空白の花

最近ハマっている曲がある。

指原莉乃プロデュースのアイドルグループ、≠MEのメンバー冨田菜々風のソロ曲『空白の花』。

YouTubeでMVのフルverが公開されているので是非観て頂きたい。

この曲は淡い初恋というべきだろうか、学生時代特有の胸がキュっとする気持ちが蘇るような曲である。

歌詞やMVから推測するに、片想いで殆ど会話も交わせないまま彼女が出来て実らなかった恋心。

友達として仲良くて〜とか、告白して振られて〜とも違う見ているだけで終わってしまう内容だからこそ綺麗で切ない気がする。

初恋は実らないってよく言うし。

下手に側に居るよりも美化されてより綺麗に思えるからこそ、この曲調が似合うのだろう。

この恋が花だったら
学名すらないでしょう

サビの歌詞はこの曲の象徴的なフレーズ。

こんな文学的フレーズを書ける指原莉乃はアイドルプロデューサーとしてだけでなく、作詞もあまりにも上手い。

文才が無いのと自分の勝手な解釈や投影でこの曲の持つ刹那的儚さを壊したくないのであまり詳しくは綴らないが、私が個人的に好きなフレーズだけは特筆させてほしい。

私だけのプレイリストには　　　　　　　　　　　君の好きな曲ばかりで　　　　　　　　　　　　　聴くたびに深くなる　　　　　　　　　　　　　　勝手な気持ち

恋愛に限らず、昔よく聴いてた曲を聴くと当時の思い出が蘇るというのは一般的によくあることかもしれない。

見ているだけでも話せなくても、お気に入りの曲を聴くだけで少し近づいた気持ちになるというか…

淡いおまじないというべきか願掛けみたいな期待を込めてプレイリストを再生していたのだろう。純粋で綺麗だなあ… 

(個人的にどうやって接点ないのに好きな人の好きな曲分かったんだろうって大人げない疑問を抱いてしまったが…🤔)

欲のない花だったら　　　　　　　　　　　　　　もっと強く咲いたでしょう　　　　　　　　　　　欲のない恋がよかった

こちらは2番のサビ。

最初は見ているだけで構わないって思っていても、思いが強くなるうちに段々仲良くなりたい、自分を特別に思ってほしいなんて欲が出てきてしまうのは自然な話。

頑張ると空回りしたり、何とも思ってない時の方が自然体で話せたり、難しいのだ恋愛は。

ましてや、まだ制服着ているぐらいの年頃なら欲だって持つし、不器用で当たり前。

この曲はスマホで曲を聴くシーンがあるから高校生の設定かと思う反面、自分が高校は女子高だったから中学生の時と重ね中学生の初恋的イメージで聴いてしまうというのは余談である。

少し憂鬱な月曜日も　　　　　　　　　　　　　　長く感じる授業だって　　　　　　　　　　　　　ねえ　全てが好きでした

2番の後の細かいリズムに合わせて歌われるフレーズ。

この曲の1番好きなフレーズでもある。

恋してると普段は面倒い学校も楽しく通える。その人に会えるから授業を始めとする何でもない学校生活が楽しかったり。(もう10〜11年前懐かしいな)

やっぱり中学生の時は平日が最強説なのだよ。(土日は部活があって学校には行くものの相手にはほぼ会えないものだし。)

同じクラスだと授業中も何かと楽しいんだろうなあ。隣のクラスだと学年や全校の集会が楽しいんだろうなあ。

そんな若かりし頃の多くの人の身に覚えがあるような煌めきが凝縮されたような歌詞。

大人になると忘れたような純粋な気持ち。

思春期ゆえの幼さ残る反面背伸びした独特のモラトリアム。

恋愛に限らず振り返って戻りたいような懐かしいような気持ちになってしまう。

そんな時代って誰もが持ってると思う。

そんな気持ちを思い出させてくれるような曲だと思う。

最近妙に中学生人生で1番楽しかったし戻りたいと思う25歳の感想であった。