夢日記 No.4

2023.10.03 朝

 大学の友人に父の車を貸した。待ち合わせに指定したどこかのショッピングモールの駐車場へ別の友人と共に行くと、友人が既に車を停めて待っていた。禁煙車だと言い忘れたと思いながらドアを開けると、やはりタバコ臭く、友人が慌てて煙草やゴミをかき集めていた。
 この場所に父がもうすぐくるので、私はそのゴミを捨てるためショッピングモールの中へ。
しかしなかなかゴミ箱がない。
祖父がいたのでゴミ箱を見なかったか聞くと、祖父は女子トイレを指しながら「包んで捨てたら良い」と言った。
私は頷いて女子トイレの中へ。
サニタリーボックスに入れるつもりでいたが、女子トイレに入ってすぐの壁にドアポストがあり、ゴミ箱っぽかったのでそこへ入れた。
ついでに用をたそうとドアを開けると和式だ。便座の横にはシャワーが置いてある。和式は嫌なので片っ端からドアを開けていると洋式が見つかった。やはり便座の横にはシャワーヘッドがある。これで尻を洗えというはなしなのだろう。
 後で友人に話そうと思いながら個室に入り着替えた(用を足した記憶はない)。トイレから出ると父がいる。時計を見ると友人と待ち合わせをした時刻から48分経っている。2人を車内で待たせたままなので急ぎ父と一緒に駐車場に向かう。
 もう少しで駐車場に出れるというところで長い黒髪を蓄え韓服を着た美しい韓国人の女性が私たちの前にたちはだかった。私に向かいナイフで切りつけてきたが、遅い、いや、私が速すぎる。たまたま持っていた木の棒で何度か彼女の斬撃を受け止めた後、ナイフの棟側から叩き落とした。急いでいるので早く退いてほしいが、どこからか次の武器(刃物)を出してくる。しかし私の方が早い。また同じ流れで叩き落とす。そんなようなことを5回くらい繰り返したがお互いに息切れする様子もない。
 彼女はガラスの美しい剣を2本取り出し、やや小ぶりな方を投げてよこした。これで最後だというのがわかり、真剣に戦わなければいけないと思った。
しかし次の瞬間、彼女はロープで自分の首を絞めていた。何が起こったのかわからない。私は知らぬ間に彼女と最後の剣を交わしたのだろうか?
私にわかるのは、誇り高き彼女の自害を止めてはいけないということだけだった。
 すると、彼女の記憶が走馬灯のように私の頭の中にまで流れ込んできた。
幼き日の彼女は浜辺で1人で魚を取って暮らしていたようだ。10歳ほどの彼女がそこにいた。泥が体の大部分を覆っていたが、それでもその美貌は隠せなかった。この世の何より美しい。
 ある日、帝から目をつけられたのだろう(この世界の帝は神様のような存在で天高くから全てを観ている)、波打ち際の彼女の前に10人ほどの男が一列に並んだ。彼女は気にする様子もなく、砂で遊んでいる。天の声が響いた。「夫をこの中から1人金で買うように。我を選ぶこともできる」
並んでいる人はそれぞれ別の金額がつけられてつけられているようだった。彼女は砂を見たまま「銀貨5枚」と言った。
前から2番目に並んでいる白い髭と髪を蓄えた屈強な体格の初老の男性漁師が崩れ落ちるように彼女の元へ近寄り言った。「私なんぞ辞めなさい、帝を選ぶんじゃ。幸せになりなさい。」そう言って彼女の手に金貨を握らせた。彼女が虚な目で頷くと、彼女の元におくるみに包まれた輝く赤子が現れ、それをそっと抱きしめた彼女も光に包まれた。
途端に矢が降り注ぐ。彼女と赤子の元に矢は届かず、10人ほどの男性たちは一列に並び、矢を受けながら海の中へ進んでいく。うめき声ひとつあげず、清々しい顔で何本もの矢に貫かれて尚倒れず、海の中へ進んでいく。これが名誉の死であることを暗示させた。
 そんな映画のワンシーンを家族とテレビの前で見ていた私は、なんだか気味が悪いねと呟いた。

ここで目が覚めた。

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