料で引き取るところがあるではないか。

その、ほんの何分かの手間を何故これまでかけられなかったのだろう。

今まで思い出してあげなくてごめんなさい。
元住吉の、抑うつの時代、とてもお世話になりました。
私はその時のことを思い返したくなかったのかもしれないね。

そして先ほど。引取り業者のお兄さんに尋ねた。
「こんな傷んだ車両はどうなるんですか?」
「このくらいの車両だと、輸出ですね」

「エンジンを利用するんですか?」

「いや、そのまま何台か一緒に送っちゃいます」

なんと!こんなボロボロの原付でも役に立つ!

そうかあ。
相手を決めつけてはいけない、コミュニケーションの極意と一緒。
思い込みで可能性を潰してはいけないね。

明日は新月。
図らずもモノを送り出すのにふさわしいタイミングだったんですね。

さようなら。また誰かの役にたつんだね!








東京日野市で、「誰でも」「無料で」「アートを介して」「自分らしく自由にいられる」月一回の居場所活動をしています。ご興味ある方はFacebook、keyluck_doまでメッセージを。良かったらサポート頂けると嬉しいです。