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とにかくうまいのよ/エゴン・シーレ展

1.エゴン・シーレ展@東京都美術館

閉幕ギリギリ、滑り込みセーフで行ってきましたシーレ展。

レオポルド美術館を中心にエゴン・シーレの作品が50点ほど集合。
黄金のクリムトに比べるとシーレはどうしても暗いキャラのイメージがあるからでしょうか、ここまでたくさんエゴン・シーレの作品が集まった展示会は日本では珍しいと思います。

2.早熟の天才

さてシーレの感想です。

うまいです。もう天才ですわ。
ウィーンの名門、美術アカデミーに最年少の特別扱いで合格しちゃってます。
当然、デッサンはしっかり学んでいるんでしょうけれど、持って生まれたセンスが卓越していると思います。特に線画のうまさ。鉛筆だけ、チョークだけで完成しちゃってるんですね。裸体もデフォルメされているようでいて骨格が正しく描かれています。だから見ていて安心感がある。

そして、注目の「ほおずきのある自画像」
こちらの作品も構図がすごいです。シーレの目→ほおずきの葉→枝を通って下へ→左下のほおずきの実→黒い服→シーレの右肩→左肩→シーレの目…と左回りに無限ループで見入ってしまう。一見不規則にみえる黒い服の塗り方も、視線を誘導しているようで、どれも絵の中から目を離させない工夫がなされています。

エゴン・シーレ「僕には才能がありますか?」
クリムト「ありすぎだよ!」
という会話があったそうです。
あのクリムトお墨付きの実力。そして、あのクリムトに才能がありますかと聞ける度胸があるところがなんともはや…(;^_^A
自分には才能がないんだろうかと悩んだりした日はなかったのでしょうか…

また、「母と子」や「啓示」などに見られる暗い色調で不安な表情の絵もシーレの特徴です。
でも、私には、叫びというか心の闇のような、根深い暗さは感じられませんでした。だから、陰鬱な感じの絵でもずっと見ていられる、見たくなる。その辺のバランス感覚もすごいなと思います。(褒めています)

本展覧会ではエゴン・シーレ以外にクリムト、ココシュカ、ゲルストルなど同世代の画家の作品も一緒に見ることができたのですが、クリムト以外の画家達のコーナーは人が少なく、やはりシーレ人気は歴然としていました。
個人的にはゲルストルの「半裸の自画像」も気になるなと思ったのですが、エゴン・シーレの圧倒的な実力とタレント性の勝利と言う感じです。
並べると、どうしても視線がシーレの絵に誘導されてしまうんです。
ここまで才能がはじけちゃうと、当時の周囲の画家たちも納得せざるを得ない状況になっちゃったんじゃないでしょうか。(芸人でいうと、ダウンタウンみたいな感じ?)

シーレは、自分の才能を知っていてなおかつ、自分を演出したり注目させるテクニックを身に付けている人なんじゃないかと思いました。いまでいうプロデュース力というのでしょうか。

以前ウィーンで書店に入ったとき、シーレの画集が何種類も平積みで並んでいたのに驚いたことを思い出しました。個人的にウィーンの画家=クリムトだと思っていたので、ここまでシーレ推しなのはちょっと意外だったのです。今思えば、世紀末ウィーンの退廃的な雰囲気には、エゴン・シーレが合うのかもしれないですね。

3.きょうのおみやげ

東京都美術館さんのグッズは、勝手にアワード2022の記事でも書いたように私のツボにはまるものが多いので、今回もワクワクしながらミュージアムショップへ… はい、期待通りの品揃えです!

●絵はがき

右端の小さな四角がシールです

豊作です。かなりの種類が用意されていました。サイズは3種類展開。
悩みに悩んで、6枚も買ってしまいました。
※絵はがき5枚以上購入すると「シーレのシール」がもらえます!

●ダイカットクッション

絵はがきと並べてみました

モルダウ河畔のクルマウ(小さな街Ⅳ)」に描かれているなかの1軒の家です。中綿がしっかり入ってもっちりした手触り。裏面はフリースのような生地です。寄りかかるというより、抱きしめたい感じの大きさです。

●ドリップコーヒー(5個入り)

パッケージがカッコイイ

展覧会オリジナルブレンド、その名も「シーレブレンド」(ケニア・コロンビア・エチオピアの豆を使用)。猿田彦珈琲がシーレのイメージに合わせてブレンドしたものだそうです。
パッケージには、シーレの代表作が。もったいなくて封が切れない(>_<)

他には、ほおずき部分だけが印刷されたマグカップとプレートがとてもセンス良かったででし、定番のクリアファイルをはじめとしてトートバッグ、Tシャツ、靴下、スカートなどなど、おしゃれなグッズがたくさんありました!
シーレの絵ってグッズと相性がいいですね。構図がいいからかな?←また言っている。

公式グッズサイトはこちら↓

4.おまけ〜常設ショップにて

流行りのボックスシルエットです

帰りがけに東京都美術館の常設ミュージアムショップにも寄ったところ、エゴン・シーレの「左足を高く上げて座る女」がデザインされた Tシャツを発見! 今回は展示されていない絵でしたが気に入ったので購入。

都美のおみやげにも!

そして私の尊敬する建築家、前川國男先生が東京都美術館のためにデザインした椅子が刺繍された今治タオルハンカチを見つけてしまいまして、こちらもお買い上げ。あーかわいい。
椅子の色と同じ「赤・白・緑・青」の4色あります。都美のお土産にもいいんじゃないでしょうか。

5.展覧会情報

●展覧会公式サイト 開催期間:2023年1月26日(木)~4月9日(日)
※巡回はありません。残念!

●東京都美術館


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