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意味ある無意味

人知れず桜が咲く。
散り際の命の美しさを、これ見よがしな程に淡いピンクの愛らしさを、今年は見られることなく無く散っていく。

ついに4月のカレンダーが殆ど真っ白になった。
ふと思い立って振り返ってみるも、ここまで余裕たっぷりなスケジュール表は、約一ヶ月ニートを謳歌した15年ほど前以来では無いだろうか。

当然のことながら、自身を含めた音楽仲間たちは現状のoppression(抑圧)によって、創作意欲が爆発寸前にまで高まっている。
表現のあり方や、上辺を取り払った人間関係を見つめ直す良い期間にもなっている。

SNSやメディアから流れる、人間特有のニオイに少し疲れて、ボーっとしてみたり、映画を観たり、酒の肴を作ってみたりする。
買い物に出かける道すがら、どこかで聞きかじった「ニオイや味覚を感じなくなったらヤバい」という言葉を思い出し、
ほんの少しマスクをずらして、まるで悪い事でもしているかのように、スンスンと夜道の匂いを嗅ぐ。
人が少ないせいか、いつもより濃く、ハッキリと季節のグラデーションが香る。

もう少し暖かくなったら、人のいなさそうな山にでも登ってみようかな。

そういのは問題無いんかな。

帰ったら調べてみようかな。

こういった"副産物"ともいえる今までになかった暮らしの中で、努めて穏やかに、それでいて力強く夜明けを待とうと思う。


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