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もしたとえ
宇多田ヒカルを聴く。
元々は母が好きだから、私も聴くようになった。
ちょうど宇多田ヒカルが、活動休止に入る前の「Goodbye Happiness 」を出した頃から。
私はまだ小6くらいだったかな。
それから時が経ち、大学生くらいになったタイミングで「Fantom」「初恋」などアルバムが出されて、新作が聴けるようになった。
彼女の何がすごいかを語っている媒体は沢山ある。
•歌唱力
•ミュージシャンのニュアンスの細部まで拘った楽曲作り
私が本当にすごいと思うのは
彼女の想いや歌詞に込めた意味•意図を、そのまま歪曲•過剰な装飾をせず伝えているだろうと思われるのに、「これ?私のこと?何でこんなに分かるんだろう?」と自分事として感じられる歌詞なのである。
今日、私は「BADモード」の歌詞にゾッとした。何回も聞いている割に、日本語の部分だけ聞いていた。
「調子悪いけど、落ち着きつつ行こうよ。いつも頑張ってるの知ってる。」といった意味に捉えていた。実際伝えたいメッセージは、勿論上記の内容も含まれているだろう。
しかし、英語の部分を調べてみると、ゾッとした。そして涙が出てきた。
私のせいではないけど、間接的に私のせいかもしれない。「そうではない」と否定してくれたので、すがって、そーゆーことにしている。
そして、距離を一定以上とり続けている。
自分のことで必死なのもあるけど、私まで倒れられないよ。
ひどいな。
このBADモードとは反対だな。
この歌詞をテンポよく明るい曲調に乗せるセンスもすごいと思ったけど、「辛い」と言い切れずに、なんとか明るく乗り切ろうとする切なさを感じてしまった。
そしてとても優しいし、これこそが愛を注ぐということなのかな…と思った。
人の心の奥にある気持ちと、その周りを囲う配慮やもどかしさ、葛藤が共存している歌詞だと思う。この曲に限らず、宇多田ヒカルの歌詞全体に言えるか。
「最後にはHappyモードで終わってもらわないと困る。」と書こうとしたけど、何が1番幸せかと考えたら、もしたとえBADモードのまま終わったとしても、それを受け入れられる自分自身の心なのかなと思った。プラスαで寄り添ってくれる人がいれば、充分なのかもしれない。
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