おハゲちゃん治療❤️🩹
左後頭部に、おハゲちゃんがふたつできた。
円形脱毛と言うとなんだか他人事みたいだし、
10円ハゲと言うには大きすぎる。。
私の身体で起こる何らかの変化は、
いつだって私の身体を守ろうとする
生に向かうポジティブな働きであると思うので、
私を労い可愛がる意味も込めておハゲちゃんと呼んでいる。
ちなみに病院で測ってもらった結果、
ふたつのおハゲちゃんたちは3.5×2.5センチと、
2.5×2センチという大きさだとわかった。
調べてみると10円玉の直径は23.5mm、
つまり2.35センチということなので
やはり私のおハゲちゃんたちは
10円ハゲよりは少し大きくなってしまっているようだ。
10円玉を手に載せて見ても大きいとは思わないが、
同じくらいの大きさのおハゲちゃんには視覚的になかなかの衝撃がある。
自分でなくとも、知っている人や、
もしかすると全然知らない他人の頭だったとしても
黒々と生えている毛のなかにつるっとした頭皮を見ると、
なんだか不安な気持ちになると思う。
想像しただけでそう感じるのは、
感性豊かな私だけなのだろうか。
髪を何となく触っている時にたまたま見つけてから1ヶ月、
ようやく皮膚科を受診。
元は、病院に行ったって、
ストレスですね〜と言われて終わるだろうから意味がない!
自分自身の生活や心持ちに原因があるはずだから根本のそちらをなんとかしよう、
などと思い受診する気は更々なかった。
しかし発見から1ヶ月ほどが経ち、
頭皮の面積が人差し指の腹の面積をゆうに越えてきたことに気づいた私は
このまま全部の毛がなくなってしまったらどうしよう、と急に不安に襲われ、
「円形脱毛 原因」と打ち込んだ検索結果を片っ端から見ていった。
円形脱毛は、心理的ストレス・外的な環境変化・遺伝的な素因が根本原因にあるようだが、
起こっている事象としては
アトピーや花粉などのアレルギー反応と似た自己免疫疾患である
というのが現状の医療で最も有力な説ということだ。
対処療法としてステロイドの注射、塗り薬、飲み薬、
さらにレーザー的なものを当てるなどの治療があることがわかった。
私は比較的食や健康には関心がある。
中でも菜食やグルテンフリーについて調べるとよく話題にのぼるのは、
それらの食生活の副次的な効果として
花粉などの重度なアレルギーや、アトピーの症状の低減だ。
実際の体験談を発信されている方が、薬に頼り続けるものの改善が見られず、
辛い日々の中何年もあらゆるものを試して辿り着いたのが菜食だった、
ということをおっしゃっているのを読んだことがある。
このような体の不調や変化において最も辛いのは、
明確な原因、確実な治療法が誰にも分からない、ということだと思う。
今回の私のたった1ヶ月の心の動きも
随分とこのおハゲちゃんに左右されていた。
具合的には、転職して生活リズムを変えようか、とか、
身体にいいものを遠慮なく買えるような給与重視の職に転職しようか、とか、
主に働き方とお金に関してかなり壮大なことを考えていた。
なにはともあれ、受診しようと決まったら
すぐに「円形脱毛 名古屋」で検索しまくり、
ホームページ・Googleマップの口コミを精査して選んだ病院に行った。
まだ開設したばかりの病院だったが、
YouTubeやInstagramで皮膚科医として発信されている院長さん。
ホームページに載っている数々の症例の詳細な説明を読み、
この先生なら安心して任せられる!と思い決めた。
先生は優しく円形脱毛とその治療の選択肢について教えてくれた。
金額や無理なく通える頻度のことなど丁寧に質問に答えてくださり、
今回私は1ヶ月に一度程度のステロイド注射と、塗り薬を選択した。
初めて受診した当日に、早速注射を打つことになった。
ベットでブランケットを抱えてうつ伏せになってね、と言われ、
痛みを感じにくくするために、患部に冷やしを当てられた。
病院で、看護師さんや先生に見られながらベットに上がるのって、少し恥ずかしい。
座るだけならまだしも、まあまあ高いところによいしょと足を上げてのぼり、
くるりと体制を変えて寝転がるあの無防備で間抜けな感じ、、
いつまで経っても慣れない。
胸に抱え込んだブランケットは、ふわふわでとても気持ちよかった。
準備をしながら、綺麗な看護師さんが言ってくれた。
私もよくなるんですよ。もう10年くらいのお付き合いかなぁ、結構ショックですよね〜と。
うつ伏せで寝転がっているのでお姉さんの顔は見えないが、
へぇ、そうなんですか!と驚きつつ
私は今回初めてだったのでびっくりしました、などと答える。
そんなふうに言葉をかけてもらえると思っていなかったので
拍子抜けして、一気に緊張が解けた。
注射はそこそこ痛かったが、すぐに終わった。
注射痕を圧迫しながら、私も何回かやったことあるけど、やっぱ頭は痛いわよねぇ
と、また同じ看護師さんが話しかけてくれた。
痛みはそこそこに、それよりも看護師さんのさりげない優しさに胸がいっぱいになっていた。
こういう時、自分の中は感動の嵐で大変な大騒ぎになっているのに
変な空気になってしまったらどうしよう、と余計な心配ばかりで、
タイミングよくうまく感謝を言葉にできない自分がもどかしい。
別に優しくしたからといって自分に利益があるわけじゃない、
もう2度と会わないかも知れない相手にも優しくしてくれたことに感動する。
世の中にはしばしば、まるでそうすることが最も賢いかのように、
利益のためにうまく立ち回るためのアドバイスが溢れているけれど
目の前の人のために、やってもやらなくてもいいことをさらりとやってのけるのが、
尊く、ありがたく、素敵だと思ったし
自分もそういう仕事をしたいと思った。
治療には半年以上はかかると思っていてください、と言われた。
もちろん注射の効果はまだ感じられていないが、それ以上に心が受け取った喜びと安心感は、しばらく私の支えになってくれると思う。
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