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love shit

汚い物を多く見てきた。
自身がそれに染まっている部分も沢山あると思う。
しかし、時として自分に纏わりついたその"穢れ"は知識や経験として武器や防具にもなった。

何より驚いたのはそうなってから、より美しさを俯瞰出来るようになった気がする事。
思い返すだけで顔を歪ませてしまうような恥の連鎖の中で、それでも生きていく素晴らしさ。
死に損ないの肉を引き摺り歩く道の途中で、まだ新たな出会いや発見がある嬉しさ。

影を知らない人は本当の光を描けない様に、汚れ、ほつれ、破け、ボロボロになったその魂は、見せかけでは無い優しさや、温かさを見つける事ができる。

ついた手垢はいつしか色とりどりの模様になり、私やあなたをオリジナルにする。

離れたあなたの希死念慮を止めるほどのエゴは無いけれど、「意外と悪くない」と歌う自分の着陸地点を、あなたの中に望んだってばちはあたらないはず。

恨みや怒りも大事だけれど、四季同様、あまり留まり過ぎず喜怒哀楽と循環していきたい。

ため息が吐き出す二酸化炭素、炭酸抜けたサイダーが甘ったるくて飲めない様に、ネガティブは時として刺激的で清涼感を伴い人生のアクセントにもなる。
うまく付き合って行こう。

どうせ望まなくてもいつか死んでしまうのに、自分で死を選ぶことだって出来る贅沢さを噛み締めて世界を憎もう。
共感出来ない自己完結の幸せに後ろめたさを感じるのをやめ、独自の感性を楽しもう。
誰かに分かってもらおうとしなくても、いつか心から分かりたいと思う人が現れる。
その時差し伸ばされた手を掴み逃さない様に、せめて目や耳は開いていよう。
そのかわり、一番深くの柔らかいところは誰にも触らせない様にしていよう。
甘い同調は吐いて捨て、少数派を恥じず、多数派を「可愛いね」と歪んだ母性で抱きしめよう。

思い通りにならない世界同様、世界からみたあなたも思い通りになってやらなくて良い。

傷口を舐め合うのでなく、舌を入れてやるぐらいに。

安易なエモで消費された夕陽に本気で泣いた事がある私やあなたの感性に愛を込めて。

photo by HayashiMaco

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