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誇り

私は基本何もしたくない。

ボーッとしてたい。
休みの日はおやつの時間までベットにいる
ことも多い。

「やらなければならない」状況になって
やっと腰が上がる。
腰が上がったとしても、絶対無駄なことはやりたくないのである。
日常生活でも、工夫とか得よりも「とにかく最低限&短時間で工程でその物事が終わればOK」というレベルが低い省エネなのだ。

その私が…!

今月飛行機に8回乗り、2日間まるまる休める日がない。人生で一番、働いている。

今年度、初めて数百万〜1000万単位のシステム案件を進行し、現場工事を体験した。複数の案件が終わり、一区切りだが、年度終わるまで「これから」のお客さまもいらっしゃる。

私は営業として、1年〜半年前から、見積りや調整は勿論のこと、事前のスケジュール確認、各所との調整、物品の手配・発送を行った。現場では最後の物品確認と検収OKかを確認する役目だ。

設計、機材を製作したり、動作できる状態に持っていくのは、技術や工事担当の人の役目だ。

思い返せば、遠い昔に感じるくらい色々あった。

【その1】
工事まで1ヶ月切ってるのに製作部署からの製品が上がってこなかった。
半年前から注文を出し、昨年内には納品と言われてたのに一向に様子が変わらなかった。聞いてみたら、想像以上に進んでいなかった。血の気が引いた。

どの案件に、どの機種が、何台必要か、いつ出荷するのか、技術の人が叩き台を作ってくれたExcelをこまめに更新。うざくない程度に、定期的に様子を聞き、催促しまくった。
直属の上司にも根回し→製作部署の偉い人にも状況を報告していただいた。

製作部署も、元々、仕事に対して人数が少なすぎるし、私自身や私の部署の人も、何も手伝えることがなく心苦しかった。
しかし既に、工事日程をお客様と約束してるのである。
結果、残業に残業を重ね、土日返上で作業を行なっていただき、なんとか出荷日前日に間に合わせた。

【その2】
雪のせいで機材が遅延した。
工事開始日前日の着荷だったが遅れた。

開始日初日はケーブルの引き込みだったで必要なかったが、2日目からは実装に入るので機材がないと話にならないのだ。

関東に残っている人たちに、営業所まで車を出してもらい、出荷した荷物を引き取っていただき、航空便に載せるというパワープレイをお願いするか?という事態にもなったが、検討した頃には、もう既に関東の営業所に荷物がなかった。
現地にて待つしかなかった…。

初日終了後は、胃が痛く、夜ご飯を全く食べれず、ひたすら眠り続けた。

これもミラクルが起こり、2日目の朝に届き、何事もなかったかのように工事が進んだ。

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他にもあるが…要するに目まぐるしい日々だった。

しかし、嬉しかったこともある。
工事部署の方々と、現場をご一緒できたことだ。

一言でいうと、カッコよかった。

現場での対応は、足りない部材を地元ホームセンターまで買いに行ったり、代機をオフィスから発送してもらうよう急遽依頼したり、
日数が限られている中で作業を完了させなければならないので「熟考」している暇はなく、フットワークの軽さがかなり必要だった。

自分が全く出来ない作業をされていて「すごいな」という尊敬もあるのだが、困難な状況でも「じゃあ、こうしてみよう」という次の一手を打つスピード感、「困ったなぁー」と言いつつ、やれることを淡々と試していく姿が、百戦錬磨だった。素敵。

しかも部署内で管理者の立場なので、今の現場だけではなく、他現場、部下達の補佐、外注とのやり取りなども行いつつ、期末に近づくので評価や会議、面談の実施、来期の予算計画など、直接的な業務以外の予定も入ってきているらしい。

私の部署の上司もそんなスケジュールをこなし、この分野のスペシャリストなのだが、工事部署のおじさま達を好きになったのは、何気ない包容力だ。

私に話を合わせてくださって「うちの下の子もピアノしてるんだよ」とか「ピアノでいつかこの曲、弾いてみたいんだよね」とか音楽の話、振ってくださったり…。

職場なので「〇〇さん」として見ているけど
雑談の中で「うちの子供、家出てくる時、花粉症っぽかったなぁ…。」とか心配していたり、誰かの父親であり、旦那なんだなと思った。

壇蜜が「既婚者男性を素敵だと思ったら、その方の奥様が素晴らしい方なので、そちらと懇ろになった方がいい。」といつか言ってたことを思い出すレベルだった。

家に帰ったら待ってくれている家族がいる。
部下を持った働き盛り年代のおじさま。
勿論、経験や責任、給料や立場を考慮しても
何でそんなに働けるのか。

ビビったのが、①日中現場②深夜現場③そのまま次の日朝から現場 の日があったそうだ。
「若い人にやらせると労基に引っかかるから」といって、管理者の人たちが、そんなに働いてしまうのも良くない…。だが、とにかく長年、うちの会社で働いてきた人は「猛者」という言葉がピッタリなのだ。

現場に行ってみてうっすら感じたが、自分の手を動かして設計したり、準備したり…。
そして現場で工事を行い、作り上げたシステムが動作し、稼働する。
この感覚が病みつきなのだろう。

また、私たちの会社は業界の大手だ。
みんなが知ってるクライアントを手がけることも多い。

適切な言葉が分からないが「誇り」が原動力なのだろう。

とんでもない会社、もはや猛者たちの集まりに入ってしまったなぁーと思いつつ、カッコいいと思ってしまった私は、化けるべく、誰かに弟子入りして修行する道も浮上してきた。
それか、別の道を探すか。
どうして行こうか?どうして行きたい?

今はとにかく必死で、余裕がなく、わからない。

だが、少なくとも、人生の中で、良くも悪くも、こんな場所で、こんな機会をもらうことは、
そんなに多いことじゃないだろう。

気を引き締めて、年度末まで、駆け抜けたい。


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