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古くから愛される銀の価値や魅力、抗菌作用

※こちらも過去お仕事ブログに更に追記した長文です。

現代は変色しない銀メッキ製品が安くて主流です。私が独立当初から価値ある金属と言っている理由、銀のアクセサリーを持つ事をお勧めする理由。
安くて買いやすい真鍮や樹脂、アクリル製のアクセサリー達と同じ部類として見て高いという方がいらっしゃいますが、その価値は下げられているとしか思えません。シルバーアクセサリーはそれらとはなぜ違うのかを改めてここにギュッとまとめました。

銀特有の「変色」によって、お手入れが大変というマイナスのイメージが浸透して、より銀メッキのアクセサリーが増えてい行ったように思います。

但しこの銀メッキによって確実に金属アレルギーが確実に増えました。これはメッキ成分に含まれるニッケルやクロム等が原因でアレルギーを引き起こすからだと私個人は思っています。何故なら私も銀のメッキアレルギーです。

しかもこのニッケルやクロムは発がん物質でもあり、環境にも有害とされています。下記を読んで頂ければわかりますが、そもそも銀自体ははアレルギーになりにくい金属。だからこそ古くから愛されてきた金属であり、これはもはや陰謀⁉と思うくらいです。


これを知ると変色する理由も含めて銀の素晴らしさに驚くと思います。

●変色によって毒から身を守ってきた貴族達

古くは1870年から1920年にヨーロッパを中心に栄華を誇った銀食器業界。銀は多くの異なる名前で呼ばれてきましたが、現在最も使用される 「スターリングシルバー(SV925)」。「スターリング」の語源は12世紀にまでさかのぼります。牛を購入する際の支払いとして、ドイツ東部の人々はイギリス人に「Easterlings(イースターリング)」と呼ばれる銀貨で支払いを行いました。その結果、「Easterlings(イースターリング)」は英国通貨の基準として広く受け入れられました。この名前が時を経て略されていったものが現代の「Sterlings(スターリング)」となったといわれています。


スターリングシルバーとよばれる純度92.5%の銀は、その燦然たる輝きとさまざまな用途への汎用性とで、何世紀にもわたって人々の生活に利益をもたらしてくれました。純銀は非常に柔軟で加工のしやすい金属の1つです。実際に、融点は961.8℃と金のそれよりも低く、ハンマーなどでたたくことで様々な形に容易に変形します。その為、現代でもジュエリーや銀食器、またその価値の高さから銀のインゴッド(銀塊)として、使用されています。

ジュエリーなどを購入する際に、よく指標のひとつとして用いられる「スターリングシルバー」という名称は、そのものに92.5%の純銀が含まれていることを示しています。残りの7.5%は、他の金属合金、最も多くの場合銅で構成されています。92.5%よりも、100%の銀含有量が望ましいと思われるかもしれませんが、実際にはそうではありません。92.5%を超える銀を含む金属合金はでこぼこや傷に弱く、なにより柔軟性が高すぎるために変形してしまう恐れがあるのです。

ジュエリーや銀食器として銀を使用するためには、銅などの第2の金属と混ぜ合わせることによって安定性と弾力性を確保する必要があるのです。

●銀は本来殺菌、抗菌、アレルギーになりにくい金属

ご来店されるお客様でもよく間違えていらっしゃるのが、銀はアレルギーになりやすいという知識。銀は金よりもアレルギーになりにくい金属とされています。銀イオンなどと言われるように、銀自体は抗菌作用に優れています。過去の歴史からも銀は何千年もの間、世界中の文明によって抗菌剤として使われてきました。その医学的、保存的および回復力は、古代ギリシャとローマ帝国まで遡ります。

銀は現代の医薬品が開発されるよりもはるか前に、殺菌剤と抗生物質としても使用されていたのです。たとえば、ギリシャ人は、水や他の液体を新鮮に保つために銀製の器を使いましたし、ローマ帝国では腐敗を防ぐために銀の壷にワインを保管していました。

口に入れても安全な金属だからこそ中世ヨーロッパでは金よりも高価な金属とし扱われてきました。更に薬物等に反応して変色する為、当時のヨーロッパの貴族は銀食器によって毒殺から身を守っていました。中国でも銀は毒によって変色することを事が知られていたため、中国の皇帝も銀の箸で食事をしていました。

銀には、肌に直接に触れるアクセサリー素材として、他の金属にはない利点、つまり食器や医療器具、浄水器、公衆浴場の殺菌剤などに活用されていることからも分かるように、銀はバクテリアの繁殖を抑える殺菌力を持った不思議な金属なのです。単に変色を嫌がる人もいますが、愛芽はこの変色はとても素晴らしいものだと思っています。変色する事で独特のアンティークな風合いが出るのはこのシルバーだけですし、下記にも書いていますが、変色によって体の健康管理にも役立つからです。

また古代エジプトの書物にも銀がさまざまな面で使用されていたことが記載されており、中世では、銀製品は疫病から富裕層を守ったことが書いてあり、実は現代の殺菌剤や抗生物質の出現前に、病原菌が銀の存在下で生存できないことが知られていました。その結果、食器類、飲料容器、食器類に銀が使用されていったのです。

西洋でももちろん銀は重宝されており、オーストラリアやアメリカの入植者たちは、飲料水の樽やタンクに銀のコインなどの銀製品を入れることで、バクテリアや藻類の繫殖を抑え安全な水を確保していました。また戦争中にも銀は利用されていました。銀箔がそれにあたり、第一次世界大戦中には創傷の感染症から身を守るために使用されました。

抗生物質の導入に先立って、コロイド銀と呼ばれる物質も病院などで広く利用され、少なくとも1200年は殺菌剤として使用されました。さらに1800年代初期には、傷の縫合に銀製の糸が用いられることもありました。それによる経過はいずれも良好だったようです。

今も電磁波シールドなどには銀が使われてその抗菌性の効果は活用されています。

●Silver(SV)925,950の表記

銀は地金の中でも柔らかい金属なので純銀はアクセサリーには向きませんが、愛される地金。アクセサリーに使用できるようにするため、銅やアルミニウムを混ぜて地金を硬くしたものを使います。それがSV925,SV950です。シルバーアクセサリーには925、950の刻印をする事で銀の割合を表しています。一般的には925の製品が多く、銀の純度が少し高め950は金属アレルギーの方やシルバー好きな方に人気です。金属アレルギーの反応は人ぞれぞれなので、950でもアレルギーにが出てしまう人もいます。

ここでよくSilverとしか刻印していない商品がありますが、銀メッキされている製品にもSilverの刻印はされている為、この刻印がされているから銀という判断はできません。さらに銀は銀でも純度が解らない為、持ち込んみで加工のオーダーや修理に責任が持てなくなります。又、この刻印がされているもの全て銀製品だと思い込んでいる方が多く、きちんとしたシルバー店では925、950の刻印がされており、安心して本物と判断できると言えます。勿論、愛芽も925、950の刻印をしています。最近は925や950製品をスターリングシルバーと呼ぶようになってその区別をつけていますが、購入の際は必ず、説明表記や刻印をきちんと確認するのが良いと思います。

そしてシルバーアレルギーだと思っているお客様が実は銀メッキアレルギーだったという事がよくあります。銀は大丈夫だったという事もあるのでアレルギーがでたアクセサリーの刻印を今一度確認してみるといいと思います。

●銀の黒ずみは酸化ではなく主に硫化

銀はよく酸化するといいますが、そうではなく主に硫化と塩化反応して黒く変色します。温泉や自動車の排気ガス、工場から排出されるガスには亜硫酸ガスが含まれており、この硫黄分にシルバーが硫化反応して茶色/黒に変色します。硫化銀の皮膜の厚さによって、黄色、次に茶褐色に変わり、更に皮膜が厚くなると黒色になります。塩化反応もあるようです。

水仕事で漂白剤を使った際にシルバー製品にそれが付着すると、真っ黒になりますが、これは塩化反応です。漂白剤に含まれる塩素と銀が反応して茶色/黒に変色します。塩化銀は光にあたると黒化が進む性質を持っていて、フィルムカメラを銀塩カメラと呼ぶのは、この塩化銀の特性を光剤に用いた事に由来しているそうです。

●銀は身体の健康のバロメーター

汗をかいた後や、夏場に変色しやすいのは汗と一緒に日焼け止めクリームや、ファンデーションが銀に付着しやすいからです。そのまま使用していると不衛生になって身に着けた部分がかゆくなったりする場合があり、それをアレルギーだと勘違いして今う方もいます。更にお客様の中にはファンデーションも日焼け止めクリームも塗っていないのに、変色してしまう人もいます。

この原因は汗そのものからの警告。べたべたした汗「悪い汗」と呼ばれる者が原因だと思われます。汗は、血液からつくられています。その際、血液に含まれる体に大切なミネラル分などは、ろ過して血管に戻しています。

このろ過機能がきちんと働いてできると、さらさらとした汗「良い汗」なのですが、発汗を促す交感神経や汗腺の機能が鈍っていると、ミネラル分の再吸収が行われず、水分と一緒にミネラルが体外へ出てしまいます。

これが良く言われる「悪い汗」で、このミネラルが原因でシルバーが変色するのだと思われます。これによって身体のろ過機能が働いていない事を教えてくれているので、健康のバロメーターにもなってくれるのです。

●お手入れ

上記から、とにかく清潔にしていれば銀は変色しにくいのです。お洗濯と一緒で身に着けた後、泡のハンドソープで洗ってあげるのがコツです。液体洗剤は洗剤が付着したままになってそこが変色の原因にもなるからです。

泡のハンドソープで優しく洗って頂くと変色しにくく、綺麗な状態で使用できます。変色してしまった際は、研磨剤がついている磨き布で磨いて、ティッシュでふき取って頂くと綺麗になります。もっと簡単なのはクリーニング液で、これにに数秒着けてしっかり水洗いすれば綺麗なままです。石がついている場合は、ターコイズと珊瑚、パール以外なら漬けても大丈夫です。

しばらく使わない際は綺麗に洗ってから、空気に触れないようティッシュやハンカチ等に包んで箱に入れてしまっておくことがお勧めです。

又、上手にお手入れしていくと変色している部分とそうでない部分の濃淡がついてレザーのように、良い風合いになります。シルバーアクセサリーが好きな方はそうして楽しんでいる方が多く、すぐにクリーニングを好む方もいますが、長く愛用していくと元の状態を保つのは困難になっていきます。定期的にメンテナンスしつつ愛着を持って自分だけのアンティークな風合いを目指すのもシルバー特有の醍醐味かなと愛芽は思います。是非自然な燻しを楽しんで頂けたらと思います。


●銀の贈り物

古代エジプトの人たちは”神々の骨は銀で出来ている”と考えていたそうです。

ギリシャ神話でも銀に関する神話があるほど銀は世界中で様々な言い伝えがあり、共通しているのが魔除けや幸福を願うお守りとして使われていることです。もともとアクセサリーなど装身具の起源は、人類が外敵などから身を守るために魔力があるとされるものを身につけたのが始まりとされていますが、上記でも記載した科学的にも証明されている抗菌効果もある不思議な金属という意味から、銀は古来より「人を災いから守る」魔除け効果があるとされてきたのかなと思います。そうして魔除けや幸運のシンボルとされ、西洋では赤ちゃんにプレゼントする銀のスプーン、中国では銀のお箸 、結婚指輪等、今でも世界中で幸せを願う贈り物に用いられ愛されています。

大切な人へ銀の贈り物は意味や想いが込められとてもお勧めです。


スプーンのネックレス/2010
ナイフとフォークのピアス/2010


●さみしがりやな金属は地球の大切な資源

最後に銀は不思議にも身に着けていると変色しにくく、暫く外して放っておくと一気に変色してしまう事から、寂しがりやな金属と言われています。ずっと身に着けているとお風呂で身体を洗う際にも一緒に石鹸で洗っているので、付着していた汗などの汚れが落ちて清潔に保たれている事も理由に挙げられると思いますが、何となく人間味があって私自身はとても愛らしく感じますよね♪更に銀は何度でもリサイクルが可能です。銀を扱う職人は削った粉もゴミ箱に捨てるなんていう事はせず、床のごみすらもまとめてとっておいて、一気に分析に出し、また銀だけにしてもらって大切に使っています。以外の金属(金、プラチナ、銅、ロジウム等)もこの分析で分類されるのでそのままリサイクルできるようになります。

溶かして加工すればまた新たなジュエリーとして、アクセサリーとして再生でき、壊れたら修理もできる、地球の大切な資源。

だからこそ地球にも身体にも優しい金属であり、古くから愛されている価値ある金属だと思いませんか🌱

●銀という価値

金の高騰によって数年前から銀積立も生まれました。

長い間見ていると、金はおそらく今後一般の人の手には届きにくい金属になっていくと思われます。金はイ〇ミナティ真のゾ〇アスター教の13血統が支配していますし。

…と、金はこのままいくと金は後10年で枯渇すると。

魔除けでもあり、古くから愛される縁起の良い銀。

この銀の価値をあえて下げてきた世の中の理由も何となく解る気がしてきます。それでもここ数年で銀積立というものが始まり、銀そのものの価値が上がり始めてきました。銀も金と同じように2040~2050年頃には枯渇してしまうと考えられています。ただ私が数年前に調べた時は、銀はもう枯渇していてそれをリサイクルしている状態だと書かれていたサイトがあったので、銀の方がより金よりはるかに価値があるのではと思っていたのです。

銀の本当の価値を知ると、数年後には今までの金と同じような、もしくは金よりも高い価値として扱われるかもしれません。古くは銀の方が金よりも価値を持っていた時代が確実にあったからです。金が庶民には手の届かないものに変わりつつある今、銀を買っておくのも良いかもしれません。私はどちらも買っています(小声w)

こちらの情報からも納得できます。

https://first-sovereign.jp/blogs/blog/on-silver-depletion

…プラチナは?と思われる人もいると思いますが、プラチナは1g辺りの価格を20年見てきていますが、全体としてみると最高で1g¥7,000だった時もありましたが一時的で、大体¥2,000~¥4,000のあたりでそれ以上は上がっていません。

個人的にはあまり4年前も20年前の一番安かった時よりも下がっているので、地金そのものの価値が上がるという事は無いように思います。

何故なら金を見てみると、20年前1g¥2,000程だったのに、右肩上がりに価格が上がっていき、昨年1g¥10,000を超えました。プラチナのように過去20年でみてもガクッと下がるという事が無いのです。

金そのものの価値と、あとわずかという有限な金属だからこそ今後その価値が下がることは無いと思います。

そんな金についてはまた次回書きたいと思います。

2012太陽のペンダントトップ/喜怒哀楽の顔が私のお気に入り♬

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