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ヴィンテージジュエリーを知ることは歴史を知ること

アンティーク&ヴィンテージジュエリーのバイヤーになり、
ジュエリーのことを勉強していくうちに、歴史を知るようになりました。

1800年代…王族、貴族だけが身につけていたジュエリーが、
貿易などで成功を収めた裕福な人も身につけるようになり、
時代と共に、ジュエリー文化は貴族だけのものではなくなります。
1900年代には様々な素材で、様々なジュエリーが制作されるようになり、
一気に若者へも広がっていく。
現代ほど物質も豊かではなく、制限があり、
戦争が起これば、さらに素材が枯渇する中でも、
ジュエリー文化は途絶えることがありませんでした。
デザイナーたちは限られた素材の中で、作品を生み出します。
デザインもまた大きな時代の流れを受けて、
流行だけでなく、その時の社会情勢までもがデザインに反映されています。
ジュエリーを知ることは、歴史そのものを知ることに繋がります。
私がジュエリーそのものが好きだと言うことは絶対的なのですが、
ストーリーを含めて、そこに存在する意味がある。哲学さえを感じる。
ということを含めて、
私はアンティーク&ヴィンテージジュエリーに魅力を感じ、
仕事にしようと思ったのではないかと、今では考えています。

ジェリーベリーと呼ばれるヴィンテージジュエリーのシリーズも、
歴史的背景が深く関係しています。

第二次世界大戦中に、戦闘機の窓に使われていたルーサイトが破棄されていることを知った、トリファリのデザイナーのアルフレッドがルーサイトを加工し、
シルバー製の枠にラインストーンを足し、
新たなジュエリーとして生まれ変わらせたのがジェリーベリーの始まり。
ジェリーベリーのシリーズは人気となり、トリファリだけでなく、
他のデザイナーやブランドも制作しました。
動物や魚のボディの部分をルーサイト製にするのが、
どのブランドにおいても定番のジェリーベリーのデザインとなっています。

ジェリーベリーのシリーズはデザイン、完成度共に高いジュエリーが多く、
ブランドを問わず、作品のほとんどが高いレア度を誇ります。
ヴィンテージジュエリーの書籍には必ずと言っていいほどに、
掲載されています。

メルティングポットのホームページでは、
1940年代のcoroのフィッシュブローチをご紹介しています。

Coroは1901年にアメリカで設立されたジュエリーメーカー。
アメリカで最も成功したコスチュームジュエリーメーカーの一つです。
ディレクターのアドルフの商才により、
30年代にはアメリカ全土の主要都市に取り扱い店舗を持つまでに成長し、
最盛期には3500人ものスタッフを抱えていました。
その成功には確かな技術力と、
伝統的なものからモダンなものまでを取り入れた素晴らしいデザインがベースにありました。

コロはブランドが成功したため、幅広いデザインのジュエリーが制作されましたが、特に初期から中期にかけては名品が多く、50年以上前に制作されたとは思えないほど、斬新なもの、モダンなもの、現代のファッションスタイルにマッチするジュエリーが多いブランドです。

こちらはコロが制作していた魚のジェリーベリーブローチで、
その愛らしさ、美しさから、コロの1940年代を代表する作品の一つになっています。
CORO、STARING(シルバー製)のサイン入り。
レア度、デザイン、クオリティ、完成度…全てにおいて最高ランクのヴィンテージジュエリーです。

http://meltingpot-shop.com


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