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情報系大学院に進学する経済学部生が4年間の大学生活を振り返る

こんちには、yuasaです。この度、経済学(学士)の学位を取得し、学士課程を修了したため、これを機に4年間の大学生活を振り返りたいと思います。

プログラミングを始めた1年目

名古屋大学経済学部に入学しました。当時の自分はいわゆる"意識高い系"で、自己啓発本を読み漁っていたことを覚えています。その中でプログラミングに興味を持ち、大学ではプログラミングにチャレンジしたいと考えていました。

そんな中、入学関連のイベントで名古屋大学宇宙開発チームNAFTの方と出会いました。そのサークルはロケット制作など宇宙開発を行うサークルではありますが、当時はソフトウェア部門があり、そこでは宇宙開発に関係なく自由にソフトウェア開発ができるということでした。プログラミングに興味を持っていた自分は即入部を決意し、入部と同時にプログラミングを始めました。NAFTでは、Pythonへの入門やブロックチェーン技術への入門を行いました。当時の自分はいわゆる"プログラミング何もわからない状態"で、何もわかっていないけれど、手は動かしているような状態でした。その後、特に理由があるわけでもないですが、徐々にNAFTからはフェードアウトしていきました。

その後、NAFTで触ったブロックチェーン技術への興味が絶えなかったため、名古屋で開催されていたブロックチェーンの勉強会「Blockchain-Nagoya」に参加しました。そこでは、BitcoinやEthereumなどのブロックチェーン技術を学ぶだけでなく、名古屋でブロックチェーン技術に興味を持っていた方々とたくさん交流をすることができました。

勉強会に参加する中で、ブロックチェーン周辺の開発力をもっと高めたいと考えるようになりました。そのことを当時Blockchain-Nagoyaの主催だった方に相談すると、「どこかの会社でインターンしてみれば?」というアドバイスを受けました。

早速、「名古屋 ブロックチェーン」でGoogle検索すると、Acompanyともう1つの会社が出てきました。Acompanyは代表の高橋さんが名古屋大学の学生だったことで勝手に親近感を持ち、Twitterにて「インターンさせてください!!!!!」という旨のDMを送りました(当時の自分の行動力に脱帽)。その後、一度会ってお話させていただき、無事にAcompanyでインターンをすることになりました。

当時、Acompanyは学生向けサービスからブロックチェーンにピボットしたばかりのタイミングということもあり(詳細)、エンジニアは僕とCTOの近藤さんの2人だけでした。そのため、入社したばかりですがブロックチェーンを使用したPoC実装を任せられることになりました。自分は業務でコードを書いた経験がなかったので不安もありましたが、なんとか乗り切ることができました。その後も何度か異なるブロックチェーンアプリケーションの実装を行い、開発力を徐々に高めていきました。

開発に熱中した2年目

2年目は何をやっていたかあまり覚えていませんが、開発に熱中しすぎて大学の単位をたくさん落としていたことは覚えています。引き続きブロックチェーン関連の開発を行い、Web技術に触れていました。簡単なWebアプリケーションのプロトタイプを色々と作っていました。様々なハッカソンに参加し、ONE JAPAN Hackathon x Tokai Vol.2 では「自転車の違反駐輪を取り締まるシステム」を構築し、審査員賞をいただきました。

CTFサークルを設立した3年目

3年目の前半はCO.NECT東京大学ブロックチェーン学生起業家支援プログラムに参加しました。このプログラムは半年間、報酬を貰いながらブロックチェーン技術を用いたプロダクト開発を行えるというものです。僕は「Utility Token Price Simulator」というBitcoinなどのUtility Tokenの価格を理論的にシミュレーションできるアプリケーションを開発しました。ここでは「論文を読み、それを実装に反映する」ことを初めて行えたので非常に良い経験になりました。

また、ブロックチェーンがきっかけでセキュリティにも興味を持ち、名古屋大学CTFサークル 「Ir0nMaiden」を設立しました。CTF(Capture The Flag)とは情報セキュリティの知識・技能を競うコンテストで、Ir0nMaidenはCTFにサークルのメンバーで取り組んでいくことを目的に設立しました。Ir0nMaidenの運営を通して気づいたことは、オンライン勉強会におけるアクティブメンバーを確立することの難しさです。Ir0nMaidenでは当初、勉強会に参加する人が頻繁に入れ替わっており、時には僕1人参加していた時期もありました。しかし、根強く継続していると徐々にアクティブメンバーが確立されていきました。

研究活動をスタートした4年目

3年目でセキュリティに興味を持っていた僕は、研究室見学を経てNAISTに院進しようと考えていました。NAIST情報の院試形式は小論文(研究計画書)、数学の口頭試問、英語外部試験スコアの提出でした。7月には院試が控えており、小論文は腰を据えて取り組まなければいけないと考えていたため、4月ごろから院試の対策に取り組み始めました。結果的に無事院試に合格することができ、NAISTへの進学が確定しました。

また、4年生なので卒業研究もしなければいけません。僕はゲーム理論や行動経済学が専門のゼミに所属していており、それらとセキュリティを掛け合わせた研究ができないかなと考えていました。NAISTの院試用小論文を書くためのリサーチの中で、セキュリティにおけるDeceptionという分野のゲーム理論モデルを提案している論文を見つけていました。そのため、卒業研究では「Deceptionのゲーム理論モデルの行動経済学的要素を取り入れた拡張」を行いました。

加えて、SecHack365にも参加していました。SecHack365は25歳以下の若者が1年間、一流のセキュリティ研究者・技術者の方々の支援を受けつつ、セキュリティに関わるモノづくりができるというプログラムです。SecHack365の受講生には同年代のセキュリティ技術者が集結していたため、非常に刺激になりました。また、低レイヤー(自作OS、自作言語など)に取り組む方が多く、自分はまだまだ何も分かっていないことを分からせられました。SecHack365では成果物として「内部不正の未然の対応策を決定するゲーム理論モデルの提案」を発表しました。こちらは研究会で発表も行うことができました。

CTFサークル「Ir0nMaiden」の活動は2年目に突入しており、サークル内ではCTFを開催する機運が高まっていました。そして、12月には「IMCTF 2021」を開催しました。

CTF開催は初めてだったので不安がありましたが、大きな問題もなく無事終えることができました。最終的に120名の方に参加していただき、改善点は多々ありますが、良いCTFになったと思っています。ちなみに、Ir0nMaidenは今年4月にWEST-SECさんと共同でCTFを開催するので、よければぜひご参加ください。

大学生活の感想

4年間いろいろやって楽しかったです(小学生)。

今後について

今後はNAISTに進学し、セキュリティの研究をやっていきます。特にMTD(Moving Target Defense)分野の研究・開発をやっていく予定です。


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